○谷合正明君 公明党の谷合です。午前中に引き続きまして、午後もよろしくお願いをいたします。
我が国が直面している大きな課題の一つといたしましては、人口減少社会ということが挙げられるかと思います。それも急激な割合での減少であり、また人口構成上も、どちらかというと現役世代、若い世代の数が少なくなりつつあるということが大きな問題ではないかと思っております。
そんな中で、とりわけ地域的に見ますと、今、地方都市ほどそうした人口減少に直面しております。総務大臣をされておりました増田さんなんかは、今、地方から東京への人口流出、これを一つ名付けてブラックホール現象だというふうに言っておられます。これは、地方の人口をどんどん東京が吸い込んで、その東京自体も場合によっては、今は人口増えているかもしれないけれども、行く行く将来的には消滅してしまうかもしれないという話であったかと思っております。
まず、東京の問題はさておき、私自身も中国地方を回っていきますと、特に人口規模の小さい自治体、県庁所在地の自治体はまだ、その県の中からまた人口が集まってくるのでまだいいかもしれないんですが、やはり都道府県の中でも、その中でも地方都市というのが非常に大きな今過疎化と高齢化に直面していると。医療とか福祉、教育などの社会インフラ自体の機能の存続が危ぶまれているのではないかなと。これ、現実にそういった声をたくさん聞きますし、そういったことが実際に現場を歩いていると皮膚感覚で痛感するわけでございます。
そうすると、地方都市では、点在する各地域、集落というんでしょうか、それをある程度、一定程度集約した方がいいのかといった思い切った議論も出てくるわけでありますが、まず大臣に御所見を伺いたいわけですが、これから、特に地方から現役世代の流出、人口流出を食い止めるためにも、地方都市の在り方というのは極めて重要ではないかと思っております。その地方都市、特に地方都市の中心市街地の機能について、大臣の今後のビジョンについて御所見を賜りたいと思います。
また、その上で、今、中心市街地活性化法の改正法案を審議しているわけでありますが、本法案が果たすべき役割というのはいかなるものなのかという点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 私が「都会の不満 地方の不安」という本を書いたのは一九八八年なんですが、今から三十六年前になるんですけど、当時、東京一極集中、こういう言葉がよく使われるようになりまして、当時はまだバブルでありまして、様々な都市機能とか人口が首都圏に集中をすると。経済的にはいいんですけれども、一方で地価が上がったりマンションの価格が上がるということで、東京には生活面の不満があると。一方で、地方の方は、そういった経済機能が流出し地盤沈下、さらには人口も減少するという中で将来に対する不安というのが増大をしているということで、五万部近く売れたんですね、比較的ね。その状況というのは今でも変わっていないというか、より今深刻化しているのではないかなと思っております。
御案内のとおり、地方でもそういった県庁所在地以外の地域に行きますと、一般的に人口が減少、さらには高齢化が進む、こういう状態にあるわけでありまして、そういった中にあっても、居住であったりとか医療、福祉、商業等の都市機能を町中に誘導して、そういった都市の活力をいかに維持向上させていくかというのが一番の課題になってくるのではないかなと思っております。
なかなか国の施策、地方自治体の施策でそういったことを全てやることは難しい面もありまして、いかに民間の投資というのを呼び込むかということが極めて重要だと考えておりますが、この二十年なりを考えると、全体的な経済の低迷ということもありまして、民間の投資というのも極めて不足をしていたという状況でありまして、今回の法改正におきましては、こういった民間の投資を喚起すると、こういった観点から、魅力があって波及効果の高い民間プロジェクト、かなり絞り込んで、そこに予算や税や無利子の融資といった支援策を思い切って集中することによって中心市街地への民間投資、強力に喚起していくことが必要だということで今回の法改正、お願いをしている次第であります。
○谷合正明君 その三十六年前の御著作ということが本当に古くて新しい課題だなと改めて認識をしているわけでありますし、今後、国、地方自治体だけでは限度があるということで、民間活力を喚起していくということに思い切って、そこにめり張りを付けた税であるとか予算をつくっていかなければならないというお話でございました。
