○谷合正明君 公明党の谷合です。
総合特区制度について、基本的なところからお伺いしたいと思います。
骨太の方針が、いよいよ今週ですが、閣議決定されてまいりますが、その案を見てまいりますと、目玉として国家戦略特区の創設が盛り込まれております。一方で、総合特区という名称でその制度の活用についての記載というのは明確にはなされていないのかなと。特区ということについては出ておりますけれども、総合特区ということでは明確に記載されておりませんが、今後策定される成長戦略で、総合特区制度、これはいかなる位置付けでなっていくのかと。
まず、こういう基本的なところから大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) これ、私たちはこの特区制度を活用して地域を活性化させていこう、それから国の力を高めていこうと、これが基本の精神であります。そして、今回まとめられました成長戦略においても、その象徴として、また新しい形としての、今までとは違うこの国家戦略特区というものも創設するということも打ち出しました。
一方で、地域活性化の制度というのはこの総合特区を含めて六つあるんですね。私はそれぞれ所管しております。それぞれの制度が熱心にこれまでも仕事を進めてきましたし、まだ新たな申請もございます。ですから、私はこの国家戦略特区制度というものを創設するときに、今までのものをそっちに持っていくんではないんですよと。従来のものは従来のもので、それぞれ理由があり、取り組んでいらっしゃる方がいらっしゃいます、これからやりたいという方もいらっしゃいます。したがって、従来の特区制度も、特区を始めとするこの地域活性化策はこれは引き続き進めていく、これは成長戦略の中にも明記させていただきました。それから、この国家戦略特区をつくるときのコンセプトペーパーの中にもそこは設けさせていただいたんです。これは、国家戦略というから大都市にやるのと、これも違います。新しい分野の産業ですとか、それから地域においても国家として取り組むべき課題は取り上げていこうではないかと、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○谷合正明君 よく分かりました。
それで、総合特区の経済効果についてお伺いしたいと思うんですが、平成二十七年度において見込まれる経済効果として、第一次指定の特区である国際戦略総合特区七地区では経済効果が七兆九百四十億円、雇用創出効果が三十一万六千人。地域活性化総合特区二十六地区では経済効果が二兆八千五百五十二億円、雇用創出効果が十四万八千人とされております。
指定から一年半がたちましたが、現時点における実際の経済効果はどのくらいなのか、また平成二十七年度には期待される経済効果について達成できる見込みなのかどうか、この点について確認したいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答えを申し上げます。
今お尋ねのあった件でございますけれども、先ほど御質問の中でも触れられておりましたが、二十七年度における経済効果、雇用創出効果については御指摘のとおりです。
現在どうなっているかということでございますけれども、これにつきましては、地方公共団体から平成二十四年度の取組の評価結果が今月中旬に提出されるということになっておりますので、この結果も踏まえて判断をしていく必要があるだろうと思っておりますし、また二十七年度の目標が私どもとしては達成されるようにいろいろ地域とも協力をしていろんな取組を強化していきたいと、こういうふうに考えております。
○谷合正明君 まだ具体的に計算されていないということだと思うんですが、指定自治体の評価書の取りまとめが六月中旬ということであります。専門家による評価というのが六月から七月にかけて行われると聞いておりますが、いずれにしましても、総合特区制度に関して評価というのは今回が初めての評価になります。客観的にどれだけの経済効果を生むことができたのか等、取組の検証をしっかり行っていくべきであると考えております。
先ほど、成長戦略に加わることになりましたこの国家戦略特区、この国家戦略特区も、従来の六つの特区も加えて七つの特区があるわけでありますが、これらこの国家戦略特区、また従来の特区制度の制度設計に当たって、例えばこの総合特区の評価の結果をしっかりと還元していくべきだと考えているわけですね、しっかりPDCAサイクルを回していくということだと思うんですが、この点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) これはまさにPDCAをしっかり回していくという意味において、これはこの特区だけではありません、全ての政策についてPDCAをきちんと回していこうと。特に、それはやるだけやって、そして後でPDCAの三段階でチェックすると、こういうことではないんだというのを私はずっと言っています。世界の潮流はプランのときにまずチェックするんです、それからドゥーのときにもチェックします。それぞれの段階で不断の評価をしていかなければいけないという意味において、今委員の御指摘は非常に的を得ているところだと思います。
ですから、数字もさることながら、本当に目的が達成できているのかと、もしそれが阻害されているとするならば、その原因は何だ、取り除こう、こういうPDCAをしっかり回すということが重要です。
もう一つは、最近、政府の中ではKPIという言葉がはやっておりまして、キー・パフォーマンス・インジケーターと言うんですけれども、数値目標です。達成すべき数値目標をしっかり打ち立てて、それに対する手段を設定していこうと、こういうことですね。時期と、それから達成の数値、こういったものを明確にしていくこと、これはPDCAを回す上で非常に重要ではないかと思っております。
ですから、今のこの総合特区、これは、知事によっては、私も直接聞いておりますけど、これが認められなかったら自分はもう職を辞すつもりで申請しましたというぐらいやっぱり気合入れて皆さんやっていただいています。ですから、そういうものを是非成果を出せるように我々も応援したいと思っておりますが、その総合特区における成果を、当然のごとく今後の新たなる国家戦略特区の方にもこれをフィードバックはさせていきたいと、これを心掛けようと思っております。
○谷合正明君 最近ではPDCAのPDCAが必要だと言われるぐらいにこのPDCAの重要性というのが指摘されているところでありますので、しっかりとやっていただきたいと思っております。
