○谷合正明君 公明党の谷合です。
法案の質疑が重ならないようにと思いまして、まず海、あと魚について質問させていただきたいと思っております。
大臣におかれましては、地元和歌山県のお魚はもうたくさん食べられていると思いますが、大阪湾、大阪の魚というものは食べられたことがあるのかな。いや、いいです、何かお気に入りの魚があるのかなと思いながら、あっ、もし答弁されたいのならどうぞ。
○国務大臣(世耕弘成君) いや、私、大阪生まれでもありますので、やっぱり有名なのはマアナゴですよね、それとやっぱりシャコ。やはり泉北辺りにはかなり豊富な魚資源があるというふうに認識をしております。
○谷合正明君 ありがとうございます。
実は、昨日、万博の会場予定地であります夢洲を行ってまいりまして、大阪市漁協さんの御厚意いただきまして、御案内でこの夢洲周辺ぐるっと回ってまいりました。
大阪府には二十四の漁協があるんですけれども、そのうちの一つが大阪市漁協さんで、配付させていただいた資料の二枚目に大阪湾の地図が載っています。ちょっと見づらいんですけれども、大阪湾の地図の一番右上に青い濃いブルーでポイントが示されているのが大阪市漁業協同組合です。そこが淀川の河口域になるんですね。大阪市漁業協同組合の青いポイントの左下にあるホームベースをひっくり返したような島がこれが舞洲、その舞洲の一つ更に左下にある少し大きめの島が夢洲です。白い色と薄いブルーの色がちょうど掛かるところにあるこの島です。
この辺りでイカナゴですとか、またイワシシラスですとか捕っているという話を聞かせていただきました。また、淀川河口域ではシジミですとか、あと天然ウナギだとか、またアユも今、年間三万から百六十万匹遡上すると。まだちょっと年によって変動が激しいんですけれども、というような話を聞かせていただいたところでございます。
都市型漁業という言葉は余りちょっと学術的にはないかもしれないんですけれども、都市農業という言葉をよく最近は使うんですけれども、漁業においても、こういう大消費地というんですかね、大都市に、でも昔ながらの漁業が続いているという意味で、この都市型漁業をしっかりと盛り上げていこうということで関係者が頑張っておられます。
大阪湾では関係行政機関、地方自治体が広域に連携いたしまして、美しく親しみやすい豊かな魚庭の海、これは資料の一枚目に書いてあるんですけれども、魚庭というのは魚の庭と書いてナニワと読ませているんですけれども、魚庭の海の回復を目指して大阪湾の再生に取り組んでいるところでございます。
まず、水産庁に来ていただいておりますので、淀川河口域を含む大阪湾の漁場環境の整備や改善に向けまして、国としても積極的に取り組んでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(保科正樹君) 大阪湾におきまして漁業が今後とも安定的に発展を続けていくためには、良好な漁場環境を保全し、回復することが重要であると認識しております。そのため、大阪府では、魚介類の産卵場とか育成場になっている藻場や浅場の保全、回復、あるいは海中浮遊ごみなどの除去、貧酸素水塊の解消の取組を関係省庁などと協力して進めていると承知しております。
水産庁では、漁場環境の改善を図るため、赤潮や貧酸素水塊による魚介類への影響調査や被害軽減対策技術の開発を推進しておりますほか、漁業者等による藻場や干潟の保全活動や都道府県等が行う水産生物の生息環境の改善の事業、こういった事業を支援してきているところであります。
大阪湾につきましては、キジハタなどの資源を増やすために、大阪府と兵庫県が連携して実施しております生息場となる増殖場の整備に対して支援をしているところでございます。
引き続き、こうした取組を支援してまいりたいと考えております。
○谷合正明君 漁協さんなんか中心に子供たちに環境教育もやっているんですけれども、感想としては、例えば、淀川というのは汚いと思っていたんだけれども本当は違ったというような感想も寄せられているところでございます。
大臣におかれましては、万博を決定付けた最後のプレゼンテーションの中で、大阪市においてはすし店が千百二十四軒あると、うち個人オーナーの店が七百五十あるということまで紹介していただいたんですけれども、先ほど言った淀川で捕れる天然ウナギ、これ、関西で約十店舗で食べられるというような話も聞いております。そのように、これから、すし店が千百二十四軒あるんですけれども、そのすしネタも大阪湾で捕れるということもいろんな機会を見付けてPRもしていただきたいなというふうに思っております。
大阪・関西万博は、SDGsが達成された社会を目指すために開催される、そのSDGsには海の豊かさを守ろうという目標が掲げられているところでございます。ですから、二〇二五年にこれ大阪湾で魚が、漁獲量が減っていったらこれは何の意味もないわけでありまして、しっかりとこの海の豊かさを守ろうという目標を達成していただきたいと思っております。
会場は確かに夢洲という人工島なんですけれども、実際行ってみれば、これは海だと、海の上にある島ですから、もう会場というのはそもそも海の豊かさの上で成り立っているというふうに思いました。お客さんも恐らく会場に行けば、周囲を海に囲まれておりますので、海を見る、一望できる環境にもありますので、必ず海に接するんだと思います。
先ほど魚の話をしましたけれども、魚がすめる環境ですとか生物多様性でありますとか、もちろん産業の海、また海運というそっちの側面もあると思います。そういう海の豊かさというものをしっかりと実感できるような万博を是非進めていただきたいなと思っております。
この万博を契機として、SDGs目標、とりわけ海の豊かさを守ろうとの達成に向けまして、現万博の担当大臣として、是非ほかの省庁と連携の上、一層取り組んでいただきたいし、また、世界に向けてその取組を広く発信していただきたいと思います。