その大臣の問題認識の下で、以下、具体的に今回の法案について質問させていただきたいと思っております。
まず、認定計画数につきましては午前中でも質疑があったところでありますが、改めて幾つか確認をしていきたいと思います。
今、百十九の市で、百二十二の区域で認定計画、計画が認定されているわけでありますが、この数が低迷していることに鑑みまして、中心市街地活性化基本計画の認定要件の緩和ということが午前中でも議論になったところであります。
まず一点目に、これは高野議員からも御質問があったわけでありますが、平成十八年改正で規定された四要件、四要件をこれ全て盛り込まなければならないというようなことで、なかなかこの四要件をクリアするのが実態上難しいものでしたから、今回はこれを柔軟に対応していこうという政府の方針かと思いますが、必ずしもその四要件、市街地の整備改善であるとか都市福祉施設の整備、町中居住の推進、商業の活性化、必ずしも四要件を求めないということですが、そういうことでいくと、例えばそれは一つでも満たせればいいということになるのか、ちょっともう少し具体的にお話を聞かせていただければと思います。
○政府参考人(田中博敏君) お答え申し上げます。
中心市街地活性化基本計画の認定要件につきましては、法に基づき閣議決定される基本方針の中で詳細に定められているところでございます。現行の基本方針におきましては、市町村に対しまして四種類の事業、具体的に申し上げれば、市街地を整備する事業、病院等の都市福利施設を整備する事業、町中居住の推進のための事業、商業の活性化のための事業といった四種類の事業を原則全て実施することを求めているところでございます。しかしながら、中心市街地におきましては、例えば、既に相当程度居住機能等が集積している場合があるため、既存のストックの活用で十分であり必ずしも新たな整備を必要としない場合もございます。
そこで、今般の法改正に合わせまして基本方針も改正し、既に十分なストックがある場合など、必ずしも四事業全てにおいて新たな事業を実施しなくてもよいこととする柔軟な対応について関係省庁と協議してまいりたいと考えております。
○谷合正明君 ですから、一つでもいいということも、解釈も成り立つわけでありますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 私が説明した方が分かりやすいと思うんですけれども、大学入試四科目あるとしまして、一遍に四つ取らなくても、一つずつでも、最終的に四つでも合格になります。さらには、もうそういう資格を一つ持っているということであれば三科目合格すればいいわけでありますし、三つについてはもうできているということが一般的に分かれば、一科目試験を受けて、それが受かれば四つ合格ということであります。
○谷合正明君 よく分かりました。
それでもう一つ、一つの自治体につき一つの中心市街地というのが従来の大原則であったかと思います。その中心市街地というのは大体一キロから一・五キロという小さいエリアでございますので、自治体によってはなかなかそれを一つ特定しづらいですとか、先ほど午前中では、広域合併した場合などがあるねという話で、そこでその複数の中心市街地を一体となって指定していくんだということで答弁もございましたので、私もやはりこうした柔軟な対応というのが必要であろうと思っております。
そこで、四要件の緩和であるとか、一自治体につき一つの中心市街地の規定のもう少し柔軟な対応、こうした認定要件の緩和をすることによってどういった効果を期待しているのか。今、認定計画数がなかなか伸び悩んでいると。特に五万人以下の人口規模のところでは非常に計画数が少ないわけでありますが、当然私としてはそういった数が増えていくものと期待しているわけでありますが、この認定要件の緩和の効果について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(田中博敏君) お答え申し上げます。
現在検討している認定要件の見直しにつきましては、地域の実情を十分に踏まえまして、中心市街地活性化の取組の裾野を拡大するとともに、限られた政策資源の重点化を図り、実効性のある中心市街地活性化の取組を効率的に支援していくことを目指しているところでございます。
