○谷合正明君 公明党の谷合でございます。
まず、復興庁の後継組織、また復興を支える仕組みについて質問したいと思います。
後継組織の在り方につきましては復興の基本方針に明記されたところでございまして、既に総理からも、政治の責任とリーダーシップの下で政府一丸となって対応していくための後継組織を設置し、一日も早い復興に全力を傾けていきたいと発言をされております。大臣におかれましても、先日の決算委員会におきまして同僚の若松議員の質問に対しまして、年内中に具体的在り方を示せるよう速やかに検討を進める旨答弁していただいたところでございます。
公明党といたしましても、防災・減災、復興を切れ目なく進める組織として強化することを提案しております。本日はその点について質問いたしませんけれども、被災自治体の要望も踏まえ、速やかに政府部内での検討を進めてもらいたいと思います。
復興を支える仕組みについてであります。
例えばその一つでありますが、復興特区におけます税制上の特例措置について、これ私、具体的に陸前高田市を訪れて、また陸前高田市の市長からも東京来ていただいたときにも直接要望を伺った話であります。平成三十一年度以降、特別償却率、税額控除率の水準が引き下げられることとされていましたけれども、三十一年度税制改正において、津波被災地域に限り、これまでと同水準に拡充されたものであります。この点については評価したいと思っております。
この措置の期限は二〇二〇年度までとされておりまして、これにつきましては、陸前高田市の市長始め関係自治体からも、二一年度以降の期限延長について要望を受けているところであります。当該措置の二〇二一年度以降の延長についてもしっかりと検討していく必要があります。
これらの復興を支える仕組みにつきましては、復興・創生期間後も確実に実施できるよう、被災自治体の要望を踏まえ検討するとされているところではあるんですが、改めまして、後継組織、こちらの方は年内中にということでございますけれども、同様に速やかにしっかりと検討していただきたいということをまず大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(渡辺博道君) お答えいたします。
復興特区における税制特例ということでございます。復興特区税制は平成三十年三月末までに約五千事業者の指定、約二兆八千億円の投資実績があります。復興を支える仕組みとして大きな役割を果たしてきたと認識をしております。平成三十一年度税制改正においても、沿岸市町村については、引き下げられる予定の特別償却率を平成三十年度までと同水準とする拡充を行ったところであります。
また、先般見直した復興の基本方針においても、復興特区税制を含む復興を支える仕組みについて、復興・創生期間後も対応が必要な事業を確実に実施できるよう、その在り方を検討していくと明記したところでございます。
今後、復興施策の進捗状況や効果検証、被災地方公共団体の要望等を踏まえまして、検討を進めてまいりたいと存じます。
○谷合正明君 しっかりとお願いしたいと思います。
続きまして、先日、福島県の伊達市立石田小学校の児童の皆様、小学校全校生徒二十名弱の学校なんですけれども、復興庁また外務省を訪問をいたしました。その際に、復興庁におきましては浜田副大臣、また外務省においては本日来ていただいておりますあべ副大臣にも御対応いただきました。大変感謝を申し上げたいと思います。
この石田小学校のある地域は、伊達市の中でもいわゆるホットスポットと言われました特定避難勧奨地点でもございました。この小学校と、実は、私の地元の岡山県にある公設国際貢献大学校というところがありまして、ここ、震災後ずっと交流を続けてまいりまして、児童を在京大使館ですとか、また復興庁など各役所を訪問していただくような、そういうキッズアンバサダー事業というのをやっております。
発災後から私自身も交流を続けておりまして、二〇一三年の三月には、まず浜田復興副大臣、また、あべ俊子当時の外務大臣政務官、またほかの内閣府の政務官にも会っていただいております。私自身も現地の小学校を訪問させていただいたりですとか、二〇一七年のときは、農水副大臣のときは副大臣室にも来ていただきました。また、先般の二月のときには、復興副大臣、また外務副大臣にも会っていただいたということであります。
