○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
前回の質疑では、私は瀬戸内海について取り上げさせていただきました。前回質問通告はしていたんですが時間がなかったものですから、今日は瀬戸内海に続いて今度はジオパークについてまず最初に取り上げたいというふうに思っております。
皆様にお手元に配付させていただいておりますが、ジオパーク、世界遺産の地質版と言われておりますが、現在日本ジオパークで十五地域、赤い点ですね、さらに世界ジオパークとして認定されているのが五地域ございます。私も山陰海岸とか行かせていただいて、非常に面白い、これから可能性を感じる、世界遺産とは違うまた可能性を感じさせるパークでございました。
そこで、ジオパークとは何なのかと。私も、初めて聞く人、初めての人になかなかうまく説明できないものですから、今日はせっかく観光庁長官に来ていただいていますので、観光庁長官に、ジオパークとは何なのかと、初めて聞いた人が訪れたくなるような、そういうようなちょっと説明をまずできたらお願いしたいなと。可能な範囲で結構ですが、よろしくお願いします。
○政府参考人(溝畑宏君) 先生御指摘のジオパークでございますけれども、これ経済産業省の解説によりますと、解説でございますけど、そこから始まって私が分かりやすく申し上げますので。
これは、例えば日本の中でいえば、昔ながらのそういった地球の例えば隆起でございますとか、火山が活動して例えば断層を起こしているとか、噴火をしてそういったものが残っているもの、そういういわゆる大地の、日本のこの地質にかかわりますそういった歴史というものをきっちりと残したものを称してジオパークと呼んでおりまして、分かりやすく言いますと、大地のいわゆる自然遺産の公園ということで表しております。
今、世界ジオパークというものの認定がございまして、今議員御指摘のこの二十か所、今、日本がジオパークございますが、五か所が世界ジオパークという形で御認定いただいておりまして、そのジオパーク五か所は洞爺湖有珠山、糸魚川、山陰海岸、室戸、島原半島でございます。
分かりやすく少し申し上げますと、私、先日洞爺湖の有珠山に行ってまいりました。ここは百年の間に四回噴火をしておりまして、町民の方が常に噴火の歴史とともに共生をされております。二十年前の噴火のときの歴史、避難したときの様子、そして、その後の残された噴火口からの、こういうガイドのツアーとか博物館とか教育、文化、そういった意味での観光として非常に今人気を博しておりまして、そういう意味では、そういう文化そして歴史、そしてまた、そういう登山とかを含めた観光、こういった多面的な観光としての資源を有している極めて観光としての価値の高いジオパークであるということでございます。
○谷合正明君 先ほど通告したにもかかわらず、すぐに答弁していただきまして、本当にありがとうございます。
そこで、ジオパークはどこが所管しているんだと。役所の中でどこが所管しているのかということで、いろいろ聞いて回りますと、先ほど冒頭に経済産業省という話が出ましたが、経済産業省が所管しているのかと聞いたら、いや、そうじゃありませんと、いや、恐らく共同で所管しているんでしょうと、共管でしょうと。各役所に聞いても、なかなか自分のところだとは言わないものですから、ちょっとジオパークの位置付けというのが結構曖昧になっているんじゃないかなと私は思っております。
まず、観光としての資源ということで、長官、今言われました。観光庁として、このジオパークをどのようにとらえているのか、ちょっと先ほどとかぶるかもしれませんが、改めて確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(溝畑宏君) 先生御指摘のとおり、このジオパークということにつきましては、いわゆる自然遺産、いわゆる文化遺産ということでございますので、保全、保護という面もございます。また、教育という様々、多面的な面を有しておりますが、我々観光庁といたしまして、非常にこれは、先ほど申し上げました観光として非常に意義のある施設であると、スポットであると思っておりますので、関係省庁、そしてまた、それがございます自治体と連携を取りながら、一つの観光の魅力ある資源として我々積極的に活用していきたいというふうに考えています。
○谷合正明君 そこで、世界遺産とジオパークの違いは何かということで申し上げれば、世界遺産というのは基本的には保護をする目的だと思うんですけれども、ジオパークの場合はそれにとどまらず、地域活性化のために大いに活用していいんだと、観光のために使っていいんだという代物なんですね。
ただ、課題がありまして、大きく二つ指摘されています。まず一つが知名度の不足。もう一つは広域連携という課題です。
知名度がないものですから、観光に大いに利用したいと思っても、初めて聞く人がジオパークといっても何だかよく分からなくて、ジオパークに行ってみようということにならないということで、ジオパークに認定されている地域では、政府に対しても要望されておるわけですが、国内外の誘客を図るため、ジオパークの知名度を上げる戦略を図ってほしいと、そういうような要望も入っております。また、ジオパークは広域、市町村越えたり、都道府県越えたりするエリアで成っておりまして、都道府県、市町村の広域連携を支援するような仕組みというのもないだろうかというような要望もあるわけですね。
