○谷合正明君 公明党の谷合でございます。
家畜伝染病予防法の質問に入る前に、私も、新型コロナウイルス感染症対応について伺いたいと思います。特に、酪農や畜産に関するところを確認的にお伺いしたいと思います。
まず一つは、この度、やはりこの感染症の拡大に伴いまして、特に飲食、外食、またインバウンド等、影響を受けております。その影響でありますけれども、和牛の状況が非常に厳しい状況になっているということでありますが、この和牛枝肉の平均価格や和牛子牛の平均価格が今どの程度影響を受けて下落しているのか。また、一部では、倉庫に保管をして、それが増えてきているというような話も伺っております。この和牛の在庫状況というのがどのような状況になっているのか。
これ、一日も早くこの新型コロナウイルス感染症が終息していかなければ、終息が第一なんですけれども、今申し上げたような課題に対しましてどのように今後政府として、今新たな経済対策を策定するところでありますけれども、対応を考えていくのかということをまず確認的にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
和牛の枝肉価格でございますけれども、新型コロナウイルスの影響によりまして、インバウンド需要、そして外食の需要が大きく低下をしてきております。二月の下旬以降、前年の価格を大きく下回っているような状況でございます。三月のこれまでのA4価格の平均でございますが、前年に比べまして二五%程度下がっているといった状況にございます。また、子牛の価格につきましても、これを受けまして下がっている状況でございまして、三月、今週のここまでの価格につきましても、約一五%から二〇%程度、前年に比べまして下がっているという状況にございます。また、需要の減少に伴いまして在庫が積み上がっております。倉庫の空きスペースも不足しているという状況でございまして、和牛の保管状況が悪化していると、こういった状況にございます。
こういった状況にございますので、国内外の消費拡大を通じまして和牛が円滑に流通する環境を整えるということが非常に大事だと考えております。現場の状況を踏まえまして、今後どういった対策ができるのか、しっかり検討をしてまいりたいと考えております。
○谷合正明君 酪農についても伺いたいと思います。
学校給食が、これが一旦停止したということに伴いまして、生乳を加工乳の方に一時的に回したということであります。政府においては、第二弾の対応で価格補填の対応等も取っていただきましたし、その加工乳、脱脂粉乳をこれまた飼料用の方にも回していく、その際のきめ細やかな対応も発表していただいているところなんですが、私も、岡山の酪農現場を何軒か回らせていただきました。やはり元々、この時期というんですかね、この時期は生乳の量が多い時期でもあるし、また、暖冬ということの影響もあって結構量が多かったという中で、学校給食の一時停止ということでの、生乳を加工乳に回したということであります。
やはり現場からは、この脱脂粉乳の在庫の状況というのを非常に気にされているなという印象を持ちました。脱脂粉乳も在庫が元々積み重なっていたんじゃないかと、それが更に積み重なることによって我々酪農の生乳生産に与える影響があるのではないか等を心配をされておりました。
まず、その脱脂粉乳の適正在庫量に向けた対応について今後どのようにされていくのか、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
脱脂粉乳の在庫については、令和二年二月末時点で七万五千トンと、非常に高い水準にあるところでございます。
今回、学校給食の休止によって約三万トンの学校給食用向けの生乳が脱脂粉乳等の加工用に用途変更される見込みであります。これにより、追加的に製造される脱脂粉乳については、在庫数量が高い水準であることを踏まえれば飼料用に用途変更せざるを得ないことから、これに伴う価格差への支援及び輸送費、保管料への支援を措置したところでございます。また、脱脂粉乳は、国家貿易により国内需要の不足分を輸入しているものでありまして、輸入によって在庫が大きく増えるようなことはございません。
引き続き、生乳需給安定と牛乳、乳製品の安定供給を図るため、脱脂粉乳の在庫数量の推移を注視し、適切に対応してまいりたいと思っております。
○谷合正明君 もう一つは、農業、水産業、また水産加工業等では、働き手の確保ということで、外国人技能実習生が作業に従事をされておられます。当初、中国の影響がよく言われていたところなんですけれども、もう今や、ベトナムでありますとかインドネシア含めて、渡航制限の広域化でありますとかまた長期化ということが避けられないのではないかというふうに考えております。
