○谷合正明君 公明党の谷合です。
菅総理、震災から三か月を経過しようとしております。昨日時点で、亡くなられた方一万五千三百二十七人と、行方不明の方八千三百四十三人、避難者九万九千五百九十二人。
あの日以来今日まで、被災者の皆様の懸命な支え合い、自衛隊、警察、消防、海上保安庁、自治体職員、各関係の皆様、世界各国からの応援、ボランティアの方々の懸命な救援、復旧作業によって、震災直後のあの暗やみからは辛うじて脱したかに見えます。しかし、総理、いまだに東日本の数百キロの海岸線には爆撃の後のような惨状の瓦れきの荒野が延々と続いております。
〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
幾千幾万の方々が今も避難所暮らしを余儀なくされております。毎日お弁当の配給を受け、水道もなく、洗濯をするのに往復四時間を掛けて何千円ものお金が掛かるという方がたくさんいらっしゃる。仮設住宅を待っている。生活資金が届かない。仕事を失った。家族や友達とも離れ離れになった。将来設計が立たない。高温多湿の梅雨が始まっているのに、福島県の子供たちは長袖を着て、教室の窓も開けられない。窓を閉め切った廊下で中高生が部活をやっている。
何もかもがほとんどと言っていいほど前に進んでいない。希望が見えない。個人の力はもちろん、市町村でも県でも手の付けられないことが山のようにある。国が大胆に動かなければ誰も何も動かないことが、何もできないことが文字どおり山積しているのに、この三か月間、菅内閣の動きは余りにも鈍過ぎた。被災地、被災者の方々の苦悩への想像力が恐ろしいほどに欠落している。
公明党は、三月の時点で、復興担当大臣の任命と復興庁の創設を政府に提言、提案してまいりました。二次補正予算も早急に編成すべしと訴えてきました。しかし、総理は一貫して前向きな対応を示してこなかった。それが、一昨日の党首討論で厳しく追及されると、突然、大震災のときだから通年国会をと言い出した。不信任決議が提出され、党内から不信任に動く議員が増えていると見るや、不信任が可決されたら解散だとほのめかす。誠に思い付き、場当たり的、自分の延命のことしか考えていない。
昨日、テレビで被災地の方が、被災地では瓦れきが、その撤去が一向も進まないのに、何も事が動かない、永田町でどたばたやっている場合かと怒っておられた。しかし、三か月もたとうというのに被災地で何もかもが遅々として進まない最大の原因こそ、菅総理、あなたの致命的なまでのリーダーとしての能力の欠如と不誠実極まる言動なのではありませんか。
だから、私たち公明党は、もはや復興の最大の足かせとなっている、内外からそうやゆされているあなたに退陣を要求したのです。そして、今日、この国会の議論を聞いて確信をいたしました。あなたはリーダーを続けてはいけない、辞めてもらわなければならない。
鳩山さんと何やら話し合った後の民主党代議士会では、菅総理は、一定のめどが付いた段階で若い世代に責任を引き継いでいきたいと言った。鳩山さんは記者団に対し、菅総理が辞める時期を、復興基本法案が成立し、第二次補正予算案の早期編成のめどを付けた六月と発言し、総理と確認した確認事項だと発言している。しかし、不信任決議が否決されて首の皮がつながる。会談に同席した岡田幹事長辺りがそんな条件などないと言っていた。鳩山さんは怒って、人間はうそをついてはいけないと色をなして反論している。
一年前、総理にあなたが就任したときに、四百十二人内閣だと言っていた。それが今回、鳩山前総理をだまして不信任決議を否決するために利用した、そう言われても仕方ない。曖昧な合意を自らの保身のために有利に運ぼうとしている、むしろ続投に意欲を示している、仲間まで裏切っている、本当にひきょうだと思います。こそくな策略で信用を失っている。ますます野党だけでなく与党からも信用を失い、国民からも信頼を失っていることに、総理、あなたは気付かないのですか。
○理事(森ゆうこ君) 質問ですか。
○谷合正明君 総理、あなたは国民から信頼を失っていることに、それに気付かないんですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、私は、三月十一日、この大震災発災以来、この復旧復興、そして原発事故の収束に向けて内閣を挙げて全力で取り組み、ある意味、与野党を超えていろいろ御協力をいただいてきたと思います。
そういう中で、まだまだ不十分な点多々あることは多く私の責任もあると思っております。しかし、それぞれの立場で全力で取り組んでいただいている中で、まだまだ遅い点はありますけれども、復旧からいよいよ復興に向かって動き出しておりますし、また原発事故は、残念ながら収束といった状況にはなっておりませんけれども、冷却を進めて何とか最終的な冷温停止の状態に持っていくべく全力を挙げているところであります。