それで、先ほど、いわゆる総合特区というのは国家戦略特区制度とともにこれからも続けていくんだというお話も冒頭に大臣からありましたが、今年の三月に閣議決定されておりますが、この総合特区制度は第四次指定以降当面指定を行わないとする方針であると承知しておりますが、第四次指定以降の指定を行わないとする理由は何なのか、また、総合特区制度の、改めてその今後の在り方についての政府の方針を確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答えを申し上げます。
総合特区の指定につきましては、総合特別区域法に基づきます基本方針におきまして年二回行うということになっておりまして、そうなってございます。
これまで三次指定までで計四十四件の総合特区の指定を行ったところでございますが、この総合特区制度が、選択と集中の観点から、産業の国際競争力の強化ですとか地域の活性化の総合的かつ集中的な推進を図るものであるということを踏まえまして、基本方針において当面第四次指定以降の指定は見合わせることとしたものでございます。
今後につきましてでございますが、今後につきましては、毎年度行います事業評価も活用しながら、取組の進捗状況等を確認しながら、国と地方が一体となって計画の推進を図ってまいりたいという考え方でございます。
○谷合正明君 分かりました。
それで、もう一つ別の観点からなんですが、今回の法改正は第一次指定の特区からの提案を対象にしたものであります。第一次指定が行われたのは二年前の平成二十三年の十二月二十二日であります。本法案の閣議決定というのが今年の三月二十九日でありますので、指定から改正法の閣議決定まで約二年が経過しております。まず、なぜこの二年という時間が掛かるのかということなんですね。
国と地方における協議で合意が成立した後も、所管省庁、所管官庁の法令、通達等の改正、変更、それを待って総合特区推進方針の改定、さらに特区自治体による特区計画の変更、特区計画を政府に提出し総理大臣の認定を受けるという一連の作業を経なければならないというわけでありまして、相当な時間やマンパワーが必要となってまいります。
協議が合意し結論が出ているものに関して、合意に達しているわけでありますから、事務的な手続であるとか、何ですかね、簡素化できるところというのはしっかり簡素化して、よりスピーディーな特例措置の実現につなげていかなきゃならないと思うんですが、この点についてまた御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) まず、スピーディーに仕事を進めることは当然のことでありますから、今後も心掛けたいと思っています。
その上で、今委員の御指摘の部分については、まず、この平成二十三年の十二月に区域指定がなされました。そこから国と地方の協議を行う、協議開始までに二か月。それから、協議を始めてから終了するまでに約四か月掛かったわけです。そして、そこから法案を閣議決定するまでには九か月掛かりました。したがって、この区域指定をしてから一年三か月、年度は二か年でありますが、一年三か月だったんですね。それは、早いか短いかではなくて、そういうことでございました。
特に、国、地方の協議が終わってから閣議決定するまでに九か月掛かっていると。これは結局、方針を決めましたと、国と地方で了解しましたと、しかし、それを実際にやるためには詳細な制度設計、国有財産の無償譲渡に係る要件もそうですし、車検期間の伸長についても、これは今度は国側でその詳細な設計をするということに時間が要したものであります。
それからもう一つは、法改正ですから国会に出さなければいけません。昨年の秋の臨時国会には提案が間に合わなかったということがあります。そして、今回は通常国会始まってこれは予算審議がございましたから、ですから、そういったものもあります。国会の審議の日程というものも加味されると思います。
いずれにしても、これは、適宜内容が整ったものから法律の改正が必要なものはこれは即座に対応していくと、こういうことでやろうと考えております。
○谷合正明君 それぞれ、要した期間についてはそれぞれの合理的な説明があったわけでありますけれども、あと国会の対応ということもあったんだと思いますが。
それで、最後に質問ですが、平成二十四年秋の協議では第二次指定からの提案を対象としておりまして、協議の結果を公表しておりますが、法改正が必要なものは何件あり、その法改正はいつごろ行うのか。また、第三次指定が二月十五日に行われておりますが、先ほどの観点から、第二次指定の提案と併せて早く国会に提出するということが肝要ではないかと、秋の臨時国会あるいは来年の通常国会というふうにしっかりスピード感を持って提出していただきたいと考えますが、この点について伺いたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。
昨年秋に実施いたしました国と地方の協議におきましては、二次指定の特区を含む地域から合計で百十九項目の提案がなされております。このうち六十九項目について国と地方の間で合意又は方向性について合意がなされております。それで、そのうちでございますが、法令等の改正が必要な提案は五項目でございました。しかし、これらについてはいずれも政省レベルでの対応が可能であるということで、法改正を要する提案はございませんでした。
それで、三次指定についてのお話、御質問がございましたが、現在、三次指定の総合特区を含む地域からは八十五の項目の提案が出されておりまして、これにつきまして、現在、国と地方の協議を進めているところでございます。今月中にはこの協議を終了させるということを目指しておりまして、私どもとして精力的に協議を進めていきたいというふうに考えております。
その上で、法律上の措置が必要な場合には、関係省庁の速やかな対応を求めながら、先ほど大臣から御答弁がございましたが、大臣の指示も受けてできるだけ早期に対応していきたいというふうに考えてございます。
○谷合正明君 じゃ、終わりますが、国と地方の協議会で結果的に現行法令で対応可能となるものは結構多いわけでございますが、それはそれで一定の意義があると思いますが、ただ一方で、この特区制度の本来の意義とか趣旨を考えますと、特区だからこそ実現できる規制の特例措置というのもしっかり、そこにフォーカスされているような内容の議論というのも今後求められていくんだと思いますので、この点について言及して、私の質問を終わりにしたいと思います。
以上です。