特に四種類の事業を原則全て基本計画に盛り込むという要件につきましては、内閣府が実施したアンケートによりますと、人口規模三万人から五万人の市町村のうち、当該四事業において新たな事業を基本計画に盛り込むことが基本計画の認定申請に至らない理由だと回答した市町村は六七%でありまして、人口規模が比較的小さい自治体にとりましてハードルが高い面もあったと考えられます。
認定要件の見直しによりまして、これまで新事業を計画、実施することが比較的困難なため基本計画の認定申請をちゅうちょしていた市町村におきましても今後中心市街地活性化に取り組むことが容易となることと考えられ、一定の裾野の拡大等が図られることが期待されるところでございます。
○谷合正明君 分かりました。
それでは、次の話題ですけれども、戦略補助金、かつてありました戦略補助金を今回改めまして、中心市街地再興戦略事業費補助金ということが盛り込まれたわけでございます。これは、私も幾つか自治体を回っている中で、かつてあった戦略補助金が民主党政権時代の中でなかなか使い勝手が悪くなってしまったということで、もう少し民間事業者も対象にしてほしいという声というのを実際聞いてまいったところであります。
今回、かつての戦略補助金を上回る三分の二の補助率を設定したわけでありますが、今回三分の二の補助率を設定した理由と、またこれも同様にどの程度の効果を見込んでいるのか、この点についてまずお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。
まず、かつてあった戦略補助金ですけれども、委員御指摘のとおり、基本は二分の一補助だったわけですけれども、当時も、相当規模の商業施設を整備するなど一定の場合であって経産大臣の認定を受けた場合には三分の二の補助率というのがございました。
今般、波及効果が高い民間事業に絞って思い切って支援をするという観点から、かつて最高レベルにあった三分の二の補助というのを今般の補助金について導入したいと考えたところでございます。御案内のように、中心市街地、非常に厳しい状況が続いています。そうした状況の中で民間投資を強力に後押ししていくためには、こうした三分の二の補助率の補助金というのは非常に重要だろうと考えています。
効果についてはこれからでございます。非常に関心も強くございます。市町村からも、中心市街地からも、いろんな事業者からも、いろんな関心が寄せられています。私どもとしては、そういう関心を発掘し、適切にアドバイスすることによって、効果があるそうした設備投資、民間投資につながっていくことを心から期待しているところでございます。
○谷合正明君 民間投資、民間活力を喚起していくという目的で補助率を二分の一から三分の二に引き上げたということでございます。どんどんこの案件を発掘していただきたいわけでありますが、一方で、これだけの補助金を投入するわけでありますから、高い経済波及効果ということをしっかりと求めていくとともに事業の透明性を図っていくと、これは車の両輪だと思いますが、この点についてどういう仕組みを考えていらっしゃるのか、改めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) 委員御指摘のとおり、思い切った補助金でございますので、波及効果がきちっとあると、そうした事業をまず見極めていきたいと思いますし、やはり地元のコミットメントがないとどんな補助金も効果がないということで、地元のコミットメントがあるかどうかということも併せて見極めていきたいと思います。
その上で、事業の採択に際しましては公募に掛けます。さらに、外部有識者による会議において審査をしていただくということで事業の透明性を確保していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○谷合正明君 それでは、そうした経済波及効果を高めていくととともに、事業の透明性の方もしっかり図っていただきたいというふうに思っております。
さらに、続きまして質問ですけれども、次は、商店街の抱える課題ということで、空き店舗の問題なんです。
これは、平成十八年度におきましては空き店舗率というのが八・九八%であったものが、平成二十四年度では一四・六二%に上昇しているということでありまして、これは経済産業省さんの調査によると、空き店舗が埋まらない最大の理由としては商店街に活気がないという理由なんですけれども、二番目と三番目に多い理由といたしまして、ほぼ同率といたしまして、所有者に貸す意思がないという点と家賃が高いという答えがそれぞれ三〇%、三〇%あったわけであります。これはやはり商店街を回っているとそうした声をたくさん聞くわけでございます。