何か私と鳩山前総理との話についていろいろと御指摘がありますけれども、昨日、鳩山前総理がおいでになりまして、そして、前平野官房長官と岡田幹事長も同席の下で、合意といいましょうか、確認書を作ってこられたものを提示をいただきまして、私も同感でありました。つまりは、民主党を壊さない、そして自民党政権に戻さない、そして大震災の復興並びに被災者の救済に責任を持つ、この三項目の下で、その三項目めに具体的に、東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案、復興基本法の成立、第二に第二次補正予算の早期成立のめどを付けること、まさにこれらのことが是非やらなければならないことでありますので、この確認に私も合意をいたしました。
そして、私自身は代議士会の場で、私自身の言葉で私の今後の身の処し方についても触れて申し上げたところであります。この場で繰り返して読んでも結構でありますけれども、一定の役割が果たせた段階で若い世代の皆さんにいろいろな責任を引き継いでいきたいという旨のことを申し上げたわけでありまして、決して私はどなたも、何かだましたり裏切ったりしたという思いは全くありません。
○谷合正明君 総理、責任を引き継ぐということは総理が昨日公の場で発言された。その責任を引き継ぐというのはどういうことですか。今私たちは困惑しております。それは辞任をするということでしょう。そうじゃないんですか。
総理、国民に、今、中継を見ておられます。あなたの言われていることが分からないからこうして国会でも混乱になっているわけじゃないですか。責任を引き継ぐというのは、あなたは退陣するということですか。そのことを明確に言ってください。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私はそれほど特別な言葉を使っているつもりはありません。
今も申し上げましたように、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で若い世代の皆さんにいろいろな責任を引き継いでいただきたいと。この大震災、原発事故に対して一定のめどが付くまでは是非とも私にその責任を果たさせていただきたいということも併せて代議士会で同じときに申し上げたところであります。先ほど副大臣、政務官の方もおいでになりましたけれども、まさにこの言葉のとおりでありまして、それをそれぞれの中で受け止めていただいていると。私は、この言葉を何か撤回するとかそういうことを申し上げているつもりは全くありません。
○谷合正明君 撤回するとかしないとかいうことじゃなくて、その言葉の意味がどういうものなのか。辞任するのか否か。マスコミでは退陣という報道になった。では、マスコミは、これは誤報だということですか。
○理事(森ゆうこ君) 菅内閣総理大臣、質問に的確にお答えください。
○内閣総理大臣(菅直人君) 谷合議員もマスコミの報道のことはよく御承知でしょうけれども、自分の言葉で言ったことがそのまま書かれるものと、自分で言った言葉をそれぞれが解釈をしてそれぞれ書かれるものとあるわけでありまして、私は私が述べた言葉には責任を持ちます。しかし、マスコミがどう書いているかということについて責任を持つことはできません。
○谷合正明君 誤報かどうか答えてください。
○内閣総理大臣(菅直人君) 同じ答えで恐縮ですが、私は、マスコミが報道していることについて、それをどうこうと言うつもりはありません。
○谷合正明君 私はテレビ中継を見ておりました。そのときに感じたのは、退陣するんだと、近いうちに退陣するんだと、そういう決断をされたんだと受け止めた。みんなそう思っているじゃないですか。テレビを見ている国民の皆さんもそう思っているんだ。国民を惑わすのはいいかげんにしてくださいよ。惑わしてないって言った。どうするんですか。
若い世代に責任を引き継ぐと言った。どういうことなんですか、それは。ある一定のめどが付いたら若い世代に責任を引き継ぐ、これを素直に読み取れば、聞けば、それはあなたが退陣するということでしょう。それ以外の解釈以外、何が存在するんですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私が申し上げた言葉を素直に理解していただいて、谷合さんがそういうふうに理解されるのは、当然、自然でありますから。
ただ、私が申し上げた言葉はこういう申し上げ方でありまして、一定のめどが付いたら、ある意味、若い方に責任を継いでいきたい、まさにそのことを申し上げたわけですから、それそのものを素直にまさに御理解をいただければ結構ですし、先ほどの副大臣の皆さんも、そのことを素直に理解をしていただいて行動されたと御本人が言われておりました。
