○谷合正明君 公明党の谷合です。
私の方から、まず特区の指定のプロセスについて伺います。
先ほど大臣の方から、国際戦略特区は極めて限定的で五つ程度になるのではないかという見通しでございましたが、この国際戦略特区は、新成長戦略では大都市等と想定がされております。この大都市といったとき、どのレベルの都市をイメージしているのか、政令指定都市以上なのかというところがまず一つ。
それから、国際戦略特区の指定について、第八条については指定の流れが書き込まれております。この指定のプロセスの透明性をどのように担保していくのか、これが二つ目でございます。
それから、国際戦略特区と地域活性化特区共に指定に当たって考慮されることは、純粋に経済効果なのか、あるいは地域的な配慮というのがなされていくのか。この三点について、まず大臣に御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(片山善博君) 国際戦略総合特区は、それなりのやはり産業集積でありますとかその他の機能集積があることが想定されると思います、これ一般論でありますけれども。したがって、政令指定都市に限りませんけれども、ある程度の大都市機能を備えたところが通常は想定されると思います。
ただ、これは、必ずしもそこに最初からもう限定して、それ以外は駄目ですよと言うつもりは毛頭ありません。いろんな構想、アイデアが出てくると思いますので、仮に大都市圏以外の区域でありましても、要件に該当して、かつなるほどと思う案件がありましたら、それは指定するにやぶさかではないと考えております。
それから、その指定に当たってどういう手順かということでありますが、これは私は客観性と公正性ということが非常に重要になると思います。透明性の高い中でそれぞれの案件、プロジェクトについて評価を行って、その結果に基づいて選定をするということだろうと思います。しかも、それは役所の独り善がりとか一面的な見方にとらわれてはいけないと思いますので、広く有識者の御意見を賜りながらそれを結果に反映させていくという、そういうプロセスを取りたいと思っております。
それから、指定の判断基準で、純粋に経済効果のみなのかということでありますが、経済効果はもちろん重要でありますけれども、必ずしもそれだけにとらわれない、判断基準の一つではありますけれども、それだけにはとらわれないと思います。
先ほど来議論になっておりますけれども、例えば地域の、何といいましょうか、本気度といいますか熱意といいますか、取り組む姿勢でありますとか、それから、それぞれの地域が抱えております課題に対する、取り組むその有効性でありますとか、それから、そのプロジェクトが持っております先駆性でありますとか実現可能性でありますとか熟度でありますとか、そんなものを総合的にかつ客観的透明性の高い中で判断をしていくということになろうかと思います。
○谷合正明君 正式な提案がなされてから、客観性と公平性であるとか透明性だとか、様々な指標で選定されていくことだと思いますが、一つ地域活性化の方の話で特に私が思いますのは、これまで様々な地域活性化の取組はされていると思いますが、成功しているかどうか、その成功も一時的なものじゃなくて長期的にわたって成功しているかどうか、やはりそこはその中心者たるべき人物の存在というのが大きいなと。経験や熱意とか専門性であるとか、そういう中心者が必ずその場所にはいるというふうに私は思っております。
たとえいわゆる専門家であっても、単にほかの成功例を当てはめようとして失敗することは多々あるんじゃないかと思っておるわけでありまして、私は、地域活性化の人材の育成であるとか確保であるとか、そうしたことを政府としても支援していくべきではないかなと思っておるんですが、この点についてと、もう一つ、そうした人物がいる、そういう提案に対してしっかり評価をしていくべきではないかと思っておりますが、この二点について答弁を願います。
○副大臣(平野達男君) これから総合特区を指定していくわけでありますけれども、多分たくさんの地域から応募があると思います。
その指定に際しましては、先ほど総務大臣から御答弁がございましたけれども、有効性、先駆性、熟度、あるいは実現可能性、あるいは地域全体の熱意、こういったものを総合的に勘案してその地区を指定していくということでございまして、そういった計画を作るときに、恐らくは、その中にキーパーソンとなる方あるいは地域を引っ張る方、多分そういった方がいる地域ほどそういった具体的な計画が出てくるということだろうと思います。
ですから、その中でのキーパーソンになる、あるいはリーダー的な存在になる方のいるということは、私どもも非常に重要な要素だと思っていますが、計画全体の中にそれが色濃く反映されてくるということで、その計画を選定する段階で、その選ばれた地区がそういったことも内包されているというような位置付けで選定をしていきたいという、そういう考え方だということであります。
○谷合正明君 今の質問に関連しまして、今回の法案は総合特区でございますが、復興特区の方に対して私たち公明党は、人間の復興ビジョンということで、次のことを提案させていただいております。それは、街づくり等について専門的な助言を行う人材を国がプールして、復興支援アドバイザー、仮称でございますが、として被災した県の要請に基づき派遣する体制を構築するといったことを提言させていただいておりますが、この点について御答弁願いたいと思います。
○政府参考人(荻野徹君) 現在、政府の復興構想会議におきまして、いろいろ復興の青写真作りということで御議論をいただいておりますが、その中でも復興事業の担い手につきましては大変な重要なテーマとして議論をされております。
具体的には、地域住民のニーズをくみ上げる仕組みが不可欠であるとか、その際、地域のニーズに応じて住民を支援する専門家を円滑にマッチングさせる仕組みが必要であるとか、あるいは大学研究者や専門家、コンサルタント等の民間実務者など、多様な人材を活用することが考えられるのではないか等々の御議論がなされているところでございます。
現在、構想会議では提言の取りまとめをしている段階でございますが、政府としましては、今月末にも出されます提言を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○谷合正明君 総合特区の話でございますが、今の話は復興特区の話でありますけれども、総合特区の方におきましてもこうした人材の育成確保、この点についてはしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。