法務省におきましては、入管の方でこうした外国人の技能実習生の我が国の滞在延長の許可方針なんかも出されているところではあるんですけれども、まず、この生産現場あるいは水産加工業において、今、人手確保に向けてどのような影響が出ているのか、また、今後どういう対応をしていくのかについて伺いたいと思います。
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
現在受入れの見通しが立たない技能実習生につきましては、都道府県や関係団体への聞き取りを基に積み上げますと、農業で千人程度、漁業、水産加工で百人程度となっており、経営への影響を懸念する声をお聞きしておるところでございます。
現在日本にいる技能実習生の方々に引き続き就労していただけるよう、帰国が困難な方について、就労可能な在留資格への変更ができることなどの周知を行うとともに、手続の簡素化などの現場からの制度的な要望について出入国在留管理庁等に説明をして、検討をお願いをしておるところでございます。また、当面の労働力不足の対応といたしましては、JA全中においても、即戦力となるJAグループの職員の派遣を検討をしていただいておるところでもございます。
今後も、現場の状況、要望等をよく踏まえた上で、労働力の確保のためには必要な対策を検討をしてまいります。
○谷合正明君 それでは、大臣にお伺いします。
新たな経済対策ということですけれども、昨日は、東京都知事が感染爆発の重大局面だという表現で記者会見をされましたし、また、今、報道でありますけれども、新型インフルエンザ特措法に基づいて政府対策本部の設置に向けて総理が指示をされたというふうに伺っております。まさに今重大な局面であると、危機感を常に保ちながら、この終息に向けて政府一丸となって取り組んでいかなきゃならないステージであることは間違いありません。
一方で、事業継続でありますとか雇用維持、また生活支援や、また消費喚起という観点でしっかりと対策を講じていくということで、我が党としても、しっかりとこうした提言を取りまとめて、政府に申入れをしたいと思っております。
特に、生産現場のみならず、外食等を含めますと、食品加工を含めると非常に裾野の広い分野でもあります。そうしたところは、大体中小企業というか小規模事業者が多いということもありますから、しっかりこの点も踏まえて対策を講じていただきたいと。大臣の今のお考えをお伺いしたいと思っております。
○国務大臣(江藤拓君) 昨日も九時ぐらいまで、いろいろ省内で検討を重ねております。省内のお金だけで当然できることではなくて、補正があるかどうかについては、この場では断定的なことはもちろん申し上げられませんが、それをやるということであれば思い切った要求をさせていただこうと思っています。
生産基盤の強化を目指して頑張りたいということを何度もこの委員会でも申し上げさせていただいておりましたが、生産基盤が壊れないための対策が今求められていると思います。
例えば、牛なんかは放っておいても、豚もそうですけど、どんどん大きくなりますし、先ほど答弁させていただいたように、局長から、なかなか倉庫の空きもなくなってきているということであれば、屠畜場において牛を屠畜することさえできなくなる、そうなれば、牛舎が空きませんから、当然、子牛を買うこともなくなってしまう。
そして、魚の世界もなかなか難しくて、大衆魚については値崩れしておりません。ところが、ホタルイカとかウニ、カニとか、マグロもそうですけど、そういうものについては非常に値崩れが厳しい、そういうところを何とか救うためには何ができるのか、あらゆる知恵を今絞り出しているところでございます。
ですから、できることは何でもやりたいという心構えで省内の知恵も今出してもらっておりますし、我が党も御党も、また、各党におかれましてもいろんな検討がされると思いますので、ここは皆様方のお知恵を拝借しながら、対策については思い切ったものをできるように頑張っていきたいと思っております。
○谷合正明君 是非よろしくお願いしたいと思います。
それでは、家畜伝染病予防法について質問したいと思います。
まず、今国会の冒頭、議員立法で予防的殺処分の対象となる家畜伝染病にASFを追加をさせていただいたところであります。改めて、このASFが予防的殺処分の対象となった一方で、このCSFは対象とならないことの説明を伺いたいと思います。
監視伝染病いろいろある中で、口蹄疫なんかは既にもう予防的殺処分の対象となっているけれども、その中で今回ASFのみが追加になったということなんですけれども、この点について確認をしたいと思います。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
