○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました国税、地方税及び地方財政計画に関する四法案一案件について質問をいたします。
まず、本日になっても、平成二十四年度予算と表裏一体となった公債特例法案が参議院に送付されていない、その状況について政府の認識を問いたいと思います。
民主党連立政権になって三年間、マニフェストで国民に約束した歳出削減、財源確保もできずに、税収を上回る国債を発行して穴埋めをしてきました。それにもかかわらず、その根拠法を成立させる責任すら政府は放棄しています。財政規律に対する責任感の欠如に対しては、あきれるばかりです。亡くなられた西岡参議院議長も、公債特例法案の審議切離しについて問題を指摘しておられましたし、平田議長も官房長官に抗議をされ、与党からも遺憾との声が出ております。こうした責任感の欠如は、法案の問題点を検討するという参議院の本来の役割を軽視するものであります。
公債特例法案の審議の切離しが異例の二年連続となったことについて、野田総理はどのように責任を受け止めておられるのか、伺います。
次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案と社会保障と税の一体改革についてお伺いします。
今般の租税特別措置法改正案は、昨年来の与野党協議の中で積み残しとなっていた事項について、都合のいいところの先食い、つまみ食いで、これまでの税制上の各種の指摘に答えておりません。
例えば、昨年度の積み残しである給与所得控除の見直しが改めて盛り込まれた一方で、昨年度見送られた成年扶養控除は、今般の改正にも、社会保障と税の一体改革にも盛り込まれておりません。また、控除から手当へとの主張で民主党が指摘してきた配偶者控除の見直しなどについても手付かずとなっています。税制抜本改革に当たって、人的控除の考え方を変えたのでしょうか。安住財務大臣の見解を求めます。
また、配偶者控除を廃止し、子ども手当の財源にするなどといったマニフェストが完全に瓦解したのであるならば、率直にマニフェストは撤回し、国民に反省の意を示すべきではないかと考えますが、総理の見解を伺います。
その上、行わないと言い切ってきた消費増税に手を付けました。消費税の引上げをお願いせざるを得ないのであれば、その後の社会をどう描くのか、社会保障の全体像を併せて説明すべきです。医療、介護における需要増加も含め、新たな年金制度を税と保険料共に考えなければ社会保障の一体改革とは言い難いのであります。ところが、民主党は、三年間掛けても最低保障年金と所得比例年金を柱とする年金抜本改革案についてさえ具体像を示せておりません。
民主党案では、消費税率は一七%を超え、一部の人は年金として受け取る額はかえって下がり、最低保障年金がもらえるのは四十年先となるなどの数々の指摘に対し、どうお答えになるのか。実現性はあるとお考えなのか。具体像は一体いつまでに出されるのか。それができないのなら、執着を捨てて、きれいに公約を撤回すべきではないのか。総理に所見を伺います。
自動車関係諸税や温暖化対策税の在り方についてお伺いします。
公明党は、税制の抜本改革に合わせて、地方財政へ配慮しつつ、自動車取得税を廃止し、また、自動車重量税と自動車税を統合する形で負担の軽減を図っていくことを主張しておりますが、かつてガソリン値下げ隊までつくって暫定税率引下げを訴えてこられた民主党は、抜本改革にどのように取り組まれるつもりなのでしょうか。
また、原発事故後の我が国のエネルギー事情に鑑み、単に温暖化対策税の導入だけではなく、エネルギー課税の在り方全体をもう一度検討し直す必要があると考えます。
エネルギー関連、自動車関係諸税について、消費税引上げに先立ち、抜本的に見直す考えはないのか、財務大臣の見解を伺います。
新成長戦略実現に向けた税制措置の大部分は、エコカー減税等に係るものにすぎず、これで成長戦略を牽引していくとは到底思えません。例えば、住宅ローン減税は、平成十二年度、二十一年度に実施した数千億円の拡充額に比べて、今般の拡充額は僅か六億円規模であります。この減税が一体どの程度の効果を上げることができるのか、大きく疑問を感じます。
今般の税制改正案における住宅取得支援に係る措置がどの程度の経済効果を上げるものなのか、また、改めて真に我が国経済の成長に資する税制改正が必要なのではないか、総理の所見を伺います。
次に、デフレ対策等の経済対策と税制抜本改革の前提となる、身を切る改革についてお伺いします。