先ほどもソフトレガシーというお話もありましたが、特に途上国から来られるお客さんで大都市にお住まいのお客さんなんかは、やはり大都市というのはどちらかというとどんどん一次産業が縮小して第二次、第三次産業がもう発達しているような状況が多いかと思いますが、ここ大阪においてはこういう第一次産業も両立していると、共生しているという、そういういい教材だと思っておりますので、その辺り、世耕大臣のPRを是非お願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 昨日、北京で会談した私のカウンターパートの鍾山商務部長とのワーキングランチの中でもちょっと議論になったんですけれども、やっぱり日本が都市において河川をきれいにしているというのはもう本当に驚きに値をするという反応でありました。
まさにこの大阪のような大都会で、工業地帯が立地しているところで川や海がきれいで、そこで捕れた魚を住民が安心して食べられるという、これもう日本のやはり誇るべきポイントだというふうに思います。大阪湾では、大阪府と兵庫県、そして自治体、水産庁が良好な漁場環境の保全に向けたいろんな取組を行っているところであります。
大阪・関西の会場となる夢洲はまさに海に囲まれた立地でありまして、そしてSDGsの目標、十四番目に海の豊かさを守ろうというテーマがあるわけでありまして、SDGsの達成に貢献するという観点から、大阪湾での国、自治体、漁業関係者が一体となった取組を始め様々な事例をこの万博を機会に発信をしていきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 ありがとうございます。大変心強いメッセージをいただいたというふうに思っております。
それでは、法案の中身に入っていきますけれども、特に具体的な中身に入っていきますが、担当大臣、また経済産業大臣の任務の分担についてはもう既に質問が出ておりますので、そこは飛ばして、今度、関西広域連合に期待される役割というところについて質問したいと思っております。
今年一月になりまして、経済産業省は二〇二五年日本国際博覧会の略称を大阪・関西万博と決定をしたところでございます。大阪・関西万博具体化検討会で関西広域連合は、関西広域連合としても積極的に参画していくとの意見を出しているところであります。
この広域自治体であります関西広域連合に期待される役割というものは何でしょうか。また、そもそも関西という名称を付けているというところもございますので、ちょっとその辺り、もし理由もあれば付言していただきたいと思っております。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
今回の万博に関しましては、誘致段階から、大阪の魅力はもちろんですけれども、それだけでなく、関西が一体として歴史と文化あふれる魅力的な地域であるということ、そして全体として日本第二の経済圏であること、それから、特にいのち輝くということの関係で申し上げれば、世界有数のライフサイエンスの分野のクラスターがこの地域全体に広がっているということを国際社会に訴えかけて勝ち取ってきたといったような経緯がございます。
そういった意味で、今回「いのち輝く未来社会のデザイン」ということをテーマに万博を開催するに当たって、関西地域全体のリソースをフルに活用していくといったようなことが必要であるという観点から、今回、万博の名称として大阪・関西万博ということとしたわけでございます。
関西には広域連合という形で組織がございますが、広域連合もこの万博を推進するということで意思決定をしていただいておりまして、現在博覧会協会の方にも職員を派遣するといったような形での御協力をいただいているところでございます。
こうした博覧会協会の活動を通じまして、関西全体としての取組、さらには日本全体への取組ということを進めていきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 ありがとうございます。関西また日本全体へということでお話になられましたので、その中に全て込められていると思います。
先ほど吉川先生から三重県のお話もありましたが、幅広いエリアを意識した関西という呼称を用いたこの大阪・関西万博でございますが、例えば、私は岡山県に住んでおりますけれども、大変近い距離でもございますが、岡山の方にも何か期待される役割があれば教えていただきたいと思っております。
○政府参考人(藤木俊光君) まず、今回の誘致に関しましては、大阪、関西だけでなく、岡山県も含めて、全国の都道府県から誘致賛成ということで賛同の決議をいただいておりまして、全国の自治体から力強く御支援をいただいたというふうに考えております。
また、岡山におかれましては、メディカルテクノおかやまといったような、まさにメディカルの面での取組ということも進めていらっしゃいますし、先ほど御紹介申し上げました関西全域との関係でいうと、歴史的にも文化的にも大変古くから緻密な交流がされているということもございます。
それからもう一点、冒頭取り上げていただいた水という観点からは、瀬戸内海というつながりの中で様々な環境保全のつながり、あるいは漁業のつながりといったようなものもあるというふうに伺っておりまして、大阪、関西においても晴れの国岡山ということがしっかりPRできるように、是非連携を取らせていただければというふうに思っております。
○谷合正明君 思いのほか丁寧な御答弁をいただきまして、藤木審議官には感謝申し上げたいと思っております。
この万博がしっかりと後世にレガシーが残るように私たちも応援させていただきたいと思っております。
以上で質問を終わりたいと思います。