2022年10月1日 2面
公明党の山口那津男代表と党ウクライナ避難民支援・東欧3カ国調査団(団長=谷合正明参院幹事長)は9月29日、岸田文雄首相に対し、ウクライナ人道支援の強化に向けた提言を申し入れた。
これは、ポーランド、モルドバ、ルーマニアの各国を訪れた党調査団が、現地で暮らす避難民のニーズや受け入れ国が抱える課題などを把握し、日本に求められる支援策をまとめたものだ。
岸田首相は「ウクライナや周辺国の立場に寄り添った支援を考えたい」と答えた。提言の具体化にしっかり取り組んでもらいたい。
提言では、寒さが厳しくなる冬季に避難民が一層増えるとの現地の予測を踏まえ、住宅や医療、教育などについて受け入れ国への支援強化を要請。ウクライナへの支援では、破壊された住宅や暖房インフラなどの復旧へ財政支援を拡充するよう求めた。
また、避難の長期化に伴い受け入れ国の経済的・社会的な負担が増していることから、効果的なODA(政府開発援助)の運用と、国際機関やNGOと連携した緊急人道支援の継続を主張。支援が円滑に進むようウクライナの首都キーウ(キエフ)にある日本大使館の早期再開と人員補充などの機能強化を求め、日本での避難民受け入れ支援の充実も提案した。
さらに、ウクライナへの人道支援や避難民受け入れ国に対する支援について、政府が10月中に策定する総合経済対策に盛り込むよう要請。広島で来年開かれるG7サミット(先進7カ国首脳会議)に際し、ウクライナ復興支援国会合を日本が主催することも提案した。日本のリードで国際的な取り組みを強めたい。
党調査団によると、ウクライナや周辺国の間では、避難民や受け入れ国に対する国際社会の関心が薄らいでいるとの懸念が強く、日本から政権与党の公明党が調査団を派遣したことに大きな期待が寄せられたという。それに応えるためにも、公明党は提言の実現に全力で取り組んでいく。