震災の直後の二〇一三年のときは、女子の児童が、当時の内閣府の政務官から、何でもいいから不安なことがあれば質問してほしいという問いかけに対しまして、その女子は、将来自分は子供を産めることができるんでしょうかというような質問がありまして、大変、そばに聞いておりましたが、胸が痛みました。同時に、政治の責任としてしっかりと正確な情報というものを伝えていかなければならないというふうに思った次第であります。
今回の訪問では、児童の感想としては、東日本大震災を経験した私たちだからこそできることがあるのではないかと、福島の良さを知ってもらいたいといった声がございました。こうした被災地の児童と語っていくということは極めて重要だなというふうに思いました。
そこで、今日は、せっかくですので浜田復興副大臣にその所感を求めたいということと、復興の基本方針の中にも魅力ある教育環境づくりということが明記されておりまして、復興庁といたしまして、この魅力ある教育環境づくりへの決意についてお答えいただきたいと思います。
○副大臣(浜田昌良君) 御質問いただきましてありがとうございます。
去る二月二十七日、谷合議員御同席の下、福島県の伊達市立石田小学校の皆さんと六年ぶりに懇談させていただきました。皆様から紙芝居を使ってふるさと福島の状況について御報告いただきまして、福島の復興の様子を力強く自分の言葉で語る発表に感動いたしました。復興副大臣として、福島の復興を進めていくための勇気と元気をいただいたと思っております。また、福島を良くしたい、もっと知ってほしいという子供たちの強い思い、これを感じまして、とても頼もしく思ったところでございます。
被災地の復興再生を進める上で、こうした子供たちが安心して学べることができる魅力的な教育環境の整備は大変重要でございます。今後とも、関係省庁と連携いたしまして、被災地の復興に努めてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○谷合正明君 今日はあべ副大臣に来ていただいていまして、通告はしていなかったんですけれども、ちょうど政務官のときとまた副大臣のときと併せて、その小学校の児童にもお会いしていただいております。この児童たちも、福島は世界中から支援を受けてきたんだけれども、これからは自分たちが困っている人を助けられるようになりたいというような感想を寄せていただいております。
こうしたことも踏まえて、外務省として何かお言葉があればお願いしたいと思います。
○副大臣(あべ俊子君) 委員にお答えいたします。
私自身、外務省で大臣政務官のときにもお会いした石田小学校の皆さんに、改めまして今回副大臣として、特に岡山県の国際貢献大学校の復興プログラムの中でお会いさせていただきました。
実は、前回お会いしたときは二〇一三年でございまして、本当に被災したすぐ後でございましたが、今回は、先ほど副大臣がおっしゃったように、紙芝居という形で、福島のことを知ってほしい、福島のことを、来て、見て、理解してほしいという気持ちが本当に出ておりました。自分たちが福島を支えていくんだ、東日本大震災の子供たちは、自分たちでしっかりとそれを見てもらいながら理解してもらいたいんだという気持ちが大変伝わるところでございました。
そのときに、福島のおいしいものということで桃ジュース、またあんぽ柿、それを持ってきてくれながら私どもと話をさせていただきまして、本当にこの子たちが日本の未来を、また福島の、東日本の未来を支えていくんだということを実感させていただいたところでございます。
○谷合正明君 両副大臣、大変ありがとうございます。
そこで、風評払拭に向けた情報発信について取り上げたいと思います。
復興庁では、昨年、小冊子「放射線のホント」の電子書籍としての無料配布、また、漫画「ふくしまを食べよう」のLINEでの配布などを行っていただきました。これがその実物なんですけれども、(資料提示)これを、両方の小冊子ですけれども、その石田小学校の児童が訪問したときに浜田副大臣の方から渡していただいて、その小学校の児童生徒が帰りの新幹線の中で読んで、読みましたと、大変分かりやすいというか、私ももっとこの福島を食べようということをいろんな人に伝えていきたいだとか、知るという復興支援があるということを知ったということでございました。
逆に言うと、その児童生徒にとりましてこの小冊子というのは初めて手に取るようなものだったということなんですけれども、もっともっと、ただ単に一律に配布すればいいという話じゃないんですけれども、いろんな方にこういうものが、風評払拭に向けた情報が伝わっていくということが大事だなというふうに思いました。