それでは、なぜ所有者に貸す意思がないのか、また家賃が高いのかと、この点についてどのように分析をされていて、またこの問題についてどういう対策を講じていらっしゃるのか、まず確認をしたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) 委員御指摘がありましたとおり、なかなかオーナーの方に貸す意思がないということは大きな問題でございます。これはいろんな理由があるんですけれども、一つは、やはりオーナーの方が自分の土地とか店を貸すことに対して不安をお持ちになる、他人に貸すことに対して不安があるということがあるかと思います。そうした不安に対応するためには、間にまちづくり会社に入ってもらうとか、まちづくり会社に空き店舗のマッチングをしてもらうということが重要だと考えております。
今般の法律改正案におきましても、こうしたまちづくり会社を法律上認定をするということの措置を盛り込んでおります。これによってまちづくり会社の信用が更に高まる、信頼が高まるということで、地権者の方、オーナーの方がより安心してまちづくり会社を通じて土地や店舗を貸していただけるということにつながっていくことを期待しております。
次に、家賃が高い、これも大きな問題でございます。これもいろんな理由があるんですけれども、一つは中心市街地、大抵は昔に比べて地価が大幅に下落をしているという中心市街地がございます。そうしますと、オーナーの方は多くの場合、昔の地価とか昔の家賃の相場でどうしても捉えてしまう、なかなか現実に投資をする人とはマッチングをしない、そういうレベルを想定してしまう、期待をしてしまうという問題もございます。
こうした認識のギャップに対応するためには、先ほど申し上げましたまちづくり会社、客観的な中立的なまちづくり会社が、最近の状況、ほかの地域の状況、そうしたものをしっかりと地権者の方によく説明をして理解を得ていくと、こういう役割が重要だと思います。
また、先ほど御質問があったこの重点支援、経済活力向上事業というのは地元のコミットメント、あることが大前提になります。何をもってそのコミットメントを見るかという一つには、地権者の協力と。具体的には、例えば家賃をちゃんと下げるというような取組があるかと、そういうのを見極めて支援対象にしていきたいと思います。
こうした姿勢を通じ地元においても地権者を交えて町づくりのために協力をしていくと、そういう機運が醸成されていくということを期待しているところでございます。
○谷合正明君 そうしますと、まちづくり会社の役割というのは非常に大きいんだなというふうに思うわけであります。
その商店街の対策の中で私思いますけれども、継続した商店街、持続性のある商店街を維持していくためにも、やはりどうしても今商店街、恐らく高齢化していて、若い世代がなかなか、中には入っているかもしれませんが、十分世代継承ができていないんではないかと。空き店舗がこんなにせっかくあるのに、なかなか若い世代が参入しづらいと。先ほどその問題がありましたけれども、所有者に貸す意思がない、一方で、若い人にとってみると、家賃が高いという理由でなかなかちゅうちょせざるを得ないと。
今回、まちづくり会社を法律によってしっかりつくっていくわけでありますが、そこで、商店街、特に若い世代が参入していきやすい環境をどうやってつくっていくのかと。この点しっかり真剣にやっていかなければ、この商店街の問題というのは長くずっと続いておりまして、もう待ったなしの課題だと思っております。その後継者づくりについて、副大臣の答弁を求めたいと思います。
○副大臣(松島みどり君) 谷合委員がおっしゃるとおりに、若い人がお店を商店街に開く、それによって商店街というのが永続性、そしてまた活気が満ちてくると思います。
ちょうどいい例、私見付けましたので、二つ御紹介して、対策のヒントにしたいなと思っています。
一つ、長野県佐久市なんですが、岩村田本町商店街というところがございます。ここでは、商店街がというか、ここの商店街のそもそも理事長さん、阿部眞一さんという理事長は青年活動ずっとやってこられて、経産省の中小企業政策審議会の委員にも小委員会の委員にもなっているリーダーシップのある方なんですけれども、この方などが建物の所有者と交渉して、今、先ほどちょうど話があった家賃の問題に関わるんですけれども、交渉して家賃を安くしてくれと。安くしてくれといっても、ただ安くというわけにもいかないし、狭いスペースに区切っていって、二・五坪を月々一万五千円の家賃にする、そういう設定を商店街が段取りを付けまして、そうしたら、最初は六区間募集したら四十人以上が殺到して、そして結局四人が事業を始めて、今のところ成功しております。