○谷合正明君 一定のめどというのは、私は、補正予算の編成のめど、復興基本法の成立、こう理解しました。そうですね。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私が申し上げた言葉は、本当にここに別に隠しているわけじゃないわけでして、この大震災への取組が一定のめどが付いた段階でと、この震災の取組が一定のめどが付いた段階でということを申し上げ、また、この大震災、原発事故に対して一定のめどが付くまでは是非ともその責任を果たさせていただきたいと、そういうふうに申し上げているわけで、私が申し上げた言葉はそんなに分かりにくい言葉ではありません。そのまま素直に御理解をいただければ結構です。
〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
○谷合正明君 私が何かまるで素直でないようなことを言われますね。
松本大臣、菅総理の昨日の会見を、会見というか代議士会の中の発言を聞いて、素直にどう感じ取られたんですか。退陣の時期についてはどう感じ取られたんですか。
○国務大臣(松本龍君) 総理が今お答えになったとおりだというふうに思っています。
○谷合正明君 いやいや、総理が言ったとおりじゃなくて、総理は何も言っていないんです。一定のめどが付いた。
あなたは、大臣は今日記者会見でこう言っていますよね、基本法案、特例公債、二次補正辺りがめどでしょうねと。大臣がそう言われていますね。これが素直な私は解釈だと思います。大臣、どうなんですか。
○国務大臣(松本龍君) 復旧復興をめどに、二次補正をめどにということであれば、私は何よりもスピード感が大事だというふうに思っています。そういう意味では、なるたけ早い時期に復旧復興のめどを立てて二次補正のめどを立てるということでいえば、私は今日は、六月あるいは七月という話はいたしました。
○谷合正明君 重ねて聞きますが、その総理の会見は退陣と受け止めたんですか。大臣。
○国務大臣(松本龍君) 退陣の表明だと受け取りました。
○谷合正明君 総理、閣僚の中で、そう素直に、素直な理解だと思います。
どうなんですか。あなた、総理が一人だけが、辞任を表明していない、退陣を表明していないと言っている。これ、どうなっているんですか。この閣内の中でどういう理解、整合性になっているんですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 何回も申し上げますけれども、私は公の席で申し上げたわけでありまして、それをそれぞれ素直に理解をいただければいいので、決して私はそのことを何か理解が間違っているなんということを言ってはおりません。
ただ、その表現の仕方として、今申し上げましたように、私はその後で、逆に言えば、この大震災、原発事故に対して一定のめどが付くまでは是非とも私に責任を果たさせていただきたいと、このことも併せてこの文書に引き続いて申し上げました。やはりその責任を果たすために、そういう意味で不信任案を否決をしていただいたと、このように理解をいたしております。
○谷合正明君 総理、被災地に行けますか、今。行けるんですか。被災地に行って、被災者の皆様に避難所の中で、私の、総理のですね、責任を引き継ぐ、これは退陣表明ではないと、そんなことを言えるんですか。被災地に行けるんですか、まず。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、この大震災にめどを付けることが大変重要だと思っております。ですから、一日も早くめどを付けたいと。
実は原発のことも記者が聞かれたので、退避まで見届けられるんですかと聞かれたので、失礼、退避ではなくて、退避された方が戻るところまで見届けられるのかという質問をいただいたので、ステップツーの終了の冷温停止というのは、その中から更にモニタリングとか除染とかをして最終的に退避が決まる決まらないということになりますので、私としてはその原子力事故については、そういう御質問に対して、ステップツーの終了の時点のことをイメージしているということは申し上げました。
いずれにしても、一日も早くめどを付けたいと、そういう思いでありますから、もちろん被災地に行ってそういう皆さんの思いを全力をもってやるということを言うことは、当然これからも出かけていろんな話を聞きたいと、こう思っております。
○谷合正明君 ますます国民は、あなた、もう信用しておりません。
