2021年4月6日 1面
公明党の山口那津男代表は5日、脱炭素社会の実現に向け、次世代エネルギーとして活用が期待される水素の普及促進を図るため、太陽光発電を活用した世界最大級となる水素製造装置を備えた製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」(福島県浪江町)を視察し、現状の取り組みについて担当者から説明を受け、意見を交わした。党地球温暖化対策推進本部長の石井啓一幹事長、副本部長の若松謙維参院議員、事務局長の谷合正明参院幹事長のほか、地元県議らが同行した。
■「50年脱炭素」実現へ導入拡大を
同フィールドは、東京ドーム4個分の面積に約6万8000枚の太陽光パネルを設置。太陽光で発電した電気を用いて、水を分解し、年間約200トンの水素を製造する。昨年の3月に設備が完成し、今後、製造設備のスケールアップや水素の実用化に向け必要なシステムの開発を行っていく。
運営する新エネルギー・産業技術総合開発機構の石塚博昭理事長は、水素について、燃料電池による発電だけでなく、燃料電池車などの運輸や工場などの産業用途にも利活用できると説明。「2050年カーボンニュートラル実現に向けて再生可能エネルギー(再エネ)を最大限どのように活用できるかが鍵だ」と強調し、今後、再エネの導入拡大を見据え、「再エネでつくった電気から水素をつくることで、無駄なく利活用でき、再エネの持っているポテンシャルを最大限引き出すことができる」と述べた。
その後、一行は、同フィールドでつくられた水素を活用して発電する燃料電池を導入している「道の駅なみえ」を視察した。視察後、山口代表は、水素の活用について「50年カーボンニュートラルをめざしての重要な一角を担う技術だ。これから大いに力を入れていきたい」と語った。
これに先立ち一行は、双葉町を訪れ、内堀雅雄知事の案内で東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の記憶や教訓を伝える「東日本大震災・原子力災害伝承館」を見て回り、伊澤史朗町長から復興の現状を聞いた。