予防的殺処分の措置でございますけれども、これは、健康な家畜でありましても患畜、疑似患畜になる前に強制的に殺処分をするというものでございます。損失補償はあるものの、飼養している方々にとっては大変厳しい措置でございますし、財産権に対する強い制限となるということでございます。
したがいまして、この予防的殺処分につきましては、法律で病名をきちんと書くということとともに、やはりワクチン接種など他の手段によってはその急速な蔓延を防ぐことができない疾病に限って対象とすべきということで考えているところでございます。
議員立法におきまして追加をしていただきましたASFにつきましては、伝播力が高いということと有効なワクチンが存在をしないということでございます。それから、世界的に見ましてもほとんどが野生動物から発生しているということに鑑みまして、飼養豚のみならず、野生動物において発生した時点でも予防的殺処分ができるよう措置していただいたというふうに承知をしているところでございます。
これに対し、CSFにつきましては、適切に接種されれば発症を制御することができる有効なワクチンというのが存在をしております。したがいまして、これにつきましては予防的殺処分の対象とはしないという判断をしたところでございます。
なお、従前から予防的殺処分の対象となっておりました口蹄疫につきましては、ワクチンはございます。しかしながら、このワクチンは不活性化ワクチンということでございますので、発生の抑制に効果はあるということなんですが、感染を完全に制御できるほどの能力はないということでございます。それから、病気の特徴といたしましても、接触感染のみならず空気感染をするという極めて強い伝播性、これらを総合的に判断いたしまして、予防的殺処分をやはり手段として持っていないと蔓延の防止は困難ということで、予防的殺処分の対象としているところでございます。
○谷合正明君 よく分かりました。
それで、今のお話を伺いますと、やはりASFにとりますと、有効なワクチンの早期の開発ということが重要であるというふうに思いました。当然、飼養衛生管理を徹底していくということがもちろん大前提なんですけれども、このASFのワクチンの早期開発について、我が国としての、今、どのような取組がどこまで進んでいるのか、この点について確認したいと思っております。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
我が国も、平成三十年度から、農研機構の動物衛生研究部門におきましてワクチン開発の基盤的な研究を行っているところでございます。さらに、令和二年度はワクチンの候補株を作製するということに取り組むこととしておりまして、今後もASFの研究開発を加速化してまいりたいと考えております。
○谷合正明君 それで、隣の中国なんですけれども、ここは、もうおととしの八月以降ASFの感染が各地で相次いでいるということで、中国は世界最大の豚の生産国であるんですが、この豚の飼育数が一年の間で一億頭以上減少しているというのは、報道のベースですけれども聞きました。この中国がASFの影響で豚肉の価格が結果的に二倍以上に上がっているということもあり、中国が豚肉を食べるから、特にオーストラリア産の牛肉の方の輸入が増えているということで、かなり世界的に、我が国も含めて、この食料の供給、需給にとりまして影響のあることだなと思った次第なんです。
その中国が、この三月の報道なんですけれども、ASFのワクチンについて開発に成功したというような報道も接したんですけれども、この事実関係はどのようになっているんでしょうか。また、実用化に向けての見通しみたいなものについてはどのように承知をしておりますでしょうか。
○政府参考人(新井ゆたか君) 今お話がありました中国におきますASFのワクチンにつきましては、NHK等のニュースで報道されているというふうに承知をしております。
これにつきまして、私どもも、実際の研究の論文等も専門家が見ているところでございます。これにつきましては、まだ実用化段階まで至っているということではございません。ASFのワクチン開発は世界各国で進められておりますが、非常に難しい点があるということでございます。
今申し上げた段階まで行っている国としては、中国のみならず米国もございます。これにつきましては、一定の効果が認められるワクチンの候補株が作製されたということでございますが、これを実用化するに当たりましては、基本的に、ワクチンは弱毒にはしてありますけど、生ワクチンということでございますので、まず、多様なウイルス株に効くかどうかという有効性を検証しなければいけないということ、それから、実際に安全性ですね、安全性を確認し、かつ培養した上でないと実際にワクチンにならないということでございまして、そこを解消する、その課題を解消するにはまだそれぞれで時間を要する段階にあるというふうに聞いているところでございます。