デフレ脱却のためには、税制だけでなく、金融政策、財政政策が一体となって取り組んでいく必要があります。公明党は、円高・デフレ脱却へ政府、日銀一体となった金融政策の強化や、国民の生命と財産を守るために真に必要な公共事業を集中的に進める防災・減災ニューディールなどを主張してまいりました。その中では、先月、日銀に対して資産買入れ等基金を八十五兆円まで拡大することなども提言しています。こうした私たちの主張を政府は積極的に取り入れ、デフレ脱却を確かなものとする責務があると考えます。総理の答弁を求めます。
二十四年度の国家公務員採用試験は、多様な人材を確保するため、これまでのⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種の体系を抜本的に変え、能力、実績に基づく人事管理へのスタートとなる年度と位置付けられています。
ところが、岡田副総理は、昨年六月の閣議決定を深掘りし、新規採用数の上限について、二十一年度比で七割の削減を指示したとされています。実行をされれば、計画的な人材配置が行えず、現実の公務に支障が出る弊害が指摘されております。さらに、副総理は、自衛官を採用抑制の対象から外す考えを示されました。では、警察や法務、海上保安庁など治安に係る採用数はどうなるのでしょうか。身を切る改革と言いながら、声を出せない若い世代へのしわ寄せになるだけではないでしょうか。採用抑制による効果と目的について岡田行革担当大臣の所見を伺います。
そもそも、消費税引上げを含む税制改革法案については、これがいつ提出されるのか、仮に法案が提出されても、野党として、その内容が真に与党の考えを取りまとめたものと信用していいものか、大きな懸念を持っています。提出に当たり、党内手続、閣議決定により、国民新党を含めた与党内の意見を取りまとめることが可能なのか、総理の見解を伺います。
次に、国と地方の協議の場についてお伺いします。
平成二十三年に法制化された国と地方の協議の場においては、協議対象事項として、地方行政、地方財政、地方税制そのほかの地方自治に関する事項も規定されています。しかし、実際には、社会保障と税の一体改革においては一定程度の活用が見られたものの、地方財政対策については、総務大臣及び財務大臣のコメントがあった程度であり、とても協議と呼べるものになっていません。また、税制改正については議題にもなっていません。
協議の場において、毎年度の地財対策や税制改正について、より実質的な協議が行われるようにするとともに、税制抜本改革を行おうとする際には、協議の場の十分な活用を行うべきではないでしょうか。総理の見解を求めます。
特別会計法改正案、復興特会関係について伺います。
今回の特別会計法改正案は、昨年の三党協議の結果を受け、新たに特別会計を設置するもので、復興に向けた取組を進める上で、資金の透明性の確保の観点から重要です。一方、資金の縦割りによる無駄排除のため、資金の流れを全体的、一元的に管理、監視していくような体制を整備することも必要と考えます。政府は、別途、特別会計改革に係る法案も提出しておりますが、今般の復興特会設置を特会改革とどのように関連付けているのか、財務大臣の見解を伺います。
さて、第一次の復興交付金配分を見ると、被災自治体が申請した事業について厳しい絞り込みが行われ、申請額に対し、交付額は六割にとどまりました。しかし、これは被災自治体が自ら策定する復興プランを支援しようという復興交付金制度の趣旨から見て問題があるのではないでしょうか。これでは復興庁ではなく査定庁だという宮城県知事の批判もあったところです。復興交付金制度の趣旨を確認するとともに、今回の交付金配分結果との整合性について総理の見解を伺います。
被災地から出された意見、要望を踏まえ、今後どう対応するのか。復興庁が被災地とどこまで認識を共有し、被災地に寄り添えるか、今後の震災復興の行方にも大きな影響を与えると思いますが、総理の見解を求めます。
最後に、寄附税制について伺います。
昨年の超党派の取組によるNPO法の抜本改正や寄附金税額控除制度の創設は、大震災以降の義援金、寄附を集める上で大きな役割を果たしております。
我が国の寄附文化がどのように変わったと考えているか、また、昨年度税制改正の効果、寄附の実績をどのように把握しておられるのか、総理の見解を伺います。
さらに、寄附金控除を年末調整において処理できるようにすべきと考えますが、実現するに当たり、具体的にどのような課題があるとお考えなのか、財務大臣の所見を伺います。
結びに、政治の信頼について一言申し上げます。
私は、北欧のスウェーデンに留学した経験があります。周知のとおり、消費税二五%の高福祉高負担の国でありますが、加えて、政治に対する信頼度が高い国でもあります。地元メディアの調査によれば、二〇一〇年の国政選挙では国民の七〇%が政治家を信頼できると答えています。
