2019年08月03日 2面
公明党の山口那津男代表は2日、参院議員会館で、広島、長崎の「原爆の日」の式典に参加するために来日している国連の中満泉事務次長(軍縮担当上級代表)と会談し、来年開かれる核拡散防止条約(NPT)運用再検討会議に関して意見交換した。浜田昌良、谷合正明、平木大作の各参院議員が同席した。
席上、中満事務次長は、米ロの「中距離核戦力(INF)全廃条約」が同日に失効したことに触れ、世界の核軍縮について、「状況として非常に難しい。NPT運用再検討会議も少し心配している。だからこそ、日本に期待がかかっている。いろいろなリーダーの支援をいただき、成功させたい」と述べた。
山口代表は、NPTについて「(核軍縮を進める上で)極めて重要な枠組みだ。再検討会議では何らかの合意を生み出したい」と力説。日本主催の核保有国と非保有国双方の有識者らで核軍縮の進め方を議論する「賢人会議」の取り組みを紹介し、日本が核軍縮の合意形成に貢献できるよう後押ししていく考えを示した。
中満事務次長は、日本の取り組みに謝意を示し、「NPT運用再検討会議へ、賢人会議の結果も含めて発信してもらいたい」と述べた。
一方、INF失効を踏まえた核軍縮の枠組みについて、山口代表は「次の模索を始めることが重要だ」と指摘した。
これを受け、中満事務次長は「21世紀型の軍縮のアプローチがいるとの声もある。それも重要だが、既存の枠組みを無効にするのは危険だ」との認識を表明。米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の期限も2021年2月に迫っていることを踏まえ、できるだけ長く延長し、その間に新たな軍縮の枠組みをつくる必要性に言及した。