○谷合正明君 分かりました。そんな簡単な話じゃないということもよく分かりました。
さて、予防的殺処分の話ですけれども、新型インフルエンザ特措法の議論の際にも、この度の新型コロナウイルスが対象になるのかならないのかという議論がありまして、新型インフルエンザ特措法では、改正前から未知の感染症というのも指定されていたけど、新型コロナウイルス感染症は未知の感染症じゃないということで新たに法改正をしたわけでありますけれども。
さて、動物感染症の世界でどうなのかということを確認したいんですけれども、未知の動物感染症が仮に国内の家畜や野生動物に発生した場合に、予防的殺処分を必要とする場合にどのような措置が今現行法で可能なのか、手続上の確認をさせていただきたいと思います。また、予防的殺処分は、もうこれ最終手段ということで、私権制限をするわけでありますから、この手続がしっかりとできているのかという担保も当然求められてくると思います。
なお、こうした未知の動物感染症がこれまで我が国に起きて、今申し上げたような現行法上の対応を、これまで例えば政令改正等をしたことがあるのか等も含めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(新井ゆたか君) 家畜伝染病予防法におきましては、法律でそれぞれ病気を指定して、その対応策を決めているところでございます。発生した場合に、屠殺処分の義務を始めといたしまして強力な措置を講ずることのできる家畜伝染病と、それから、家畜伝染病に準じましてワクチン接種命令などの措置を講ずることができる届出伝染病という二種類の病気があるところでございます。
他方、新疾病を始めといたしまして、このような法令で指定されているこれらの疾病以外、未知の疾病といった場合には、家伝法に六十二条という条文がございます。畜産業に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、一年に限りまして、政令で疾病や地域を指定いたしまして、家伝法上の予防的殺処分を含む全ての規定の準用が可能であるということでございます。それによりまして必要な対応を取っていくということでございます。予防的殺処分、それから蔓延防止措置、発生予防、あと輸出入検疫といった全ての措置がとれるということでございます。
お尋ねがありました、これまでこの規定を使った例といたしましては、平成八年、BSEの発生時でございますけれども、政令で指定をいたしまして、その後、法改正によりまして法定の家畜伝染病に指定したという経緯があるところでございます。
なお、予防的殺処分を行うに当たりましては、現在法律に書いてございますように、都道府県知事の意見を聴くでありますとか、必要な場合、野生動物で発生した場合には審議会の意見を聴くでありますとか、法定の手続を取った上で、実際の病気の場合にどのような範囲にするのかということにつきましては防疫指針で定めていくということになるかと考えております。
○谷合正明君 よく分かりました。
それでは次に、獣医師の確保についてお伺いしたいと思います。
獣医療を提供する体制の整備のための基本方針がこの度十年ぶりの見直しとなりました。CSFの国内での発生や近隣諸国でのASFの発生等、今非常に、その上でこの新型コロナウイルスの感染症ということも相まって、非常にこの獣医療の提供体制というのを本当にどうしていくべきなのかという、再検討をする時期でもあるというふうに私は思っております。
昨年の十一月の本委員会で私は、例えばAMR、薬剤耐性の話ですとか人獣共通感染症への対応ということで質問をさせていただきましたけれども、やはり改めて、今、今年に入りまして、人、動物の健康を一体的に維持するワンヘルスの考え方に基づいた感染症予防というのは極めて重要ではないかと思います。
その取組を支える獣医師、特に産業動物獣医師の確保についてはしっかり戦略的に進めていかなきゃならないと思うんですけれども、大臣、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) 産業動物、いわゆる大動物に関する獣医師の確保は極めて大切になってくると思います。それで、先生がおっしゃったワンヘルスの考え方も、昨今の鳥インフルエンザ、それとか、先ほど申し上げましたコロナの犬への感染を考えると、とても大切なことだと思います。
今回の、先生御指摘があった獣医療を提供する体制の整備を図るための基本指針の中には、第一章のかなりの部分を占めて、先生が御指摘の部分は記載をさせていただきました。