次の質問は、PDCAサイクルについて伺います。
実施された総合特区の評価をどのように行っていくのかと。十五条、三十八条の報告の徴収、また十六条、三十九条の措置要求、これは構造特区と同様の規定をここに書いているわけでございますけれども、これだけでPDCAサイクルは適切に回るのかと。構造特区のときは、かつて株式会社立の大学の問題が起きたときに、PDCAサイクルが適切に回らなかったんだ、そういった指摘もございました。
今回、構造特区と同様の法文で書いているわけですけれども、これから、例えば国と地方との協議会にどの程度のPDCAサイクルを行わせるのか。また、評価結果を協議会ごとに定期的に公表するべきであると考えておるんですけれども、この辺りを含めて、このサイクルの在り方について大臣の答弁を願います。
○国務大臣(片山善博君) PDCAのような評価システムで、その評価を次の段階に生かしていくということは非常に重要なことだと思います。とかく、今までの国の施策で、地域指定をして何らかの特典を付与して、それに基づいて地域でやってもらうという場合に、指定倒れといいますか、認定倒れが多かったことは事実であります。そうあってはいけませんので、この度のこの総合特区についてはきちっとした評価システムをやはりビルトインしておくことが必要だろうと思います。
元々が、その指定というのが、非常に我が国の経済に寄与するとか、寄与することが見込まれるとか、それから地域の課題を解決するということが要件でありますので、そういうことをちゃんとこのプロセスにおいて実現しつつあるかどうかということを把握することは重要だと思います。
御指摘になりましたような国と地方との協議の場というのが地区ごとに、地域ごとにできますので、その中でちゃんと随時評価をして、それを次のステップに生かしていくという、こういうことをもう埋め込もうと思っております。その段階ごとに、要所要所では、その内容、概要というものを世間に広く公表するということも、これもやりたいと思います。
○谷合正明君 評価システムの具体的な話でございますけれども、総合特区通訳案内士制度、先ほども質問にありましたけれども、これは通訳案内士、それから地域限定通訳案内士と並んで三つ目の制度ができてくるわけでありますが、この制度を導入したときに、果たして訪日外国人のニーズをどの程度満足させたのかとか、あるいは結果的に外国人旅行者の増加につながっているのかどうか、それから、先ほど有田委員の方からも御指摘ありましたが、総合特区通訳案内士自体の実力の到達度はどうなっているのか、この辺りの評価をしっかりしていかなければならないと思うんですが、現在どのような評価、検証を考えているのか、御答弁願います。
○政府参考人(武藤浩君) お答えをいたします。
特区ガイドにつきましては、委員御指摘のように、養成方法が違いますので、そこはしっかりフォローアップをしていく必要があるというふうに考えております。
具体的には、特区ガイドのサービスを受けた訪日外国人に対して例えばアンケート調査を行って、説明内容がどうだったのか、満足度がどうだったのか、そういったことも調査をしようと思っております。また、特区ガイドのサービスの付いたツアーの造成状況、そういうものが訪日外国人の増加につながるものと考えておりますが、そういったことについても調査を行って、積極的に検証を行っていきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 将来的に通訳案内士制度というものを観光庁としてはどのようにしていきたいと考えているのか。今回は地域を限ったということで総合特区に盛り込んでいるわけでありますが、そもそも全国的な制度の在り方についてしっかりとした議論がなされているのか、見通しがあるのか、この点について御答弁をお願いします。
○政府参考人(武藤浩君) まず、試験に通って資格を得る通訳案内士、これは全国一律の既存の通訳案内士とそれから地域限定の通訳案内士がいるわけでございますが、それに加えて、今回、特区のガイド、研修によって資格の付与される特区ガイドがあるわけでございます。これらは車の両輪として、いろんな訪日外国人のニーズに対応していただくような運用を期待をしているというところでございます。
この全国一律の既存の通訳案内士につきましては、非常に重要な機能を引き続き持っていただきたいと思っております。例えば、試験では、地理ですとか歴史ですとか、そういったことの知識を問うているわけでございますが、最近日本に来られる外国人の方々は、こういった日本の地理、文化だけではなくて、例えば食ですとかアニメですとかファッションですとか、そういったことにも非常に強い関心を持っていただいております。こういった方々に対して、日本のポップカルチャーについてですとかあるいは食ですとか、そういうことについての研修を観光庁でもしっかり行って、いろいろなニーズに対応できる通訳案内士として活躍をしていただきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 最後に一つ質問します、どぶろく特区について。
今回、構造特区でこれまでの成功例とされているどぶろく特区を総合特区、構造改革特区だけじゃなくて総合特区にも盛り込むと。ところが、全国で百十六件特区が通っておりますので、もうどぶろく特区であること自体のベネフィットが薄らいできているんじゃないかということを思っているんですが、ここで改めて、この総合特区の中に入れ込んだ理由というのは何なんでしょうか。取りあえず入れたという意味なんでしょうか。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 実は、今回のこの法案提出をするに当たって、昨年、全国から様々な御提案を募集いたしました。その中に、いろんな提案があったわけですが、このどぶろく特区について、明示的にどぶろく特区というふうに指定をした提案は数は多くはなかったとは思うんですが、提案全体を見てみますと、多分地域活性化のためにどぶろく特区のようなものも活用しながらやるだろうなというようなものが想定されましたので、この際、総合特区の趣旨に合うということであればパッケージとして支援をしようということでどぶろく特区を入れさせていただいたところであります。
現在、このどぶろく特区について、更にまた進化させて今回提案するべきではないかといった御意見もあるようにも聞いておりますが、それは今後設立されます国と地方の協議会の場などにおいて検討していただいて、新たな提案があれば、またそれを考えていきたいというふうに思います。
○谷合正明君 以上で質問を終わります。