【No.105 2011年11月16日】
《 TPP(環太平洋連携協定)について 》
皆さん、こんにちは。谷合正明です。
先週、野田総理は「TPPの交渉参加に向けて、関係国との協議に入る」と表明しました。玉虫色なのは、米国と民主党内の反対派の双方に配慮した結果です。
私はTPPについては現時点で慎重・反対で、その理由は次のようなものです。
<TPPが最善の答えなのか>
自由貿易、貿易立国はこれからも日本が目指すべき姿であるが、従来のWTOやEPA・FTA と比較してもTPPが最適な枠組みなのかどうかの説明が不足している。
<震災復興のために役に立つのか>
被災地では主要産業の水産業が壊滅的な被害。ホヤなどを海外輸出してきた、いわゆる攻めの業者も「復興までに資金も時間もかかるのに、なぜ今TPPなのか」と。
<1次産業への影響大>
関税撤廃の影響は甚大。だが農業の急進的な改革は困難。コメなどを例外品目として主張するのか、戸別所得補償制度で更なる国民負担をお願いするのか、方針が見えない。
農業は、産業政策だけでなく、環境政策、地域政策の3つの側面が大切。
<総理の説明不足>
医療や保険を含めた国民生活全般に関わる協定。今回の決定に至った理由や、デメリットを克服する展望について、野田総理は自らの言葉で国民に十分に説明をしていない。
以上ですが、今後TPP交渉を外交力のない民主党政権に任せていいのでしょうか。ゆえに公明党は国会に交渉への参加問題に関する特別委員会の設置を提案しました。
最後に一言。先週、国会前で若手農家らが抗議の座りこみ。与党の一人が、「私の選挙区の相手は推進派の○○議員。私に一票を」と露骨な投票依頼でひんしゅくを買っていました。
国益を考えて賛成する人もいれば、国益を考えて反対する人もいます。今後、国会で十分に検証してまいりますが、私益の議員は排除されるべきです。
(谷あい)