今日質問したいのは、この両方の復興庁の冊子というものは、そもそもこのコンテンツは誰にどの程度届けられているのかということをちょっと確認したいということと、こうしたコンテンツが今後更に県内外に向けて普及するためにどのようにしっかりと取り組んでいくのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小山智君) お答えいたします。
風評の払拭に向けましては、風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略に基づきまして、関係府省庁とともに効果的な情報発信に取り組んでいるところであります。
先生のお話のありました「放射線のホント」につきましては、同じくこの戦略に基づきまして、放射線に関する正しい知識の理解と誤解の払拭というものを目的といたしまして平成三十年三月に取りまとめた冊子であります。現在までに、全国PTA大会の参加者の方々や自治体の方々に既に二万八千部を配布しておりますし、既に、また復興庁のホームページからも御覧いただけるようになっております。
漫画「ふくしまを食べよう」につきましては、これは福島の高校生が福島の食材を紹介する雑誌の記事を書くということを通じまして福島の風評に立ち向かうという姿を描いたものであります。平成三十年十二月にLINEで配信を開始いたし、既に最後まで読まれた回数というものが九十七万回というふうになっております。
これら冊子や漫画で伝えたい内容につきましては、広く国民の皆様の理解を促進するよう様々な媒体を活用した情報発信を行っているところであります。
例を挙げますと、本年二月に、復興庁として初めての取組であります福島の今を紹介するためのテレビCMを全国で放送いたしました。また、福島の魅力や未来に向けた取組などを紹介するとともに、放射線に関する基礎的な知識を知っていただくための動画やクイズを掲載したウエブサイトを開設し、さらに、妊産婦の方や乳幼児の保護者の方々向けに放射線に関する情報をまとめましたリーフレットを作成し、全国の病院などに配布をいたしたところであります。
今年度も引き続き、より効果的な情報発信に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○谷合正明君 石田小学校の児童の感想を聞いたときに、私もこの取組、本当大事だなと私自身が気付かされたということもありますので、しっかりと復興庁においても、大臣、先頭に立ってやっていただきたいと思います。
それでは、次の質問でございますが、福島県産農産物の流通実態調査について取り上げたいと思います。
進藤議員の方からも質問をしていただいた点なんですけれども、これ、福島復興再生特別措置法におきましては、福島で生産された商品の販売の不振の実態を明らかにするための調査を行い、結果に基づき、当該商品の販売等を行う者に対して指導、助言を講ずるものとしております。
そこで、平成三十年度福島県産農産物等流通実態調査、これ三月に結果が出たわけでありますが、出荷量、出荷額共に震災前の水準を依然回復していないという結果も出ております。調査結果のポイント等につきましてはもう既に質問のやり取りで出ておりますのでそこはちょっと省きますけれども、そのことで私ちょっと気になったことがありまして、それは、卸売業者、仲卸業者に対する情報発信ということでございます。
実は、二十九年度調査でも、福島県産農産物の取扱いを減少させた理由を卸売業者、仲卸業者に聞いたときに、販売先が福島県産以外を希望していると想定されるという、この想定されるという、思い込んでいるという、その思い込みの理由が挙げられておりました。
三十年度調査ではそれがどうだったのかというと、先ほどの政府の答弁だと、新たに実態よりネガティブに評価していることが分かったというんですけれども、実は三十年度調査でも、アンケート調査によりまして、流通段階での認識のそごがあるということがアンケート調査でも定量的にはっきりしたと。ただ、これは、定性的にでも定量的にでも、これ二年続けてこの思い込みがあるということ自体は変わらないわけでございます。
政府において情報発信に取り組んでいるわけでありますが、ここの点は特に農水省の仕事だと思います。その効果をどのように分析して、今後、三十一年度の調査以降、どのように取り組む方針なのかということについて、この点について濱村政務官にお尋ねしたいと思います。
○大臣政務官(濱村進君) お答えいたします。
