2021年12月29日 2面
政府は28日、岸田文雄首相が出席して首相官邸で「孤独・孤立対策推進会議」(野田聖子議長)の初会合を開いた。会合では、今後重点的に取り組む対策を盛り込んだ初の計画を決定。当事者や家族らが必要な支援を受けられるよう、電話や会員制交流サイト(SNS)による24時間対応の相談体制の整備や情報発信の推進、地域との「つながり」の場づくりなどを盛り込んだ。
コロナ禍が長期化し、生活困窮などで不安を抱える人が増えており、自殺者数の増加が顕著となるなど孤独・孤立の問題は一層深刻化している。
計画では「孤独・孤立は誰にでも起こり得る」とした上で「社会全体で対応しなければならない問題」と指摘。相談体制の整備などの施策を展開する方針を打ち出した。官、民、NPO法人の連携強化も明記している。計画は毎年度見直す。
■当事者目線の支援へ前進/党社会的孤立防止対策本部 谷あい正明事務局長(参院幹事長)
社会的孤立の防止に向けて公明党は、今年2月に対策本部を立ち上げ、全国で実態調査を行った上で、5月に提言を首相に申し入れた。提言では「社会的孤立は個人の問題ではなく社会の問題」だと指摘し、予防の観点も含めて、国を挙げた継続的な支援を強く要望した。今回の重点計画策定は、これを踏まえたものだ。
特に“当事者の立場に立った支援”は、公明党からの提言で入った視点だ。併せて、相談支援の強化に加え、アウトリーチ(訪問支援)と居場所の確保が明記された点も重要だ。政府が現在実施中の孤独・孤立の実態調査の結果も踏まえ、全国で支援強化が進むよう、引き続き対策本部として全力を挙げたい。