この知名度と広域連携についての観光庁としての取組を聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(溝畑宏君) お答えいたします。
まず、これは地域、やはりジオパーク自体が地域の方にとって非常にブランド性のある観光資源であるという御認識をしていただく必要があると考えておりまして、これにつきましては、我々、その県境をまたいだそれぞれの市町村が連携をするような形での観光資源をつくったり、あるいはネットワークをつくる、プラットホームの形成という事業の中で応援していきたいというふうに考えておりますし、また今後、海外に向けてもやはりジオパークというものの持っている、PRするために、ビジット・ジャパンの地方連携事業というもので、これ国が二分の一の補助ということを行うことになっておりますが、地元自治体と連携を取りながら、海外に向けてのそういう広報というところでも強化してまいりたいと。
また、ニューツーリズムという観点から、やはり今この五か所、非常に熱心にこのジオパークをアピールされておりますので、そういう観点からも、観光庁としても一つの貴重な観光資源として積極的にアピールしていきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 是非よろしくお願いしたいと思います。
それでは、公園ということに関連するわけではないですが、別の角度から質問をいたします。それは、まあがらりと変わるわけですが、この震災の後の公園造りと。
実は、関東大震災の後に復興事業ということで復興公園というものが造られております。例えば、東京の隅田公園、それから浜町公園、錦糸公園、これは三大公園ということでございます。また横浜でも、国が復興公園ということで山下公園などを整備してきたわけでございます。これは大きな公園です。さらに、小さい公園ということで、東京市が小学校に隣接するような形で小公園というのを造ってきた。
これは、震災の教訓として、火災の、これを防いでいくという目的で造られてきたというふうに聞いておりますが、震災後の復興事業で、東京の公園のストックというのは飛躍的に向上したと。むしろ、下町における緑地公園というのは、それ以降、追加的に公園というのは増えてないと。ですから、関東大震災後に造られたこの復興公園が基盤になっている。
それから、小学校と公園をセットにする、防災拠点とする方式は、ここで初めて取り入れられたわけですけれども、名古屋とか神戸にも広がっていったわけですね。神戸で阪神・淡路大震災が起きたときも、まさにこの防災拠点としての意義が再確認されてきているわけです。
この復興公園は、大正の大震災のときに、受けて造っているわけですけれども、公園の先進国、アメリカの視察団が訪れたときも、この復興公園の建設の規模とかスピードについては極めて優れたものだと称賛しているわけですね。そういうような歴史もございます。改めて、今回の東日本大震災で、震災後に公園を造りたいといういろんな各地からの話も聞いております。
先般成立しました三次補正予算におきまして、国交省の予算にメモリアル公園等の在り方検討調査というのがあり、これは五千万円計上されております。五千万円のこの調査というのは、一体これはどういうものを、今回三次補正予算では何を狙いとしてどういうものを調査、具体的な詳細というのは何なのかというのをまず明らかにしていただきたいと思います。
○大臣政務官(室井邦彦君) 先生がお考えのとおり、この東日本大震災を後世にしっかりと残し、また次世代に伝えていくということが非常に大切なことだと思っております。
そういう中で、今の御質問でございますが、東日本大震災からの復興の基本方針にも掲げております地元の発意による鎮魂と復興の象徴となる丘、森、施設の整備を検討するとの方針がこの復興基本方針の中に含まれておりまして、また被災地の自治体からもこのメモリアル公園の整備を国において行ってほしい、このような要望が今現在出ているところであります。
このため、今先生がおっしゃいましたこの第三次補正予算において、東日本大震災の記録を残していくために、教訓と、次世代に伝承するとともに、復興の象徴となるメモリアル公園等の在り方を検討していき、そしてその五千万円の調査費を計上させていただいておりまして、この機能、規模、内容等について、被災以降、自治体の御意見を十分にお伺いをしながら年度内を目標に検討していきたい、このような考えをさせていただいております。
○谷合正明君 そういうことということであれば、どういう調査を行うとか、例えば検討会をつくるとか有識者検討会つくるのか、あるいはコンサルタントに何か丸投げするのか、様々ちょっとよく見えないところもあるんですが、それも含めて年度内に詳細を決めていくということなんでしょうか。
もう少しちょっとこの五千万円の使い方を分かる範囲で教えていただきたいんですけど。
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えを申し上げます。