確認事項、三項目の確認事項があったという。第一番目が民主党を壊さないこと、二番目が自民党政権に逆戻りさせないこと、そしてやっと三番目に復興と被災者の救済に責任を持つこと。党利と党略が一番と二番で、今政治が最も手を尽くさなければならない被災者の救済、被災地の復興が文字どおり二の次に来ております。政府が復興と救済に責任を持つことは当たり前です。よほど菅内閣がふがいなく思われて、それすら紙に書いて約束させられたということなんですかね。
一旦辞任を表明した菅総理に、復旧復興にその責任を持つこと、そんなことができるわけがないじゃないですか。レームダック状態の総理にこれからの内政、外交を任せるわけにはいかない。一刻も早く辞めるべきです。
○委員長(前田武志君) 質問は。
○谷合正明君 総理、一刻も早く辞めるべきです。
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほども申し上げましたように、私は、一定の役割が果たせた段階で若い世代に責任を引き継ぐということと、それに併せて、大震災、原発事故に対して一定のめどが付くまでは是非とも私にその責任を果たさせていただきたいということを申し上げました。私は、その気持ちは、不信任案が否決されることによって私を信任をいただければ、その信任に基づいてこの復旧復興を一定のめどが付くまで全力を挙げてやっていくと、そういう信任をいただけるということでお願いをした次第であります。
○谷合正明君 話をすり替えているんですよ。
総理、あなたは、原発の冷温停止めどまで辞めないと言っております。しかし、その原発事故について政府の対応、信用できないとの声がますます高まっている。世論調査によると、原発事故の状況等に関する政府の発表が信頼できないとする回答が八割にも達しております。かくも国民の信頼を失わせた現内閣の責任は極めて重い。その大きな原因、菅総理の発言に。
これまでの国会審議で明らかになってきているように、情報開示、適切になされていないということがある。特に海水注入の時間に関する情報が二転三転したことは、国民に大きな疑念を生じさせた。緊急事態とはいえ、総理以下が協議を行っている場の明確な記録がなく、言った言わないの責任の押し付け合いが生じたのは極めて問題です。正確な情報を国民に開示していく、このことについての責任を総理はどう認識しているんですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) いろいろな問題において、確かに、結果として東電あるいは政府の公表したものが後に訂正されるなど、そういった面があったことは大変遺憾に思っております。私も本部長としてそうした責任を感じております。もっとしっかりと把握をして、そういったことがないよう、迅速かつ的確かつ全面的に情報が開示されるよう一層努力をしてまいりたいと思っております。
○谷合正明君 もう本当に心がこもっていない答弁。責任を少なくとも感じていれば、昨日のようなどたばた劇はなかったはずであります。責任を取ろうとしない、そのことこそがあなたの最大の問題ではないですか。
今日は本当に、私は五十分の時間をいただいて、本来であれば被災者の生活支援、雇用とか、もっと時間を使わせていただいてやり取りさせていただくのが、これが正しいと思っておりますが、しかし今日、この国会の総理の発言を聞いていると、もう本当に情けなくなってくる。これ以上あなたと国会審議をやり取りしても本当に無駄だと。辞任を表明している総理に対して国会審議なんてばかばかしいじゃないですか、あなたは辞任を表明していないと言うかもしれないけれども。そういう総理は、私は本当に、先ほども自民党の山本議員からありましたが、私は若い世代の議員としてあなたを信用できない。このことを深く感じてもらいたい。
総理、いまだに被災者の皆様に十分な生活資金が手元に届かない、そういう現状がございます。この問題については再三国会でも取り上げてまいりました。復興のステージどころか、まず今日の生活がどうなるか、これが本当に極めて、この三か月たった今でも被災地の現状ではそうなっていると。
まずお伺いしますが、全国からたくさんの真心で総額二千億円を超える義援金が集まっております。ところが、この一次配分金、例えば東北三県で配付対象の百八十五の市町村のうちで一体どれだけの市町村で被災者の手元にこの義援金が届いているんですか。一刻も早く届けていただきたい。義援金は国の制度ではないからと、百も承知でございます。しかし、今、一大事でございます。
厚労大臣、指導力を発揮してこの義援金の早期支給、いつまでに被災者の皆様の手元に届けると、そのことをしっかり明確におっしゃっていただきたい。
○国務大臣(細川律夫君) 谷合委員おっしゃるとおり、義援金がなかなか被災者の元に届いていないということにつきましては、私も本当にいら立っております。