社会は政治に対する国民の信頼なくして成立するものではありません。消費税の引上げも、行き着くところ、政治の信頼がないと果たせない。国民の信頼を得ることは一朝一夕にはいきません。日々、国民に奉仕する政治活動を続けなければ、信頼は得られません。しかし、信頼は一瞬にして失われます。政治家が無責任な公約を掲げ、国民をだまし、責任を取らないとしたら、信頼は地に落ちます。信なくば立たずとの言葉に全てが帰着するということを野田総理に申し上げ、私の質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党、谷合議員の御質問にお答えをさせていただきます。
まず最初に、特例公債法案に関する御質問をいただきました。
特例公債法案につきましては、現時点において野党の皆様に御賛同いただける状況にはないと承知をしております。このため、本法案の取扱いにつきましては、まずは、野党各党の御理解をいただける道を与野党協議などにおいて時間を掛けて模索するとの結論に至ったものであります。
本法案が成立しなければ、特例公債による三十八・三兆円の歳入が確保されず、円滑な財政運営を行うことができないことは言うまでもありません。このため、一日も早く衆参両院で野党の皆様に御理解をいただけるよう、丁寧な議論に努めてまいりたいと思いますし、そのことによって責任を果たしていきたいと考えております。
続いて、子ども手当など、マニフェストについての御質問をいただきました。
子どものための金銭給付については、政党間協議において、次代の社会を担う児童の健やかな成長を目的に加え、支給対象を中学生まで拡大するなど、児童手当法の改正が合意されたと承知をしております。これは、チルドレンファーストを掲げた民主党の目指す方向とも合致するものと理解をしています。与野党の合意に御努力、御協力をいただいた各党各会派の皆様に心から敬意を表し、感謝申し上げます。
また、控除の見直しについては、配偶者控除の問題を含めまして、今後も税制改革の課題として引き続き議論、検討を行っていくものと認識をしております。
マニフェスト全体については、実現しているものがある一方で実現できていないものがあることも事実でございます。財源確保を含めまして、既に昨年の夏、党として中間検証を取りまとめ、実現できていないところは率直に認め、おわびをさせていただきました。御指摘のとおり、至らざるところは真摯に認め、また、残る任期内において一つでも多くの政策の実現に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
一体改革の中での年金抜本改革案の具体像等についてのお尋ねがございました。
民主党の新しい年金制度は、所得比例年金を基本として、所得比例年金の受給額が少ない方に対して補足的に税を財源とする最低保障年金を給付するものであります。最低保障年金に必要な財源規模や新制度下での給付水準については、最低保障年金の支給範囲や支給額といった新制度の設計によって変わり得るものであり、現時点で一概に申し上げることはできません。また、新年金制度への現行制度からの切替えには相当長期の移行期間が必要ですが、その具体的な制度設計については、平成二十五年の法案提出に向けて民主党内でも検討を始めており、与野党間でも真摯に相談をしていきたいと考えております。
今回の一体改革大綱の中では、これまで民主党が掲げてきた年金制度の抜本改革や、それまでの間の現行制度の改善策など、社会保障の全体像を描いております。我々は、年金制度の抜本改革をゴールに見ながら現実的にどこからスタートするかという議論をしており、御党は、現行制度を前提とした改善をしていこうという立場であります。与野党間協議を行う前に民主党の掲げる抜本改革案を取り下げてしまうのではなく、胸襟を開いて、国民の立場に立って議論をしていきたいと考えております。
住宅取得支援のための税制措置による経済効果等についての御質問をいただきました。
平成二十四年度税制改正法案における主な住宅税制措置の経済波及効果については、国土交通省の試算によれば、省エネ住宅を対象とした住宅ローン減税の拡充により、特例期間の二年間で約二千億円の経済波及効果が見込まれており、また、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充、延長により、特例期間の三年間で約二・七兆円の経済波及効果が見込まれております。
また、同法案においては、新成長戦略の実現に向けて、住宅税制措置のほか、自動車重量税の当分の間税率に係る税負担の軽減及び環境性能に優れた自動車に対する軽減措置の拡充、延長、研究開発税制の増加型、高水準型の措置の適用期限の延長、再生エネルギー投資を加速させるための環境関連投資促進税制の拡充など、我が国の経済成長に資する税制措置を講ずることにしております。
次に、デフレ脱却に関するお尋ねがございました。