平成二十九年度におきましては、福島県産農産物等流通実態調査に基づきまして、徹底したモニタリング検査を実施して安全性を確認している旨消費者等に丁寧に説明すること、小売業者等からの産地の指定が合理的な範囲を超える場合には仲卸業者等が過剰に配慮して福島県産品の取扱いをちゅうちょする懸念があること、バイヤーの方々の売れ残るのではないかといった懸念を酌み取りつつも、福島県産品の販売不振の払拭に向けて経営陣による積極的なイニシアチブの発揮を期待することなどを内容といたしました指導通知を小売業者等に対して発出いたしまして、農林水産省、経済産業省そして復興庁が合同で説明を積み重ねてきたところでございます。
その上で、こうした取組を通じまして、小売業者、仲卸業者等の関係事業者には、福島県産農産物等の販売不振の根深さを明確に認識をいただいたと考えております。
平成三十年度におきましては、新たに、出荷、卸売、小売の各段階ごとに価格等を追跡調査した結果、仲卸業者等の納入業者が小売業者等の納入先の福島県産品の取扱姿勢を実態よりもネガティブに評価していること等が明らかになりました。
このため、今後は、特に流通段階ごとにおきまして認識のそごを解消することに重点を置きまして、品質面で高い評価を得ている福島県産品の商品価値に見合った販売が行われるよう指導し、その効果をしっかりと捉えてまいりたい、このように考えております。
○谷合正明君 農水省の中の復興担当の政務官として、これからもしっかりやっていただきたいと思います。調査するだけでは不十分でございますから、しっかりとそれを結果分析して、それをまた実行に移していくということが大事であるというふうに思っております。
福島県は、実は元々エコファーマーの認定件数はこれ全国一位ということで、環境と共生する農業で知られていた、盛んな県でございます。その福島県が今農林水産の食品の風評払拭に向けて取り組んでいらっしゃるわけであります。
第三者が生産工程の安全管理を認証するGAP、認証GAPの取得がこれは有効でございます。福島県は、「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を行っておりまして、GAP日本一を目指しているところであります。昨年二月にはGAPチャレンジ推進大会に私も当時農水副大臣として訪問し、話を伺い、福島県側のこのGAPに対する期待や熱意を感じたところでございます。
GAPによる効果、取得の進捗状況、またこの認証取得に対して費用も掛かりますので、取得に向けた国の支援も必要かと思いますが、この点について確認させてください。
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
GAPは、農業生産においての生産工程管理の取組でありまして、原子力災害についても適切な対応を行っていることを求める内容となっております。
福島県にあっては、風評を払拭し、信頼される産地づくりに向けて、平成二十九年五月に「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を行い、全県を挙げてGAPを推進しつつ福島の農業の再生復興に努めていると承知しております。この宣言におきましては、来年度末までにGAPなどの認証件数を三百六十一件とすることを目標としておりまして、本年二月末時点の進捗状況は百三十五件と伺っております。
GAP取得の効果でございますけれども、例えば福島県内で果樹園を営むある法人では、風評被害の払拭のためにGAP認証を取得し、経営改善効果も相まって震災前を上回る売上高を実現した事例もあると承知しております。
農林水産省といたしましては、福島県の関係者の取組は同県の農業の再生復興の上で大変意義深いものと認識しておりまして、福島県農林水産業再生総合事業において、まず一点目でございますが、農業者などの第三者認証GAP取得の取組に係る審査費用、コンサルタント費用の助成や、二点目でございますが、GAP指導員の育成研修などの実施による産地における指導体制の構築、三点目でございますが、GAPの取組状況の見える化による消費者の理解促進などを支援しているところでありまして、今後とも、関係者と連携を密にして、福島県におけるGAPの推進に努めてまいりたいと考えております。
○谷合正明君 しっかりとお願いしたいと思います。
続きまして、原発事故によります食品等の輸入規制について質問させていただきます。