今、この点につきましては御承知のように大変遅れておりまして、これについては先日も赤十字の副社長来ていただきまして早急に二次の義援金を配付をするようにということもお伝えを申し上げました。来週の月曜日、六月の六日に配分委員会をするということで、そのとき二次配分もされるということも聞いております。
大変私もこの遅れについては、被災者の皆さん、そしてまた義援金を提供された国民の皆さん、その気持ちがまだまだ実現していないということで大変残念に思っておりますが、私はしっかりこれは早く進めていくように督励もしてやっていきたいと。
先日、なぜ遅れているかということで、総務省と厚労省の職員を現地に派遣をいたしましてその原因についても調べてまいりました。そういう意味で、三つぐらいいろいろと理由がございました。被災地が大変な被害を受けて行政機能がもう麻痺をするような状況の中での支援金の仕事というのも遅れているということもありましたので、これも総務省と相談をいたしまして職員の派遣とかそういうことも進めていくということで、今取組を始めているところでございます。
○谷合正明君 原因については、それは初めからそのことは指摘されていたんです。その対策が遅いと言っているんです。先日職員を派遣して調査をしたと言われますが、その結果は前々から指摘されていることじゃないですか、国会で。市町村の職員の応援体制、どうなっているんですか、一体。
来週、二次の配分ということでありますが、私が言っているのは一次の配分がまだ手元に届いていないという問題です。どうするんですかと。被災地域、この配付対象の百八十五市町村のうち一体今どれくらいの市町村に、被災者の手元に届いているんですか。答えてください。
○国務大臣(細川律夫君) まず金額から申し上げたいと思いますが、被災都道府県の送金額は八百二十三億円、そのうち市町村への送金額が七百九億円、被災された方々への配付が二百八十七億円でございます。
そこで、細かい具体的な市町村については、対象の市町村数が百九十市町村でありまして、配付受付申請開始件数が百六十六市町村、八二%までは開始をいたしておるところでありまして、申し上げましたように、被災された方々へは二百八十七億円が届いているという状況でございます。
○谷合正明君 要するに、その義援金が一体被災者の方にどれだけ届いているのかということは、それは日々把握していただきたい。その金額がどれだけ県や市町村に行っているとかいう話じゃなくて、被災者一人一人にどれくらい行っているかということが大事なんじゃないですか。そういう視点がないと、私は、この生活支援の義援金であるとか被災者生活再建支援法の基礎支援金の問題というのはクリアできないと思います。行政の目線でこの金額がどれだけ行ったか行かないか、そんな話じゃないんですよ。一人一人にどれだけ行き渡っているかと、そこが一番の問題ではないですか。その欠落が一番の今のこの政権の問題ではないですか。
義援金などの生活再建支援の早期支給のために、私たち公明党は、兵庫県の西宮市が阪神・淡路大震災のときに開発した被災者情報支援システム、これは極めて優れている、極めて効果的だということが実証されている。そこで、国会でも幾度となく取り上げてまいりました。震災後、私が調べている限り、少なくとも東北三県で七つの自治体が導入し、義援金のスムーズな支給に役立っております。
市町村の職員の応援体制のみならず、こうした支援システムを被災自治体に導入していただくことで、今からでも遅くないわけであります、このことをしっかりと導入の推進を図っていただきたい。総務大臣、いかがですか。
○国務大臣(片山善博君) 御指摘の西宮市が開発をしました情報システムは非常に私も有効だと思います。もうかねて被災地のみならず全国にこのシステムの導入をお勧めするということもやっております。それから、被災地でいろんな施策の説明会をするときに、こういうシステムがありますからということを説明もしたりしております。
今、おっしゃいましたけれども、被災自治体で被災後に、例えば宮古市でありますとか、それから石巻市でありますとか、それから山元町でありますとか、そういうところはこのシステムを導入して義援金の配分にも役立てているということを伺っております。
○谷合正明君 その状況はいいんです。いかに導入推進していくかということなんです。そういう答弁は前からいただいているわけです。いかにこれから推進していくか、まだまだその利用が増えていないというのは大臣自身も認めておられるわけです、以前からの国会答弁で。だからこそ推進していただきたいということを私は申し上げているわけであります。
今、自治体では専用サーバーが必要だとか、新たにSEを雇わなきゃいけないとか、そういう不安でこの被災者支援システムが導入がなかなか進まないと言われている。しかし、それは事実でないんです。こうしたこともしっかりと把握しておりますか。把握した上で導入推進をしていただきたい。もう一度答えてください。
