○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
先般、政府は新卒、既卒者雇用への緊急支援を取りまとめられました。まず、この雇用について、新卒者等の雇用から伺いたいと思います。
来年春、二〇一一年卒業予定の大学新卒の求人倍率ですけれども、今見込みとしまして大企業は〇・四七倍、そして三百人未満の企業は四・四一倍と、これはリクルートワークスの調べでありますが、こういう開きがあります。ということは、やはりこの新卒者雇用に関する対策におきましては、採用意欲のある中小企業と、また大企業志向中心の学生ですね、これをいかにマッチングさせるかということが対策のかなめになると私は思っておりまして、昨年の予算委員会からこうしたマッチング機能の強化については質問させていただきました。
そこで、一つの対策としてドリームマッチプロジェクトというのがあるんですね。
先日、私は公明党の山口代表とともに、東京ビッグサイトで行われましたこのドリームマッチプロジェクトを見学いたしました。これは、細かく言いませんけれども、来年春卒業予定の学生と、またこの春卒業して就職できなかった学生も対象にした中小企業とのマッチングの説明会であり、また選考会でもあるわけですね。これを私、実際見てまいりまして、学生また中小企業双方から大変好感触を得てまいりまして、そこで、まずこのプロジェクトを所管する経済産業省としてのただいまのところの評価についてどう認識されているのか伺いたいと思います。
○大臣政務官(高橋千秋君) 先日、菅総理の方で特命チームというのが作られまして、私もそのメンバーですので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
ドリームマッチプロジェクト、英語で言うと格好いいんですが、日本語で言うと中小企業採用力強化事業という形でございまして、これは、先ほど谷合委員から御指摘のとおり、中小企業は採用したいけれどもなかなか来てくれない、大企業については〇・五を割る、そういう求人倍率になっているということで、中小企業の方々が採用しやすいような形でやりたいということで、これについては二十二年度限りの時限措置として緊急に実施をさせていただいております。これについては、インターネット求人サイトを今年の五月から開始をして、これまでに三万人の学生と、企業につきましては千五百社登録して、利用していただいております。
プロジェクトの一環として、谷合委員見に行っていただいたという合同企業説明会、これは全国五か所で実施をいたしまして、八千三百人、約二百二十社の参加を得ております。またこれは今後、あしたとそれから十月の二十三日に、あしたは広島、十月二十三日は大阪でやる予定で、大変当初の予定を上回るペースで集まっております。
ただ、これについては、先ほど申しましたように、二十二年度限りの時限措置ということで、二十三年度の概算要求には盛り込まれておりません。というのは、この求人サイト、民間の企業で同じようなものをこれから始めようとしているところが幾つかございまして、ここがどういう形になってくるのかという様子も見なければなりませんけれども、例えばリクナビだとかエン・ジャパンだとかそういうところがやる予定をしております。
こういうところの様子と、それから今後の求人の状況も見て、必要であればこのことについても緊急措置としてやるべきものではないかなというふうに思っておりますが、当面のところ、概算要求には盛り込まれておりませんが、大変効果的なものだというふうには考えております。
○谷合正明君 その最後の評価をお伺いしましたので、効果的であるという一言を聞きたかったわけでありますが。
今、政務官の方から二十二年度限りの一回で終わる事業であるという説明もありまして、私からすると、この中小企業のマッチングというのが今の対策のかなめと言われている問題ですね、そのためにやっているこの事業が、なぜこれを一回で終えるのかというところに本当に疑問を持っているわけですね。それは、確かに予算は自公政権のときに作った補正予算の基金から捻出していて、それで一回限りということでありますけれども、ただ、それはあくまでも役所の都合であって、今現実に就職活動をしてなかなか内定もらえないという学生には通用しない説明なんですね。私は、今回、八月末に経産省も参加して政務官も参加してまとめられたこの雇用対策の中に、これはもう堂々と盛り込んでいくべきじゃないかなというふうに思っているわけです。
民業圧迫と言われましたけれども、これ、民業がやってなかったんでこういうマッチングがこれまでできてなかったわけですね。大企業はリクナビとかいろんな大手の、大手というか、リクナビとかいろんなサイトがあって、大企業は学生とつながっていると。でも、中小企業はこれまで民業が成り立たなかった世界なんで、だからこそ私は政府がまずは音頭を取ってやるべきじゃないかと。それを一回で終わってしまったら、幾ら民にやってもらうといっても、来年、じゃテークオフして民業がやるかといったら、そんな簡単なものではないと私は思いますけれども、まずこれは続けるべきだと思いますけれども、改めてお伺いいたします。
○大臣政務官(高橋千秋君) 御指摘のとおり、リクナビと大企業とはつながっていたというお話でございますけれども、実は近々やろうとされているものについては、地方の中小企業向けにやろうとされていると。それから、エン・ジャパンについては掲載企業を中小企業のみに限定をしたものにするというようなお話がございます。これは近々やるということでございまして、こういうところの様子も見させていただいた上で判断をさせていただければというふうに思っています。