先ほども愛知先生の方からも御質問がございました。特に、韓国の輸入規制措置につきましては、WTOの紛争解決手続におきます上級委員会の判断が明日十一日までにあるとされております。一審どおり日本の主張が認められれば、韓国は制限を緩和する義務を負うことになります。しかし、いろいろなその後の対応、抵抗措置も想定されますので、すぐにどうこうという段階にはならないかもしれません。しかし、大事なことは、WTOパネルの報告書を踏まえて、輸入規制措置の撤廃、緩和に向けた働きかけをしっかりと行っていく必要があるということであります。
先ほどホヤの話がございましたけれども、確かにこの韓国向けの輸出が震災前は八割を占めていたんですけれども、今それがかなわないと。私も大船渡の若手漁師の方を訪問したときにこのホヤの話を聞かせていただいて、国内の消費アップに向けていろんな商品開発もしている、努力されております。一方、やはりこの韓国始め輸入規制を撤廃していくという取組は本当に極めて大事でございます。
今後、韓国側への働きかけの対応方針と、ほかの国の輸入規制撤廃、緩和に向けた最新の動向調査を尋ねたいと思います。
○政府参考人(渡邊厚夫君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、東京電力福島第一原発事故に伴う日本産食品への輸入規制につきましては、これまで政府一丸となって撤廃、緩和に向けた取組を進めてきております。
この結果、事故後五十四の国・地域におきまして規制が掛けられておりましたけれども、これまでに、例えば昨年度、八月にブラジル、それから十二月にオマーン、そして先月バーレーンで撤廃されるなど、三十一の国・地域で撤廃がされてきております。また、規制の緩和という点につきましても、昨年十一月に、中国におきまして新潟県産の米、それからロシアにおきまして福島県産の水産物の検査証明書が不要になるなど、規制緩和の方も進んできてはございます。ただ、他方で、中国、韓国など八か国は、いまだに一部の地域の産品の輸入を停止する措置が継続されているということでございます。
特に委員御指摘の韓国につきましては、現在のところ水産物の輸入禁止等の措置が講じられているわけでありますけれども、二〇一五年九月よりWTOパネルにおいて議論が行われ、昨年二月にパネル報告書が公表されたところでございます。この四月十一日にWTO上級委員会の報告書が公表されるという予定になっております。上級委の判断につきましては、予断を持って申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、我が国としては、我が国の主張を十分に踏まえた判断がこの上級委員会によってなされるべきであるというふうに考えております。
今後、韓国を始め規制の残る国・地域に対しては、あらゆる機会を捉えまして、科学的根拠に基づいて規制の撤廃、緩和が進むように、今般のWTOの報告書の内容も踏まえながら、より一層働きかけを行ってまいりたいと考えております。
○谷合正明君 科学的根拠に基づいて、是非撤廃、緩和に向けて取り組んでいただきたいと思っております。
続いて、福島県内における鳥獣被害対策について取り上げる予定ではございましたが、ちょっと時間の関係上、要請だけさせていただきます。
福島県内では、営農再開に向けて、イノシシによる鳥獣被害に直面していると。一方では、避難指示が解除されます地域では、イノシシの農地被害とともに生活圏への侵入、これも大きな課題となっております。
避難十二市町村においては、イノシシ排除のための広域緊急戦略が取りまとめられておりまして、既に昨年の四月からその戦略に基づく取組が実行されております。このイノシシ対策についても、環境省、また復興庁、関係省庁ですね、県とも一体となって取り組んでいただきたいということを要請させていただきます。
続きまして、国際的な課題について取り上げたいと思います。
実は、国連では一九九〇年から十年間を国際防災の年といたしました。さらに、二〇〇〇年から十年間を国際防災戦略ということに位置付けまして、言わば防災というものが国連の中でも今主流化をしているということであります。
それぞれの十年間の中間年には国連防災世界会議が開催されておりまして、いずれも我が国で開催されております。第一回は横浜、第二回は阪神・淡路大震災を受けた神戸、二〇一五年の第三回は仙台で行いました。第三回の会合では首脳級会合にも格上げされたところでございます。
我が国は、津波、地震などの災害の課題に直面してきたからこそ、この防災・減災、復興の面におきましては世界をリードしておりますし、リードしていく責務もあるんだと思います。世界津波の日の制定も我が国主導で実現したところでございます。
