2022年7月8日 6面
国土交通省が昨秋導入した「タクシー相乗りサービス」制度。従来の“乗り合いタクシー”は、路線バスと同様の扱いで、定時運行で停留所と降車場を結ぶものだったが、今回の“相乗り”では登録・予約制などで不特定、複数の利用者に「ドア・ツー・ドア」のサービスを提供できる。
新制度の導入を受け、岡山県倉敷市の倉敷タクシー株式会社(岩井央社長)は5月、高齢者の通院を支える相乗りサービスを開始。地域交通の充実へ相談を受けてきた公明党の生水耕二市議は、このほど同社を訪ね、岩井社長らと懇談した。
同社のサービスは、同市中央部の葦高小学校区と川崎医大付属病院間を5000円の定額制とし、乗車人数で割り勘できるもの。相乗りは4人までで、それぞれの自宅まで送迎する。
バス形式の“乗り合いタクシー”について、岩井社長は2019年9月、「高齢者にはとっつきにくいのか、利用者が伸びず不採算。地域の足を支えたい気持ちはあるが、現行制度では難しい」と、生水市議に相談していた。
生水市議から実情を聞いた谷あい正明参院議員(参院選候補=比例区)が国交省側に要望し、制度改善を後押しした。
岩井社長は「今後サービスのエリアを拡大し、高齢化する地域に貢献したい」と主張。生水市議は、「新しい地域交通を応援したい。地域内での相乗りは安心感もあり、需要も大きいのではないか」と語った。
一方、懇談に同席した、一般社団法人「岡山県LPガス協会」の明貝文夫副会長は「低床のセダン型LPガス車は、高齢者でも乗り降りしやすい。タクシーで利用が進むよう配慮してほしい」と話していた。