2019年08月08日 1面
公明党の復興・防災部会(部会長=谷合正明参院議員)は7日、首相官邸を訪れ、防災・減災・復興対策の推進や防災体制の司令塔機能強化などを求める菅義偉官房長官宛ての提言書を提出した。応対した西村康稔官房副長官は「(内容を)一つ一つ精査し、来年度予算の概算要求に反映できるようにしていきたい」と答えた。
提言書では、防災・減災・復興を社会の主流に押し上げるため、内閣官房と内閣府に分散する防災に関する司令塔機能を一元化し、新たな防災・減災・復興体制の整備を要請。地域防災力の向上や災害対応力、災害医療体制の強化など、政府が取り組むべき数多くの施策を盛り込んだ。
■マイ・タイムライン推進も
具体的には、マイ・タイムライン(防災行動計画)の推進や避難所などの防災拠点の耐震化をはじめ、道路や港湾、空港といった重要インフラの整備・強靱化を要望。災害が起きた際に災害弱者になりやすい高齢者や外国人旅行者などへの、きめ細かな情報提供ができる環境整備を求めたほか、被災地の復旧から発展までの流れを一貫して支援する「創造的復興」の実現に向けた取り組みを強く訴えている。
席上、谷合部会長は「ハード・ソフト両面にわたって総合的な防災・減災対策を継続的、計画的に推進し、世界一災害に強い『防災大国』を構築しなければならない」と強調。その上で、激甚化、頻発化する近年の自然災害を念頭に、「必要十分な対策が講じられるよう、政府を挙げて取り組んでもらいたい」と訴え、防災・減災・復興に向けた財源確保と、各種施策の強力な推進を要望した。
西村官房副長官は、提言の内容に理解を示し、「防災・減災・復興対策は重要な課題だ。政府として、しっかり取り組みたい」と応じた。