2020年4月15日 2面
参院農林水産委員会は14日、和牛の受精卵など遺伝資源の海外流出を防ぐことを目的とした家畜遺伝資源不正競争防止法案と家畜改良増殖法改正案を全会一致で可決した。
この2法案は、長年の改良によって付加価値が高まった家畜遺伝資源を守るため、遺伝資源を不正に取得・使用した場合の刑事罰化や家畜人工授精所での管理強化などを盛り込んだもの。
採決に先立つ質疑で公明党の谷合正明氏は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で和牛肉の需要が落ち込み、在庫が急増していると指摘。「この状況が続くと生産者に大変な影響を及ぼす」と強調し、早急に対策を講じる必要性を訴えた。
農水省側は、政府の緊急経済対策において、販売促進に取り組む食肉卸売業者に在庫の保管経費を支援したり、販売実績に応じて奨励金を交付して在庫の解消を図ると答えた。