獣医師は、やはり女性がたくさん受験される率も増えてきて、なかなか難しい部分もありますけれども、それはいいことだと思います。女性の獣医師も増えておりますから、大動物も含めてですね。そして、お金を返す必要がないという奨学金制度がしっかり整備されております。これについては、この奨学金制度を利用したら一定期間、六年だったら九年間にわたっては従事していただくというような約束事を果たしていただかなければなりませんが、こういった獣医師制度をまたきちっと整備することによって、獣医師の総数を増やすことにも貢献できるのではないかと考えております。
○谷合正明君 しっかりお願いしたいと思います。
それで、この基本方針に触れられているところではあるんですが、例えば、CSF、ASF、口蹄疫等の家畜伝染病の予防、蔓延防止のために、飼養衛生管理の指導あるいは確認等、獣医師の方が行かれるわけですけれども、その際、情報通信技術の活用も求められているということも指摘されておりますし、私もそういう情報通信技術の活用というのは大事ではないかというふうに思っているんですけれども、この点について、具体的にどう進めていくつもりなのか、質問させていただきたいと思います。
○政府参考人(新井ゆたか君) 家畜の疾病の発生予防や蔓延防止のために獣医師の方々が農場にチェックに行くということは頻繁にございますし、これからもしっかりやっていただきたいと思っているところでございます。しかしながら、畜舎や農場内にいろんな方が入るということは、いろいろな衛生管理、着替え等をしたとしてもやはり病原体侵入のリスクになるということは事実でございます。
こういう中、令和二年度当初予算におきましてモデル的に実施しようと思っておるところでございますが、例えば、監視カメラやドローンなどを活用いたしまして、家畜防疫員の方々が農場の中に入ることなく、中の例えば消毒の状況とか、あと家畜の健康状態等を確認するような手法ということができれば、より効率的かつ安全かと思っております。まずはモデル的な事業を始めてまいりたいと考えております。
○谷合正明君 モデル事業ということなので、新たに始めるということです。これがしっかり有効な方法であるということをしっかりモデル事業としても確立していただいて、普及に努めていただきたいというふうに思っております。
それでは、私の方からも、エコフィードについて質問をしたいと思っております。
エコフィードに係る加熱処理条件の引上げ、見直しがこの度されるわけでありますけれども、まず、そもそもこのエコフィードについてどう捉えているのか。先ほどの質問とも関連するんですけれども、エコフィードというのは今後ちょっとやっぱり控えていかなきゃならないものなのか、いやいや、これはエコフィードをしっかり推進していくものなのか、ここの基本方針をしっかり示していただかないと、そこの関係の方々も非常に先行きが不安になるわけでございます。
改めまして、このエコフィード、私自身は、国産飼料の拡大、特に濃厚飼料について、このエコフィードの役割というのは高いと認識をしているわけでありますけれども、改めて農林水産省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
畜産経営の安定を図るという観点からは、輸入飼料に過度に依存している状況から脱却いたしまして、国内の飼料生産基盤に立脚した足腰の強い生産に転換していくことが非常に重要だというふうに考えておるところでございます。こうした中で、国産資源の有効活用あるいは循環型社会の実践、こういったものに資する観点から、エコフィードの利用、これは非常に有効であるというふうに考えているところでございます。
〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕
委員御指摘のとおり、濃厚飼料の中で国産でできているものというのは飼料米とエコフィードでございます。あとはほとんど輸入に依存しているという状況でございますので、こういった中で、安全性を確保しつつ、確保した上でエコフィードを利用するということは非常に重要なことだというふうに認識しております。
○谷合正明君 その上で、エコフィードに係る加熱処理条件の引上げ、見直しの経緯について確認したいと思います。
その上で、こうした見直しをやはり畜産現場にしっかりと遵守していただかなければならない、見直しの前からしっかりこれが、見直しの前の基準もしっかりとこれが遵守されていなければならないわけであります。その上でこの度基準を引き上げていくという話でございますが、この見直しの経緯、また現場サイドへの徹底についてお伺いしたいと思います。