さらに、SDGs、持続可能開発目標におきましても防災は重要な取組分野でございます。政府においてもこのアクションプランを策定し、防災面について取り組んでいるところであります。
本年は、まず、G20が開催されます。議長国である日本としてこの防災の国際貢献をどのように進めていくのか、しっかりと進めていくと、いくべきであると思っております。その際、東日本大震災の被災地の声もしっかりとその成果に反映していくということが重要であろうと思いますが、この点について外務副大臣にお尋ねしたいと思います。
○副大臣(あべ俊子君) 委員が御指摘のとおり、防災はSDGsの主要課題の一つでございます。
日本は、様々な災害を経験し、防災・減災対策、復旧復興の取組を重ねてきた防災の先進国として、二〇一五年に第三回の国連防災会議をホストいたしまして、仙台防災枠組を取りまとめたところでございます。この会議におきまして、日本は、仙台防災協力イニシアティブとしまして、二〇一八年までの四年間で四十億ドルの協力と四万人の防災・復興人材育成を打ち出し、同年の末に達成をしたところでございまして、本年のG20におきましても、防災について議論すべく、例えば三月の開発作業部会の機会を捉えまして、サイドイベントを開催いたしました。先ほど委員がおっしゃった陸前高田市長から同市の取組、また今後の課題を発信いただいたところでございますし、外務省といたしましても、先ほど委員と議論させていただきましたこの石田小学校の声を聞かせていただく、また、三月の国際女性会議、WAW!の機会に合わせまして、在京の女性駐日大使十一名を福島に御案内いたしまして、行って、食べて、応援する、この御理解をいただくということを深めていただいたところでございます。
特に、引き続き、この被災地の声をしっかりと受け止めさせていただきながら、G20の議長国として、SDGsの重要な分野としての防災分野と、この行動、仙台防災協力イニシアティブの後継策を打ち出すべく、リーダーシップを委員のおっしゃるとおりしっかりと発揮してまいりたいというふうに思います。
○谷合正明君 よろしくお願いいたします。
最後になりますけれども、今、在京大使を被災地に訪問していただいたという話でございました。外務省においては、いろいろな海外からお客さんを招聘するような事業があろうかと思います。今後もその取組をしっかりとしていただいて、さらに、インフルエンサーと呼ばれるようなSNSの世界で発信力のあるような方々を含めて被災地を訪問していただくような取組が重要ではないかと思っております。
どうしても、初めて日本に来日すると、いわゆるゴールデンルートみたいなのがあって、東京に来て、一日余裕があれば京都、京都も大事ですけれども、でも、どうしても被災地に行けないという方もいらっしゃるんですけれども、そこは外務省の方として、是非、この東北の方をしっかりと意義も含めてお伝えしながら、この被災地訪問を促進していただきたいと思います。
もうこの点だけ、最後、端的に御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。
外務省といたしましても、委員御指摘の各種招聘事業を活用した被災地訪問の促進等、復興状況に対する理解の促進に全力で取り組んでいるところでございます。在京外交団を対象とした被災地訪問も積極的に実施しており、先ほどあべ副大臣から女性駐日大使の福島訪問につき御紹介がございましたが、そのほかにも、本年一月には、福島県との共催で駐日外交団の福島視察ツアーを実施いたしております。さらに、外国政府関係者のみならず、海外の報道関係者、それからソーシャルメディア等の発信者を対象といたしまして被災地の訪問事業を実施しております。被災地の復興状況、それから魅力等について多角的に発信しているところでございます。
今後とも、各種の外交機会、外務省の持つリソースを最大限に活用いたしまして、被災地の復興に関する発信を強化していき、地方自治体、関係省庁とも協力しつつ、粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
○谷合正明君 しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
時間は余っておりますけれども、私はここで質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。