今、この希望を出されているのは岩手県と茨城県ということでありまして、陸前高田からなども、複数の自治体からも国において行うようにというような希望、要望がなされておりますが、今現在国と地方の役割についても更に検討を加えたい、このように考えておりますが、事業の手法、また管理主体等についてもさらに被災自治体の希望、要望、さらに関係者の御意見を更に踏まえて検討したい、そういうことで今進めておりますが、専門家によっての、御意見を聞くということは今現在進めておりませんが、いずれそのような専門家の御意見も聞きながら早急に対応していかなくてはいけない、このようには思っております。
○谷合正明君 そのメモリアル公園というものが国営なのか県営なのか市営なのか、管理運営を誰がするのかということもまだ決まっていないということだという答弁だと思います。
陸前高田市からは、私も今回、現地に委員会視察で行きましたけれども、国営防災公園という希望をされているんですけれども、まさに、何というんでしょうね、この五千万円というのは、陸前高田市の要望されている国営防災公園のこの設置を念頭にした予算だということでよろしいんでしょうか。
○大臣政務官(室井邦彦君) 陸前高田の御要望だけの調査費ではありません。さらに、岩手、宮城県からも希望出ておりますが、陸前高田市の希望のみでこの予算計上ということではありません。
○谷合正明君 私は、陸前高田市を始めとした公園の構想というんですかね、これ自体はすごいすばらしいことだと思います。ただ、三次補正で五千万円ですね、これは十数兆の全体の中の僅かな予算かもしれませんけれども、何か具体的に、じゃ、どうなっているんだと聞いてみると、なかなか何か具体性のものが出てこないものですから、本当にこれは有効に使えるかどうかというのをちょっと疑問に思いました。これ年度内に計画されるということですから、しっかり詳細を詰めていただきたいというふうに申し上げたいと思います。
それでもう一つ、今回の視察で要望が強かったのが鉄道のインフラ復旧でございます。
時間がありませんので、ちょっとはしょりますけれども、私が聞いているのは、三陸鉄道の二路線、それからJRの七路線で全体で三百九十キロほどがいまだ不通状態であるというふうに聞いております。
まず、三次補正予算で第三セクター旅客鉄道の復旧支援のための費用として六十六億円が計上されておりますが、具体的にどことかいうのが聞こえてこないんですが、これどのような鉄道会社を支援の対象としているんですか。これ三陸鉄道のことということで理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(久保成人君) 先生御指摘のように、東日本の大震災で多くの鉄道が被災をいたしましたが、今回の三次補正予算で新たな支援制度の創設を盛り込んでおります。これは、具体的には復旧費が鉄道の年間収入を上回るといったような大きな被害を受けて、そもそも経営が従前から赤字基調であるというような鉄道については、復旧に際して自治体さんが鉄道事業者に代わって施設を保有すると、すなわち地域の足を維持するんだという姿勢を明確にされた場合には国と自治体の補助率を二分の一に引き上げると、そういった内容でございます。
これの対象ということでありますけれども、今言ったような要件に合致する鉄道は、今のところ、三陸鉄道、仙台空港アクセス鉄道、茨城のひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道の四鉄道というふうに考えております。
○谷合正明君 分かりました。
それで、もう一つJRの方ですが、もう時間がありません、JRもやはり七路線、これ不通。ただこれ、むしろJRの方、復旧の時期すら明示されていない路線が多いわけですね。JRとしては国の支援というのを求めているんですけれども、国としては黒字企業に対する支援はしないという板挟みの中で、結局被災地、被災者にとって復旧が遅れてしまうんじゃないかという懸念があると私は思っているんですが、国として、国交省として、町づくりと一体的に復旧を行う中でどのような形でこのJR東日本の復旧事業を支援しようと検討しているんでしょうか。
○政府参考人(久保成人君) 先生御指摘のJR東日本の路線でありますけれども、七路線という御指摘のうち一路線、これ八戸線ですけれども、これ復旧期間を明示しておりますが、御指摘のように六路線については町づくりと一体となった復旧を検討する必要があると、こういう状況であります。
これら六路線につきましては、既に地元の自治体さん、当事者のJR東日本会社、そして私どもの出先の機関であります東北の地方整備局、東北運輸局から成ります復興調整会議というものを立ち上げまして、場合によってはこのルートの変更も含めた復旧の検討を進めております。
これらの路線については、原則はJRさん自らの責任で復旧するものと考えておりますけれども、そうはいいましても、鉄道が移転する場合の用地確保等については、これは町づくり計画の具体化を図る過程において事業の実施者と鉄道事業者との調整により必要な措置がきちんとなされるよう私どもとしても検討してまいる所存であります。
○谷合正明君 時間が来ましたので終わりますが、鉄道復旧については全体的なスケジュール、目標をしっかり明確にしていただいて、早期の復旧復興を望みまして、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。