【No.153 2014年5月2日】
《 集団的自衛権について (1) 》
皆さん、こんにちは。谷合正明です。
目下、最大の政治的関心事のひとつが集団的自衛権です。そこで今回は3回(定義、最近の議論、公明党の考え)に分けて配信します。
Q 集団的自衛権とはどういうものか?
まず安全保障政策の目的は国家の安全確保であり、政治交渉による外交政策と、不正な武力攻撃に対処するための防衛政策からなります。
防衛政策の論拠は自衛権であり、憲法9条の範囲内で、どのように自衛権を行使できるかが我が国特有の主要テーマであります。
我が国政府は、従来から憲法は自衛権を否定していない、憲法の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではない、としてきました。
憲法上、認められる自衛権行使について、政府は3要件を示してきました。1.他国から我が国に対する急迫不正の侵害がある、2.ほかに適当な手段がない、3.必要最小限度の武力行使にとどめる、です。
すなわち専守防衛のための必要最小限度の武力行使が、憲法の要請であります。
国連憲章は自衛権を個別的自衛権と集団的自衛権に分けています。個別的自衛権は、自国防衛の権利であり、日本も行使できます。ただし、これまで一度も発動されたことはありません。
一方、集団的自衛権は、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止する権利のことです。
しかし、これは、憲法の要請である、専守防衛のための必要最小限度の武力行使を超えるので、集団的自衛権は国際法上認められているが、憲法上行使できないと解釈されてきました。
<(2)に続きます>