この四件というのが、これも条件を付けまして、手仕事をコンセプトとしたショップ、最初は二・五坪のチャレンジショップというので、小さいけれどもやってみませんかということで、どういう店かと申しますと、一つは写真スタジオ、記念写真、家族の記念写真なんかを撮る写真屋さんですけれども、それから次にマッサージ、三つ目が手作りのパン屋さん、四つ目、これ女性の社長さんですけど、手作りのアクセサリー、アクセサリー教室をやりつつ、その作品とか自分が作ったのも売る、そういうような形態で、小さな面積で始めて、そうすると初期も投資が少なくて済みますから、それで順調にいって、この四事業者につきましては、二・五坪の安いチャレンジショップの段階を卒業して、もう既に商店街の中で普通のお店としてやっていっていると。
リーダーシップも必要なんですけれども、こういう試み、家賃、狭いところで安くて始めて、そしてそれを恒常化させると、こういう試みというのも非常に重要なことだと思っております。
もう一つは、これは大分市のまちづくり会社として大分まちなか倶楽部というのがあるんですけれども、これは五つの商店街を全部まとめて町づくりをやっている会社であります。
そこは、例えば、バス会社が発行しているICカードを商店街でも使えるようにして、そのいろんなデータに基づいて消費者の動向を、どういったところから来た人がどれぐらいお金を使っているとかそういう動向をつかんだり、あるいは二百店舗から直接聞き取りをして、どういうところがまだ、どういう分野だったらここでやっていけるだろうかというようなことを調査をして、それを公開いたしまして、やりたい、新しく開業したい人については事業計画作りから支援を行って、これ結構すごいんですけど、五年間で百五十店舗が開業しました。五年間で百五十店舗開業して、元々は六百店だったんです、しかし順調に六百プラス百五十とならないで、同じぐらいの数が高齢化などで店を閉じていますから全体の数は増えていないんですけど、それにいたしましても、開業率を引き上げる、そしてまた同じぐらい廃業率もあるので何とかとんとんでいられるという意味で、新しい店がこれだけできるというのは、そのやっぱり調査とまちづくり会社のアプローチというのが良かったのではないかと思います。
このような取組を参考にいたしまして、経産省では、平成二十六年度当初予算で三十九億円を措置しております地域商業自立促進事業、これで商店街の中長期的な収益の改善や、いろんな目的で空き店舗を活用したインキュベーション施設、こういう、お店もそうですし、お店以外の会社をつくるのでも、空き店舗のところへ埋まって、何か手作りの機屋さんとか、いろんな商品を作るような、工業的な製造業的なものであっても、あるいは介護的なものであっても、そういうインキュベーション施設の設置とか新たな店の誘致を商店街の新陳代謝の促進として使えるようにこういう予算を使っていっている、そんな状況でございます。
○谷合正明君 よく分かりました。まず参入があって、次に定着支援ということだと思います。そして、定着支援、これを横に広げていくということも重要でありまして、補正予算、本予算に計上されております商店街の予算についてはしっかりと、早期執行も大事ですけれども、本当に実のあるこの事業執行のために経産省としてもしっかりと対応していただきたいと思っております。
それでは次に、話題を変えまして、現行制度の中で第四十八条、地方税の不均一課税に伴う措置というものが現行制度ではあるんですが、今回の新しい改正法案ではこの四十八条がごそっと抜け落ちているわけでございます。この第四十八条というのは、特定の地方公共団体が特定民間中心市街地活性化事業計画に係る特定の商業基盤施設を設置したときに課税される不動産取得税又は固定資産税について不均一課税を行った場合、その減収額について普通交付税による補填を行う制度であるということなんですが、まずこれ総務省に確認いたしますが、この四十八条が元々入り込んでいた、盛り込まれてきた理由というのは何なのか、そして、今回四十八条が削除された理由というのは何なのか、また、現行制度におけるこの利用実績ですね、これについてお答えしていただきたいと思います。