さらに、この加熱基準に関しましては、乾燥処理に液体加熱処理とは別の基準を設けるべきではないかという意見も出されております。実際に我が党も、こうした全国食品リサイクルの連合会の皆様からもお伺いしたところでございます。今、飼養衛生管理基準の改正が公布なされまして、それによりますと、摂氏九十度以上で六十分以上又はこれと同等以上の効果をという、この同等以上の効果というのはどういうものなのか、それがいつ頃示されるのかということをお伺いしたいと思います。
さらに、ちょっと長くなりますけれども、食品リサイクル事業者が円滑に対応できるよう、設備更新に対する支援というのも当然必要になってくると思いますが、この点、併せて伺いたいと思います。
○政府参考人(新井ゆたか君) エコフィードの利用についてでございます。
エコフィードの利用、まさに国産資源の有効活用という観点から大変重要だというふうに考えておりますが、疾病にとりましては、特に豚、CSF、ASFにつきましては食品残渣が大きなリスクになっているということでございます。その中で、その調和といいますかバランスを取るという視点から、国際的にも認められておりますこのそれぞれのウイルスを不活性化する基準までしっかりと加熱していただいた上で利用を推進するという方策を審議会等で議論いただきまして、今回、方針として決定をしたところでございます。
そういう点におきましては、この基準をやはりしっかり守っていただく、それによっていろいろな食品リサイクルがきちんと進んでいくと、両方を担保したいと考えているところでございます。
〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕
お話がありました九十度以上六十分以上のもの、これと同等以上の効果を有する加熱処理というのは、ASF、それからCSFのウイルスがいわゆる死滅する基準としてOIEで認められた基準でございます。お話がありました同等以上の効果を有する加熱処理といったものにどういうものが該当するのかということは、まさにこれから科学的な知見、いわゆるデータに基づきまして、それによってウイルスがきちんと死滅するのかどうなのかということをやはり確認していくということが基本になると思っております。
その上で、飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令、これのガイドラインを出したいと思っておりまして、そのガイドラインの中で具体的にどういうものが同等と認められるかということをお示ししたいということでございます。ということでございますので、事業者の方からは、こういう製造方法を行っている、それは大丈夫かといったデータをお示しいただいた上で一個一個やはり見ていく必要があると考えております。
それから、この基準、令和三年四月一日の施行を予定をしておりますけれども、やはりこの加熱条件を満たすためには、ボイラーやかまといった加熱施設を入れ替えたりするということが必要だと聞いております。したがいまして、しっかり基準を満たしていただくためにも、国として一定の支援をしたいというふうに考えておりまして、このような支援もしながら、新基準が円滑に導入されるように対応してまいりたいと考えております。
○谷合正明君 円滑な導入又はそれに対する周知徹底もお願いしたいというふうに思っております。
それでは、家畜排せつ物の利用についてお伺いしたいと思います。
今回、養豚農業振興法の法改正もされるわけですけれども、養豚の振興あるいは肉用牛の増頭、増産、さらには酪農の生産拡大等様々な政策を打ち出していく際に、当然これ、家畜排せつ物の利用をどう図っていくかということが極めて重要になってまいります。堆肥の利用拡大でありますとかバイオマスエネルギーの利用推進について、これも基本方針が定められるところだというふうに承知しておりますけれども、今申し上げた点についての基本的な方針についてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
肉用牛、酪農の増頭、増産や養豚の振興を実現していくためには、家畜の飼養に伴い排せつされる家畜排せつ物を単に廃棄物として処理するのではなく、有価物として利用していくことが極めて重要なことだと考えております。また、このことが農家の所得向上にもつながっていくものだと思っております。
家畜排せつ物を有価物として利用する堆肥の利用を進めていくには、畜産農家が耕種農家のニーズに応えた高品質な堆肥を供給し、持続的な土づくりに有効利用してもらうことが極めて重要であると考えております。
そのためには、さきの臨時国会で成立した肥料の品質の確保等に関する法律により認められた堆肥と化学肥料との混合物をペレット化することを推進することにより、当該肥料の散布の容易化や広域利用が実現できることから、堆肥の利用がより進むものと考えております。