議員御指摘のとおり、長引くデフレを脱却するためには、あらゆる政策手段を活用して取り組んでいく必要があると考えており、日本銀行との一層の連携強化を図り、切れ目ない経済財政運営を行ってまいります。経済政策としては、新成長戦略の実行を加速するとともに、日本再生戦略を年央までに策定し、官民が一体となって着実に実行いたします。財政面でも、引き続き、これまでの四度にわたる補正予算を速やかに執行するとともに、三・八兆円規模の復興予算を確保した二十四年度予算の早期成立を図ります。
なお、御党の御提言も踏まえ、二十三年度補正予算及び二十四年度予算の中では、全国防災事業を一兆円を超える規模で措置をしております。
金融政策を行う日本銀行に対しては、引き続き、政府との緊密な連携の下、果断な金融政策運営を期待をしております。
今後とも、防災・減災ニューディールなどの御党の御提言も参考にしながら、経済財政運営に万全を期してまいります。
次に、税制抜本改革法案の提出時期などについてのお尋ねがございました。
人口構造の急速な少子高齢化、社会経済状況の変化、欧州の政府債務問題に見られるグローバルな市場の動向を踏まえれば、社会保障と税の一体改革は待ったなしの課題であり、不退転の決意でこの改革をやり遂げる決意であります。
これまでも、昨年六月の成案、今年一月の素案、二月の大綱の閣議決定と、政府・与党一体で議論を尽くし、議論の手順を踏んできたところであり、今回の法案の閣議決定に当たっても熟議を尽くしているところでございます。附則第百四条に従い、今年度中に法案を提出する方針に変わりはありません。
次に、税制改正等における国と地方の協議の場の活用についてのお尋ねがございました。
地方にかかわる様々な重要政策課題について、国と地方の協議の場などを通じ、地方団体の意見を反映していくことは重要と考えております。国と地方の協議の場については、昨年五月に法定化された後、本体会合を八回、分科会を四回開催し、協議を行ってきたところです。平成二十四年度の地方財政対策については、昨年十二月に開催した国と地方の協議の場において協議を行いました。地方財政対策の内容については、地方団体から、財源の確保にできる限りの工夫がされたことを評価するとの表明をいただいたところでございます。
また、平成二十四年度税制改正については、昨年十一月に開催した税制調査会において地方団体との意見交換を行いました。さらに、国と地方の協議の場においても社会保障と税の一体改革について数次にわたり協議を行ったところでございます。
地方財政対策や税制改正については、今後とも、できるだけ国と地方の協議の場などを活用して地方団体の意見をお聞きし、国の施策に反映するよう努めてまいります。
次に、復興交付金についてのお尋ねがございました。
復興交付金は、著しい被害を受けた地域が自らの復興プランの下に復興地域づくりを進める上で必要となる事業を幅広く一括化し、被災地の取組を支援するものでございます。
一月末に被災自治体から提出された事業計画に対し、先般、第一回目の交付可能額の通知を行ったところでございますが、今後、被災者の生活再建等のため、速やかな対応が必要なものとして、当面必要と考えられる事業について配分を行ったところでございます。
引き続き、復興庁において、次回の事業計画の提出に向け、被災自治体による計画策定の支援に取り組んでいくこととしておりますが、今回は採択されなかった事業や市町村等が要望を取り下げた事業の中には、事業の進捗や検討の進展状況等により今後採択可能となるものもあり、また、全国防災等の別途の予算や制度による対応を検討していただくものも含まれているものと承知をしております。
いずれにしても、被災自治体に丁寧に説明していくことが重要であり、被災地の要望の一つ一つにしっかり対応してまいりたいと考えております。
次に、NPO法、寄附税制の改正が復興支援に与えている影響、効果についてのお尋ねがございました。
東日本大震災の被災地において、多くの団体が様々な支援活動を展開され、また、そうした活動に賛同する広範な方々から多額の寄附が寄せられているという事実は誠に尊いものであり、改めて敬意と感謝を申し上げたいと思います。
お尋ねの寄附の実績については、寄附金控除の利用状況など、確定申告の結果を待って把握することになりますが、寄附金の最大五〇%までが税額控除されるという税制改正は昨年六月から施行されており、震災以降の寄附の集まりを後押しをしているものと考えております。
さらに、いわゆるNPO法の改正により、本年四月から寄附税制の適用対象となるNPO法人の認定基準が緩和されることで、寄附に対するインセンティブが強まり、多くの人々にとって寄附がより身近になることは、我が国の寄附文化の発展に資するものと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
○国務大臣(安住淳君) 四点質問をいただきました。