○国務大臣(片山善博君) さっき申しましたように、このシステムの紹介とか、まあ慫慂というと失礼ですけれども、お勧めとか、それから現地での説明会とかやっておりますので、さらにこれを今後お勧めをするようにしたいと思います。
○谷合正明君 総理、東日本大震災で家が全壊あるいは大規模半壊しても国からの支援を受けられないという方がいらっしゃる、そういう方がいらっしゃるということは御存じですね。総理。
○国務大臣(松本龍君) 被災者生活再建支援制度のことでしょうか。
○谷合正明君 総理に聞いております。
東日本大震災で家が全壊あるいは大規模半壊しても、国からの支援、被災者生活再建支援法の基礎支援金だとか応急処理の費用であるとか災害救助法に基づく支援であるとか、国からの支援を受けることができない、そういう世帯がいるということを総理は御存じですね。
○内閣総理大臣(菅直人君) 基本的にはこれ、自治体とともに、自治体が、都道府県が相互扶助の観点で基金を出してこの被災者生活再建支援制度ができていて、それに国の方も費用を提供するわけで、私は、今の御質問、一般的に言えば、条件を満たす方には全て支援金が支給されるものと、そう理解しております。
○谷合正明君 その条件が満たせない方がいらっしゃって、そういうことを総理は知っているのかと私は問いたかったわけであります。
日ごろから、被災者の方がどれだけ困っているのか、被災者と一口に言っても、義援金を受けることのできない被災者もいます。自主避難の方は、例えば私が知っているケースでは、仙台から広島に移動した、しかし、自主避難、家が全壊していない自主避難だから実は受入れ自治体でも公営住宅に入れない。様々な問題があるんです。被災者と言っても一口では語れません。
私は、この被災者生活再建支援法の適用地域の要件について質問いたしますが、具体的に埼玉県の久喜市で、久喜市旧栗橋町で液状化被害が起きたと。現在調査中ですが、家が斜めに傾くなどした大規模半壊・半壊世帯が百二十戸以上あるんじゃないかと言われているんです。しかし、久喜市は災害救助法も被災者生活再建支援法も適用されていない地域なんです。ですから、国からの支援が届いていない地域なんです。
今回の東日本大震災の規模では、久喜市の旧栗橋町では、参考資料で配付させていただいておりますが、二世帯以上の住宅が全壊被害が発生すれば被災者生活再建支援法は適用できるんです。しかし、この久喜市では全壊世帯がない、大規模半壊世帯だけなので、幾ら大規模半壊世帯があっても全壊二世帯ないんで適用されないという事態なんです。
そこで、私は、こうした大規模半壊・半壊世帯を一世帯とカウントするだけじゃなくて、災害救助法と並んで〇・五世帯とカウントすべきではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本龍君) まず冒頭、先ほど、義援金を受け取ることができない被災者がいるとか、全壊になって生活再建支援金が受け取ることができない人がいるという話は、遅い早いの差はあれ、そういうことはありませんから、そういうことは被災者に不安を与えますから言わないでいただきたいと、まず冒頭申し上げたいと思います。
被災者再建支援制度につきましては、御党の赤羽委員始め様々な人たちが努力をして十三年前にこの制度ができました。これは、被災自治体だけで対応できない、あるいは都道府県だけで対応できないということで、一定規模以上の方々が被災をされたときにそれぞれ都道府県の相互扶助でやりましょうということで、それも国が支援をする形でできたことはもう御存じだというふうに思います。
そういう意味では、十世帯以上の全壊被害が発生した災害については本法の支援の対象になりますけれども、今御指摘のとおり、それ以外の災害においてはそれぞれの地方自治体で支援が期待をされています。今、二十五の都道府県、地方自治体が独自の支援制度を設けています。この中には支援法の対象とならない半壊等の世帯に対する独自の支援制度を設けている地方公共団体もありますし、なお支援法が適用されなかった市町村の被災世帯に対しても支援法と同等の独自支援を都道府県が行った場合には、支援金支給額の二分の一が特別交付税として措置をされているところであります。
そういう意味では、法律の組立て方あるいは相互扶助という形でそういう仕組みになっておりますので支援法の対象ではありませんけれども、それぞれの地元の都道府県における取組をこれからまたしていただきたいというふうに思っております。
○谷合正明君 これまでこの法律の政省令の部分は、全壊十世帯という要件から五世帯であるとか二世帯であるとか緩和してきた経緯があるわけですね。そういうことから考えて、私は是非、政省令の部分でできるわけですから、やっていただきたいと。その県、市町村の独自の取組は分かります。国としてこの被災者生活再建支援法の在り方をどうするのかと。担当大臣として、私は今の答弁は非常に残念でございます。
