谷合正明参院議員がインタビューを受けた模様が、このたび公明新聞に掲載されましたので、転載します。
土曜特集 インタビュー 性的少数者(LGBT)問題を考える
超党派国会議連 谷合正明事務局長に聞く
「多様性のある社会」へ
議論尽くし意識を共有
性的少数者問題を考える超党派の国会議連で事務局長を務める公明党の谷合正明参院議員に、議連の目的や今後の活動について聞いた。
――議連発足の経緯は?
谷合 渋谷区の「同性カップル証明書」条例に象徴されるように、性的マイノリティー(少数者)問題に対する人々の考え方は大きく変化しつつある。国際的に見ても、昨年のソチ五輪で英仏独の大統領や首相が、ロシアの反同性愛法に抗議して開会式を欠席するという”事件”があった。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、日本でも国際的な人権問題として、政治のレベルできちんと議論していく必要があるのではないか。そんな問題意識の下、「多様性のある社会の実現」を目的に、私も呼び掛け人の一人となって発足させた。性的マイノリティ―問題を考える受け皿が初めて立法府にできたわけで、その意義は大きいと思っている。
――目的、狙いは?
谷合 国として同性婚を認めるべき、あるいは認めるべきでないといったような、「はじめにゴールありき」の集いではない。法的課題も含めて、性的マイノリティ―の問題をしっかりと勉強し、意識を共有し合うこと、これが第一の目的だ。実際、私たちのまわりには、性的マイノリティ―として悩み、苦しんでいる人が少なくない。現実問題として、社会の中で差別され、生活上の不便も余儀なくされている。この現実を、党派を超えてきちんと受け止めようということだ。
――具体的には、どのような活動を行うのか。
谷合 ひと口にLGBT問題といっても、差別・人権に関わる問題から憲法との関係、さらには家族観や結婚観に関わる文化の問題まで多岐にわたる。従って、当面は識者、関係者から幅広く話を聞いていくことになる。既に研究者を招いて勉強会を2度開いたが、機会を見て、渋谷区の行政関係者やLGBTの当事者の方々からも意見を聞きたいと考えている。
――同性婚法やパートナーシップ登録制度を成立させた国は20を超える。わが国はどうあるべきと考えるか。
谷合 あくまで個人としての考えだが、日本が同性婚法やパートナーシップ制度について結論を出せる段階に至っているとは思えない。まずはLGBTの方々の人権を守るために、既存の制度の中でできることを確実に推し進めていくことが重要と思われる。議連としても、多くの人の意見を聞きながら、国民的議論がどう高まっていくのかを注意深く見守っていきたい。形容矛盾だが、同性婚法をめぐる議論には「慎重すぎない程度に慎重に」との態度が必要だろう。
(公明新聞:2015年5月23日(土)付より転載)