【No.151 2014年2月26日】
《 未来を変えるCLT ― 木造の高層住宅が可能に 》
皆さん、こんにちは。谷合正明です。先週末、3回目のそうじゃ吉備路フルマラソン完走しました!
さて、CLTという言葉をご存じでしょうか。Cross Laminated Timber の略で、板の繊維の方向が直角に交わる集成材のことです。
先日都内で、大学や企業が合同で、未来を先取りした省エネ・創エネ住宅を展示する催し物がありました。
その中でひと際注目を集めていたのが、国産杉のCLTを使った木造住宅でした。
CLTの最大の特徴は、強度が非常に強いということです。つまり木造の高層住宅が可能ということです。しかも非常に短い工期で。
2000年ごろにオーストリアで実用化され、ドイツやイギリス、地震の多いイタリアにも急速に広まりました。ロンドンには、9階建て木造ビルも。
そこで、岡山県北の真庭市にあるCLTの製材メーカーを視察。国産材利活用の起爆剤になる可能性を秘めていると感じました。
国の来年度林野予算は、今年度補正と合わせると45%の伸びになっています。CLTを含め、森林の出口対策をしっかりやってまいります。
ところで、2010年に施行された公共建築物木材利用促進法では、国が整備する低層建築物は木造化すると定められています。しかし、実際は12年度実績で462棟のうち42棟にとどまりました。
原因の一つは、建築基準法の耐火性に関する規制です。今国会で建築基準法を改正し、安全性を担保したうえで見直します。
ロンドン五輪やバンクーバー五輪では施設に木材が使われました。2020年東京五輪でも活用すべきだと思います。森林大国の日本。その首都で、木材を活用したおもてなしをしたいですね。
CLTのことは、「里山資本主義」(藻谷浩介著)に詳しく紹介されています。世界の先端を走るのが、実は地方の里山だとのことです。
(谷あい)