このため、令和元年度補正予算等で、家畜排せつ物処理施設の機能強化や堆肥の高品質化、ペレット化などの推進といった支援を行うこととしているところでございます。また、排せつ物に含まれる水分が多く、堆肥としての利用が進まない場合には、バイオマスエネルギーの利用の推進も有効な方策であり、FITを活用していただくほか、バイオマスエネルギーを自らの経営内で利用する取組に対する施設整備などの支援を行っているところでございます。
これらの取組により、家畜排せつ物の利用促進をしっかりと支援していきたいという考えでございます。
○谷合正明君 後段に出ましたバイオマスの利用のところで、例えば、バイオマス発電所を農地の中に設置していこうとする際に、これが果たして施設として農業用施設なのかどうか、畜産業と一体とみなして農業用施設としてしっかり農地内に設置できるようにしていくということを明確にしていくということが重要でないかというふうに思っているわけでありますけど、改めて、この辺の事実関係を確認させてください。
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
バイオマス発電施設については、農業生産活動により生じる家畜ふん尿などのバイオマスを利用して発電を行うものであれば、農業用施設のうち農業廃棄物処理施設に該当します。したがって、原則農地転用が認められない農用地区域内の農地などで、優良農地を含め、農地転用許可を受けることで当該施設を設置することは可能でございます。
○谷合正明君 分かりました。
それでは、最後に大臣に伺いたいと思います。
改めまして、家伝法の改正を受けまして、国内での家畜伝染病の蔓延防止、あるいは海外からの侵入阻止に向けて万全の措置をとっていただきたいということをまずお願いしたいと思います。その決意をお伺いしたいと思います。
同時に、先ほどの質問とも関連するんですけれども、やはり家畜伝染病も、人の伝染病と同様に、一国のみならず、国内のみならず、諸外国、もう世界中との連携というのが極めて重要であるということをこの度改めて認識をしたところであります。
実は、先般、G20の農業大臣会合がサウジアラビアで開催される予定でありましたけれども、いろいろな国際会議が、今このような状況でありますから、開催が延期等になっております。
私は、今年、この二〇二〇年というのは、特に、例えばアフリカ豚熱などの動物感染症であるとか薬剤耐性菌であるとか人獣共通感染症にしっかり対峙していくべく、食料の安全保障の観点からも、農林水産関係の大臣が世界的な結束を確認していくべきではないかなというふうにも思っているわけでありますけれども、この点、最後に大臣に御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) 先ほど、森先生のお話のときにも申し上げましたけれども、いつ来てもおかしくない、もう常に、びくびくと言ったらいけませんけれども、緊張感を持って対応させていただいております。
議法で通していただいたことにはもう本当に感謝しています。全く法的根拠もなく、もしASFが入ってきたら殺処分を命じなければならない、そのときは、法的根拠もなく個人の私有財産に踏み込まなければならないということでありますから、これは大変だと思っておりましたが、もうこうやって御審議も、今度は本法に入れることで御審議もいただいて、先生方の御協力に感謝いたします。それに報いる意味でも、しっかりやはり現場の方々の御労苦、水際対策をやっている諸君には本当に感謝をしながら、彼らの人員の確保、それから体制の強化、そして、足りないところがあれば、何を現場が望んでいるか、そういったアンテナも高くしたいと思っております。
そして、国際会議は二月にやらせていただきました。大変たくさんの御意見がいただけて、国際的な連携も取れたと思いますが、そして、これから、FAOとかOIEとかいろんな会議、これがどうなるか分かりませんけれども、先生がおっしゃるように、これだけもうたくさんの、これはASFではありませんけれども、CSFですけれども、危機にさらされている国として、また発生している国も連携して、これに国際連携を強めて立ち向かっていこうという、リーダーシップとまではいきませんが、一生懸命旗を振らせていただこうというふうに思っております。
○谷合正明君 是非、この分野、事務レベルではいろいろ議論も積み重ねていると思いますけれども、やはり改めまして、この二〇二〇年、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大している中で、この動物由来の感染症においても、人獣共通感染症という観点もありますから、しっかり大臣レベルの、あるいは首脳レベルの世界的な結束というのを高めていただきたいと最後に改めて申し上げて、私の質問とさせていただきます。