【No.145 2013年12月9日】
《 特定秘密保護法について その1 》
皆さん、こんにちは。谷合正明です。
臨時国会が日曜日に閉会しました。参議院では3日連続で深夜・未明まで続く異例の本会議となりました。特定秘密保護法について、改めて、説明したいと思います。
Q なぜ必要だったのか
国民の安全を守るため外交安全保障の情報の漏えいを防ぐための法律です。外交官が使う暗号や衛星写真の能力など、国には守らなければならない秘密があることは、一部の党以外は一致した見解です。諸外国と緊密な連携を図るうえで、またインターネット社会時代に、こうした法律が整備されていなかったのが問題でもありました。
Q 知る権利や報道の自由が脅かされるのではないか
知る権利とのバランス確保のため、公明党の主張で政府原案が修正され、「知る権利」を明記。また報道の自由に関し、通常の取材であれば処罰しないことも条文上に明記させました。
Q 特定秘密の範囲が恣意的に拡大されるのではないか
特定秘密は、防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4つの事項に限定。公明党の主張で政府原案が修正され、政府が有識者の意見を聞いた上で指定や解除に関する統一的な基準を策定することになりました。また国会審議を通じて、独立性の高い第三者機関を法律の施行までに設置することになりました。
Q 強行採決ではないか
衆院では45時間の審議が、参院でも過去と同様の割合の質疑時間を確保しました。参考人質疑、地方公聴会も実施しました。また与党は、みんなの党や日本維新の会とも修正協議をし、中身に合意したのです。
私は本会議の議事運営を所管する委員会の理事をつとめており、毎日、与野党折衝の場におりましたが、途中から野党第1党の民主党は審議を遅らせることが目的化していました。一定の審議時間が来れば、賛否はともかく、結論を出すのが議会としての当然の責務です。
「国民が懸念を持っているというよりは、一部のマスコミが懸念をあおっている」(首都大学の前田教授)との指摘の通り、「強行採決」というのは野党とマスコミが主張していることで、裏を返せば、「審議拒否」「採決拒否」と同義です。
※その2へ続きます。