○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げます。
地方団体が不均一課税を行った場合に、中心市街地活性化法に基づいて地方交付税によりその減収を補填する制度は、中心市街地の活性化を総合的かつ一体的に推進する、その法の目的に沿って、中心市街地の商業基盤施設の整備を図るために創設されたものと理解しております。
具体的には、アーケードや駐車場等の利便施設、あるいは会議施設、荷さばき施設といった共同利用施設等の商業基盤施設について、財政力指数が一定水準を下回る地方団体が不動産取得税又は固定資産税の不均一課税を行った場合、その減収を交付税により補填するものでございます。平成十一年度末までに公表された中心市街地活性化基本計画に関わるものを対象としておりましたが、これまで二年ごとに六回延長されてきております。
このような個別法に基づいて地方税の不均一課税を行った場合に減収補填を行うということにつきましては、かねてから、税負担の公平性という観点からどうか、あるいは、地方団体が任意の不均一課税を行い減収する、その減収分を地方共有の財源である地方交付税で補填するということの妥当性、これはどうかと、こういう指摘がされてきたところでございます。
そういう指摘の中で、平成十年に閣議決定されました地方分権推進計画におきましては、こうした減収補填の仕組みにつきまして、従来から行われてきたものは適用期限が到来した際にその必要性、対象要件等を見直すこととされておりまして、これまで随時見直しを行ってきたところでございます。
中心市街地活性化法につきましても制度以来十五年間で適用実績が八市町の九施設にとどまっていると、そういう状況でもあったこともございまして、経済産業省と協議の上、今回の法改正に併せて制度を廃止したところでございます。
○谷合正明君 税負担の公平性、また、国というよりは地方で自主的にやってほしいという趣旨だったと思いますし、また、実績が過去八市町しかないと。特に実績が少ないということで今回削除されたんだと思うんですが、一方で、平成十八年以降、この中心市街地活性化法に基づいて、認定計画数というのは、認定計画数自体が伸び悩んでいて、五万人以下の自治体もかなり数が少ないわけですね。なかなか手を挙げるに挙げられなかった自治体もあるわけでありまして、利用実績が少ないというのは私はちょっと表層的ではないかと思っております。むしろ、利用実績がない理由としては、まず使い勝手の問題が一つあろうかと思っております。
今回の法改正の趣旨は、民間活力を喚起するということで思い切った施策を打つんだということで冒頭茂木大臣から答弁があったところでございます。私自身も、改めて、今中心市街地における都市機能の増進、これは経済活力を向上するだけじゃなくて、今後、中心市街地の公益的な役割を維持していくためにも、私は民間事業者の活力を、投資を促進していくというのは大事だと思っておるわけです。
したがいまして、今回は四十八条削除されましたけれども、次の課題として、この四十八条、固定資産税であるとか地方税の不均一課税に伴う措置、これについてもう一度政府挙げて検討すべきじゃないかと思っておるんです。我が党といたしましても、昨年十一月に、中心市街地の活性化の核となる民間事業者に対しては固定資産税の一定期間の減免や投資に係る実効的な支援策を講ずるべきであるという申入れを行ったところでございます。
改めまして、こうした主張に対しまして、総務省の答弁は従来どおりの答弁になるかもしれませんが、総務省の答弁と経済産業省の答弁を確認したいと思います。
○政府参考人(平嶋彰英君) お答えを申し上げます。
固定資産税の減免措置ということについての、あるいは軽減についてのお尋ねでございますけれども、そもそも地方財政が大変厳しい状況にございまして、消費税の増税をお願いしているような状況でございまして、そういう状況の中で、まず第一に申し上げますと、地方六団体からは、地方税における税負担軽減措置等については税負担の公平の確保の見地から整理合理化が求められていると、特に固定資産税非課税、課税標準の特例については抜本的に是正措置を講じることを求められていると、こういう背景がございます。