次に、雇用について伺います。
私、福島県の相馬市に行った際にある青年と会いました。震災前まで第一原発で東電の孫請の仕事をしておられた。まだ小さい子供がいるんですが、父子家庭でございました。地震後は原発で働き続けることはできなかったと。今その方は、じゃ失業保険もらっているのかと聞いたら、実は雇用保険にも加入していないところだったと。ですから、今全く手元にお金がないという状況でございました。
そういう意味では、これから被災地、いろんな方々が、いろいろな今置かれた状況がございます。今申し上げた私の相馬市の青年の例もそうでございますし、雇用保険に加入されている方もいらっしゃる、様々な方いらっしゃるかもしれないけれども、今求められていることは、この被災地における被災者のための雇用でございます。その確保、これを、総理大臣、今被災者の約一割しか地元で就職口がないとも言われております。この問題について私は、もっともっと総理がこの雇用に本腰を入れていただきたいと。
この問題について、政府の対策を伺います。
○国務大臣(細川律夫君) 委員が御心配のように、地元の被災者の皆さんが職を失い、そして仕事に就けないと、こういう方がたくさんおられます。私どもとしては、こういう人たちにできるだけ職を用意をするということで、これについては、雇用保険については特例、あるいは雇調金についても特例をいたしまして、柔軟な適用ということで雇用の維持やあるいは生活の支援のためにいろいろとそういうところで努力をさせていただいておるところでございます。
そこで、雇用につきましては、重点分野の雇用創造事業、こういうこともありまして、それは、まずは瓦れきの処理とかあるいは復旧事業のことで被災地の皆さんを雇ったり、あるいは職業訓練をしながら生活費を支給して、そして就職をしていただくという、こういう事業もやっておりまして、是非そういうところを活用していただいて新しい職に就けるように、政府としてもしっかり頑張っていきたいというふうに考えているところでございます。
厚生労働省、政府といたしましても、「日本はひとつ」しごとプロジェクトというのをつくりまして、そこで被災者の皆さん方の雇用をしっかり応援をしていくように頑張っているところでございます。
○谷合正明君 私は、先日、宮城県の被災地域にある大学を訪れました。大学の就職率の実態を聞いて非常にショックを受けました。前年比で大きくこの就職率が落ち込んでおります。
この春卒業した大学の就職率は既に公表されておりますが、大臣御承知のとおり、まだこの東北地方の被災地域のデータというのは入っておりません。恐らくかなり深刻な状況だと思っておりますが、現在のところ文部科学大臣としてどのように認識をされているのか、よろしくお願いします。
○国務大臣(高木義明君) 谷合委員にお答えをいたします。
御指摘のとおり、今年の四月一日の時点で、今春卒業した大学生の就職率は九一・一%、これは前年度比〇・七の減でございます。被災地の厳しい状況がございまして、これは震災対応に妨げにならないようにということで、これは被災地を調査対象外にした暫定値として公表したところでありまして、現在、被災地の各調査対象校に対しまして、六月下旬を公表のめどとして調査をお願いをしておるところであります。
○谷合正明君 その際、是非気を配っていただきたいのは、全卒業生のうちどのくらいの方が就職できたかというそのデータが大事であると、そのことが一番私はこれから求められている数字だと思います。
特に、地元で就職をしたいということを意識する学生が今増えております、被災地域において。これ、本格化する復興事業で行われる公共事業に地元就職を希望する意欲ある学生を優先採用するなど、そうした取組も必要ではないかと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(細川律夫君) 委員御指摘のとおりでありまして、私どもとしましては、当面の復旧事業、これについては地元の建設企業の受注をしっかり確保するように、そういうことでやっております。また、就職が決まらなかった方などたくさんおられますから、そういう既卒三年以内の既卒者の皆さんについては、これは就職をしていただいた企業に対して、正式採用のときには支援金、この場合は一人百二十万円という、そういう資金の援助もしながら、地元の企業の皆さんに是非地元の学生を採用していただくような、そういう方策も取りましてやっておるところでございます。
○谷合正明君 最後に。
終わりますが、菅総理、あなたはいち早く辞任すべきであるということを申し上げて、私の質問を終わります。