【No.261 2021年2月8日】
≪ワクチン接種について≫
皆さん、こんにちは。谷合正明です。
新型コロナウイルスの感染者が世界で1億人を超えました。コロナ収束に向けて、世界的に期待が集まっているのがワクチン接種です。日本政府も感染症対策の決め手と位置付けています。
先日、参議院予算委員会でワクチン接種の国内実施について基本的なことを質問しました。政府答弁や政府のHPをもとに、接種スケジュール、効果、優先接種の範囲、副反応、コールセンターについて以下まとめました。
★スケジュール
今月下旬にも医療関係者の先行接種、優先接種が始まる。高齢者への優先接種は早くて4月1日以降。ファイザー社のワクチン接種は3週間の間隔をあけて2回行う。高齢者の次に、基礎疾患を抱える人、高齢者施設従事者、それ以外の方への接種に移行。接種代は無料。強制ではないので、接種は希望者となる。
3月中旬ごろから、住民票のある市町村から「接種券(クーポン券)」が郵送される。そこには予診票も同封される予定。電話かインターネットで予約をして接種会場にいく。予約方法や接種場所は市町村ごとに決めるが、今後、詳細が明らかになる。
★効果
新型コロナワクチンの効果は、感染予防、発症予防、重症化予防、蔓延予防に分けられるが、まずは発症予防と重症化予防に効果があることが分かっている。従って重症化リスクの高い高齢者等から優先接種となっている。ファイザー社のワクチンについては、有効率95%と報告されている。いつものインフルエンザワクチンの有効率が40~60%と報告されていることを考えると、高い効果とされている。また多くの方に接種を受けていただくことにより、重症者や死亡者を減らし、医療機関の負担を減らすことが期待される。
感染そのものを予防するためには、引き続き、手洗い、マスク着用、3密をさける行動の徹底が求められる。
★優先接種の範囲、妊婦や小児の接種について
高齢者の定義は65歳以上で、65歳とは令和3年度中に65歳になる方を対象にする方向。対象となる基礎疾患は、慢性の呼吸器の病気など13疾患、BMI30以上の肥満の方などが最終案で示されているが、今後決定。基礎疾患あるかどうかは、予診票に記入することで申し出ることを想定しているので、医師の証明書は不要とする。小児や妊婦について接種対象にするかはまだ決まっていない。
★副反応について
ワクチンの副反応については、ワクチンを打った後、打った場所の腫れ・痛み、発熱、頭痛などの副反応がおこることがある。アメリカでは、ワクチンによる急性アレルギー反応であるアナフィラキシーショックが100万人に5人程度報告されている。日本では、ワクチン接種後に会場で一定程度の時間、待機していただき、万が一アナフィラキシーショックが起こっても、医師や看護師が必要な対応を行うことになっている。発症や重症化予防などワクチン接種のメリットが、副反応のデメリットよりも大きいことを確認している。
★コールセンター
国のコールセンターは2月に設置される予定。国のコールセンターについてはワクチン施策全般について、都道府県のコールセンターは医療的な相談について、市町村のコールセンターについてはどこで接種できるかなど身近な疑問に答える。またすでに首相官邸のホームページにワクチンに関する特設ページが開設されている。政府発表の確実な情報はここで確認できる。
(谷あい)