2022年9月18日 1面
公明党ウクライナ避難民支援・東欧3カ国調査団の谷合正明団長(参院幹事長)、高橋光男参院議員、河西宏一衆院議員は16、17日も、ルーマニアやポーランドで、避難民支援活動の視察や、避難民との懇談を行った。17日午前、ポーランドを離れ、日本時間きょう18日、成田空港に到着する予定。
■谷合団長「どこまでも寄り添う」
【ポーランド・ワルシャワ17日=栗田博幸】党東欧調査団の谷合正明団長(参院幹事長)らはワルシャワ空港内で、日本政府の渡航支援により、党調査団と同じ飛行機で日本へ向かう4人のウクライナ避難民と会い、「どこまでも寄り添い、全力で支えていきます。どうか、安心して日本に来てください」と励ました。
40代の避難民男性は「日本は平和な国で憧れがあった」と笑顔を見せ、渡航支援への感謝の思いを述べた。一方で、「言語の壁」を心配する率直な思いも語った。
高橋光男参院議員は、日本語教育など来日後の支援を紹介。河西宏一衆院議員は「困ったことがあれば遠慮なく相談してください」と伝えた。
■安心して学べる場必要
【ルーマニア・ブカレスト16日=栗田博幸】党東欧調査団は16日午前、首都ブカレストで、ウクライナ避難民の子どもたちの課外活動などの支援を国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」と連携して提供している中学校を視察した。
同校では、通常の生徒が授業をしていない時間帯の教室を活用して、避難民の子どもを対象とした授業を実施。教師のほか、ウクライナ語を話せるスタッフがサポートしながら教育支援を行っている。同校の校長は「全ての子どもは出身地に関係なく等しく教育を受ける権利があるべきだ」と力説。現在、6歳から11歳までの110人の避難民が登校し、年齢に応じたクラスに分かれて授業を受けていると説明した。
一行は、小学1年生の年齢に当たる避難民クラスの授業にも参加。子どもたちと一緒に折り紙を作るなど、親しく交流した。視察を終えた谷合団長は「子どもにとって、安心して勉強できる環境は欠かせない。こうした支援の輪を広げていきたい」と語った。
このほか、セーブ・ザ・チルドレンが運営する、ブカレスト北駅に設置された避難民支援スペースも見学した。
■商品引換券の配布有効
また党東欧調査団は、ブカレストで国際NGOの「JRS」「プラン・インターナショナル」が協力し、ウクライナ避難民に対して、子どもや女性向け衛生用品などと交換できる緊急支援バウチャー(商品引換券)を配布している施設を訪問した。この活動には日本の緊急人道支援の資金が活用されており、関係者から効果などを聞いた。
施設には、事前にオンラインでバウチャーの受け取りを予約した多くの避難民が駆け付けていた。NGOスタッフは「避難民の多くは女性と子どもであり、少しでも安定した生活を送るためにもバウチャーは必要だ」と強調。申請の際には生活で困り事がないか聞き取り、個別で就労相談なども行っているほか、母親の心理的サポートも積極的に実施しているという。
谷合団長は「日本の支援が現場のニーズにうまく生かされていることが分かった。引き続き人道支援に総力を挙げていきたい」と語った。