その上で区別しなければいけないのは、国の措置として固定資産税の軽減措置を講じるのか、それとも地方の独自の判断で行うのかという点でございますが、国の制度として固定資産税の特例措置を講じるということにつきましては、そもそもが固定資産税を利益の出る法人に対して減免いたしますとその分法人税が増えるというようなこともありまして、その応益課税の性格から、固定資産税の全国的な軽減措置につきましては、資産の用途の重さの不均衡ですとか、それから主体に公益性があるという点にのみ着目して講じられることが原則となっておりまして、経済効果の面からの特例は原則として講じられないということになっているわけでございます。
他方、やはり固定資産税について、企業誘致や地域の活性化のために使うという動きは地方団体に独自でございます。そういった地方団体が独自に行うことについては、それは地方公共団体の独自の判断としてやっていただいていいのではないかというふうに考えております。
ただ、これを一方で、先ほども出ました不均一課税ですとか、それから課税の特例という国レベルの制度としてやりますと、その減収を地方公共団体の共有財産である交付税で埋めるということになります。地方交付税の財源というのは、御案内のとおり、過疎団体等にも行く財源でございますので、それでどういうところまで補填するのがいいのかという議論を、また今後も重ねてやらせていただきながら議論させていただきたいと考えております。
以上です。
○副大臣(松島みどり君) るる述べられましたが、ちょっと考え方が違うんですけれども、地方の中心市街地、それを活性化しなきゃいけない、それもタイミング的にはもう本当に今が最後の時期で、これから少子高齢社会、その起爆剤とするためにその中核の施設があるわけですから、これの固定資産税を減免するということは地域の活性化という意味においても非常に意義のあることだと、私も委員と同じ考えを持っております。ただ、それぞれの自治体が勝手にやれと言われても、結構追い詰められた状態でこの中心市街地に名のり出ているところが、後の補填なくして勝手にやることはできない、難しいと思いますので、これが何とか四十八条が、そのなくなった部分が何とか復帰できるように、経済産業省としては来年度に向けてまた努力をしていきたいと思っております。だから、固定資産税の減免を含めた形で中心市街地活性化のための施策をしっかりとつくっていきたいと思っております。
なお、念のために申し上げますと、今年度につきましても、平成二十六年度につきましても割増し償却や登録免許税を二分の一にする、こういった方の負担の軽減策は実施できた、獲得できた次第であります。
○谷合正明君 与党の議員なんで、何か経産省と総務省の違いを何か明るみにするような質問をするのもどうかと思うんですが、私自身としては経済産業省の方の立場に立っておりまして、やはり是非ともここは経済産業省頑張っていただきたいと思っておるわけであります。
最後、もう時間少ないわけでありますが、大臣に、地方活性化というのは経済産業省だけでやるものじゃなくて、今お答えいただいた総務省さんも含めて多省庁にまたがる課題でもあります。そういう意味では省庁の連携が重要でありますし、省庁の連携を密にしながら、各省所管の施策というのが効果的に発揮されなければならないわけでありますが、改めて、茂木経済産業大臣のお立場の中でこの中心市街地活性化をどう進めていくのか、決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 昨年の十一月、御党、公明党の方から、地方都市の活性化に向けまして予算そして法制度において各省庁の有機的な連携を確保するよう御要請もいただいたところであります。
今回の法改正、経済産業省としてもこの中心市街地の活性化法の改正ということでありますが、一方で、太田国交大臣の下、国土交通省におきましても、地方都市のコンパクト化を図るための措置を盛り込んだ都市再生特別措置法の改正案、さらには持続可能な地域公共ネットワーク形成を目指す地域公共交通活性化・再生法の改正案、出されておりまして、これらを一体になって進めていく、こういったことが極めて重要だ、こんなふうに考えているところであります。
中心市街地の活性化施策、私は常に進化をしていかなければいけないと思っておりまして、税制の問題につきましても、今年度で終わりということではなくて、それぞれ省庁の立場あるにしても、議論を重ねて、あるべき方向というのを今後二十七年度の税制改正であったりとかで見出していくということは極めて重要だと考えております。
○谷合正明君 時間になりましたので、終わります。しっかりと頑張っていただきたいと思います。
以上です。