まず、人的控除の考え方についての質問でございますが、現行の所得控除制度は結果として高所得者に有利な制度となっていることを踏まえ、これまで控除から手当への取組を進めてきており、その結果、中低所得の子育て世帯については負担の軽減が実現されているところでございます。
平成二十三年度税制改正大綱において見直すこととした成年扶養控除を含む扶養控除全体の在り方については、今般の社会保障・税一体改革大綱において、真に担税力の減殺に配慮が必要な方が対象となっているかとの観点や課税ベースの拡大等の観点を踏まえるほか、今後更に具体化される社会保障改革の内容や、給付付き税額控除の導入をめぐる議論も踏まえた上で検討することとしております。
また、配偶者控除につきましては、社会保障・税一体改革大綱において、配偶者控除をめぐる様々な議論、課税単位の議論、社会経済状況の変化等を踏まえながら引き続き検討することとしております。
今後の人的控除の在り方については、社会保障・税一体改革大綱に基づき、今申し述べましたような方向性を踏まえて検討してまいりたいと思います。
次に、エネルギー関連、自動車関係諸税についての御質問でございました。
車体課税については、社会保障・税一体改革大綱で示されました税制抜本改革の一環として、廃止、抜本的な見直しを強く求める等とした平成二十四年税制改正における与党の重点要望に沿いまして、国、地方を通じた関連税制の在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減、グリーン化の観点から見直しを行ってまいります。
また、燃料課税については、同じく社会保障・税一体改革大綱において、地球温暖化対策等の観点から当分の間税率が維持されることや、二十四年度税制改正において石油石炭税の上乗せを行うことを踏まえて引き続き検討するとされており、これを踏まえて検討していくこととしております。
次に、特会改革と東日本大震災復興特会の関連性についての御質問でございました。
今回の特別会計改革は、全ての特別会計及び勘定についての見直しを行い、区分経理の必要性が乏しくなったものを廃止、統合し、国全体の財政状況の総覧性を高め、財政のチェック機能の強化、透明性の向上を図るものであります。特会の数としては、十七から十一に減少させるとともに、全体の勘定の数もおおむね半減させております。
他方、復興特会は、昨年十一月の三党の政調会長による合意を踏まえ、復興に係る国の資金の流れの透明化を図るとともに、復興債の償還を適切に管理することを目的として設置するものであり、特別会計改革とは目的、趣旨が異なるものであります。
なお、復興特会については、復興庁が廃止される平成三十二年度末までに廃止することを法案に明記をしております。
最後に、寄附金控除の年末調整化についての御質問がございました。
年末調整制度は、納税者の手続を簡便化し、納税のための社会的な費用をできるだけ小さくする観点から行われるものでございます。寄附金控除の年末調整対象化については、源泉徴収義務者にとって、寄附金控除の対象となる法人であるかどうかの確認、不正防止の観点からの厳正なチェック体制の整備といった負担が生じることをどう考えるかという課題があると思います。
いずれにしましても、寄附金控除の年末調整対象化については、源泉徴収義務者等の意見を聴取しつつ、実務的、技術的な観点から実施可能であるかどうかについて検討を行う必要があると考えております。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣岡田克也君登壇、拍手〕
○国務大臣(岡田克也君) 国家公務員の新規採用につきまして御質問がございました。
先ほども申し上げましたように、私自身が七割という数字を申し上げた事実はございません。ただ、平成二十二年度比で四割弱、三割弱と削減を続けてまいりましたが、今回はそういった過去の実績と比べてもより大幅な抑制をお願いしているところでございます。
現在、総務省において、この方針に基づきまして各府省と採用上限数の調整を行っているところであります。その際、各府省の実情を踏まえつつ、一律ではなく、めり張りを付けながら行うことは当然必要であるというふうに考えております。
新規採用抑制につきましては、税・社会保障一体改革において国民に負担を求めることに伴い、身を切る改革の一環として国家公務員の数を削減するために実施するものです。国家公務員順次削減は、財政や社会保障制度の持続可能性のためにも必要なことで、若い世代のためにも行っているところでございます。もちろん、その際に、国家公務員総人件費の抑制、削減に関して、新規採用抑制だけではなく、より幅広い観点から、あらゆることを行っていくことが必要であると考えております。
是非、議員の御理解と御支援をお願いするところでございます。(拍手)