谷合正明参院議員(瀬戸内海フォーラム事務局長)が過日行った、広島県内の「海の駅」の視察のもようが公明新聞に特集記事として掲載されました。以下、公明新聞の記事を転載します。
(岡山事務所)
現場発 中国地方の現在を追う
党フォーラム「海の駅」の課題探る
広島県
瀬戸内海を囲む岡山、広島、山口、香川、愛媛、兵庫の6県の公明党議員でつくる、党瀬戸内海フォーラム(山本博司座長=参院議員)の谷合正明事務局長(参院議員)は8月25日、広島県内の「海の駅」6カ所を視察し現状と課題を調査した。栗原俊二、日下美香、尾熊良一の各広島県議が同行した。
「海の駅」は国土交通省に登録された「海から、誰でも、いつでも、気軽に、安心して立ち寄り、利用でき、憩える」船舶係留施設。プレジャーボートなどを係留できるビジター・バース(来訪者用桟橋)や公衆トイレ、給水施設などを設置。レストランや宿泊施設を併設しているところもある。「海の家」と「道の駅」の意味を込めた、海上・陸上の観光資源へつなげる基点として期待されている。
8月25日現在、全国で132カ所の「海の駅」が登録されているが、瀬戸内海(岡山、広島、山口、香川、愛媛、兵庫の6県)には、海の駅第1号の「ゆたか海の駅」(広島県呉市豊町=2000年3月設置)をはじめ、3割に当たる44カ所【図表】が集中している。
『広域的な情報やメニュー提案』
「瀬戸内海は波風が穏やかでオフシーズンがなく、一年中、プレジャーボートが楽しめる。景色も美しく、観光地へのアクセスも容易で、魅力ある道の駅が多い」
こう語るのはNPO法人「海の道ネットワーク」の松島至信理事。「ひろしま・かんおん海の駅」で一行と懇談した松島理事は、「しかし、海の駅を知っている人は10%未満だろう。経営が成り立つまでビジターが訪れていないので、スタッフの配置や桟橋の整備ができていないところもある」と現状を伝える。
また、マリーナ(ヨットやクルーザーの停泊所)以外の自治体経営「海の駅」では、係留できる船舶数が平均5隻と少なく、「『5隻以上来たら桟橋に留められない』『予約しても断られる』『漁船があって留められない』などの課題をクリアし、使い勝手を良くするための整備が不可欠だ」と語る。
その上で、「フェリーなど海上航路の廃止で空いている県・市営の桟橋を開放し活用する方法や、漁民が減っている漁港の利用を促進し、漁師の人と協力することも考えてもいいのではないか」と指摘。さらに、「瀬戸内海域全体の情報を発信できるエリアコーディネーターを育てないといけない」と強調した。
『観光資源掘り起こし賑わい創出』
この日、谷合氏ら一行は、利用者の目線で海の駅の運営実態や課題を探るため、小型船舶で広島県内の「ひろしま」「ひろしま・かんおん」「おのみち」「おおさきかみじま」「ゆたか」「かまがり」の各海の駅を訪れ、桟橋の形状や係留可能数、休憩所などの併設施設の整備状況を調査した。
視察を終えた栗原県議は、「湯崎英彦広島県知事が進める『海の道構想』に歩調を合わせながら、『海上から見た瀬戸内海』の魅力を生かす観光振興策を追求していきたい」と話す。これを受けて谷合氏は、「瀬戸内海は、穏やかな気候、美しい自然環境、歴史・文化、豊かな農林水産物など多彩な資源がある。それらを掘り起こし、海域全体をつなげる一体的な振興策を打ち出すことで誘客効果を高め、にぎわいを生み出し、地域の再生、産業・雇用の創出につなげていきたい」と語っていた。
(公明新聞:2011年9月11日付より転載)