○谷合正明君 繰り返しますけれども、もう終わりという決断はされていないと。必要に応じて、来年春の方がよっぽど就職率は厳しい状況が想定されていますから、ですから必要に応じてやるという答弁だと理解してよろしいでしょうか。
○大臣政務官(高橋千秋君) これはこのドリームマッチだけじゃなくて、菅総理から指摘のあった中小企業の採用について力を入れるということは変わっておりませんので、ほかの事業も含めた中でこれは考えていかなきゃなりません。
ただ、今こういう状況で、二十三年度の概算要求には入れさせていただいておりませんけれども、様子を見させていただくということになると思います。
○谷合正明君 政務官はこの事業を視察されましたか。
○大臣政務官(高橋千秋君) この合同企業説明会にはまだ行っておりません。まだ、三回開かれておりまして、あしたと十月に行われますので、どこかには見に行きたいとは思いますけれども、実際の合同企業説明会には私は行っておりません。
○谷合正明君 まず、少なくとも今年一回、初めてやっているわけですから、まだまだ実際この参加企業も数少ないと思いますし、より効果的な仕組みを、二回目以降、私はできるんだと思うんですね。さらに、検証もまだ十分できてない状況ですから、それもしっかりしていただきたいと思います。
また、そもそも経済産業省のこういう事業というのが、モデル事業というのが一回で終わる事業が多いですよね。私も何かいろんなことを提言して提案してやってもらうんですけれども、一回で終わっちゃうことが多い、一回、二回。これは経済産業省としては実績は残るんですけれども、先ほど言ったとおり、対象となっている学生とか中小企業の現場からすると、単年度、一回限りで継続性がないねと。そうすると、なかなかこの事業自体が浸透しないですよ。ですから、もう少し事業の継続性ということも考えて経済産業省というのはこれから私は政策を打ち出していくべきじゃないかなと。
何か経済産業省の人というのは、大体、何か遠慮するのか知りませんけれども、民業圧迫だってすぐに言って、という答弁になるんですよね。私はそれはおかしいと思います。その点について、まず冒頭申し上げたいと思います。
時間がありませんので次の質問に行きますが、雇用について、やはり雇用といっても景気回復がなければどうにもこうにもならないと。これは現場の声でありますし、これは当然の話であります。ただし、今御案内のとおり、景気ウオッチャー調査でも非常に厳しい数字が出ておりますし、円高株安の基調が続くと、大企業だけではなくて中小・小規模企業にもその影響のしわ寄せが来ると。そうすると、この産業の空洞化と雇用の空洞化も生まれるということであります。
今政府が取りまとめようとされている政策は、予備費を使う、九千億円使う追加的な経済対策であります。しかし、私は、現下のこの急激な円高株安基調、またデフレの状況からすると、この規模の、九千億の規模の追加経済対策では、この規模では現在の経済状況を回復させるには余りにも力強さに欠けると思っております。
その点について、ちょっと時間がありませんから、まず大臣にお伺いしますけれども、もう公明党としましては、先般既に予算規模四兆円の緊急経済対策を発表いたしました。細かくは申し上げませんが、補正予算の編成含めてそうした規模の追加緊急経済対策を打つべきだと思いますが、大臣の考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(直嶋正行君) 今の経済情勢、なかなか予断許さないというふうに先ほど来申し上げているとおり、同様の認識をしていると思っています。
一方では財政健全化が重要な課題になっているわけでありますが、しかし、現下の厳しい経済情勢に機動的に対応するという意味で、経済対策の基本方針においては、予備費を活用して、即効性があり、需要・雇用創出効果が高い施策に厳選をして実施するということにいたしました。まず、この経済対策を早急に取りまとめまして、即効性のある取組を着実に実施をしてまいりたいというふうに思っています。
また、今後の景気や雇用の動向を踏まえながら、必要な場合には、補正予算の編成を含め機動的、弾力的に対応していきたい、そのように思っております。
○谷合正明君 特に地方経済、中小企業の状況というのは深刻だと思います。政府の方針では、必要なときには補正予算の編成をというふうなことでありまして、今も大臣が答弁されたとおりですけれども、今が私はもう既に必要なときであるという認識なんです。そこが私はちょっと大臣の認識をお伺いしたいんですけれども、今まだ必要なときでないという判断なんでしょうか。
○国務大臣(直嶋正行君) 今申し上げたように、なかなか予断を許せない状況だという認識をいたしております。したがって、まず予備費を使って効果的な即効性のあるものをやりたいということでございます。
補正予算を編成するということになりますと、当然のことながら国会での御審議もお願いをしなければいけませんし、実行に移すまでにやや時間が掛かるというふうに思っていまして、まず、今予備費で取りまとめた経済対策を早く実行に移し、その上で状況を見ながら考えたいということでございます。
○谷合正明君 とにかく中小企業、地方経済の状況を考えると待ったなしの課題でありまして、いろんな声がたくさんありまして、とにかくもう経済対策を早急にやってもらいたいという声ですよね、これにやっぱり真剣におこたえしていただかないと、それを経済産業省の方が中心に引っ張っていただかないと私はいけないと思います。
そこで、今中小企業の話でありますけれども、ニューマネーというよりは、むしろ、例えば借りたお金の条件変更の方に今ニーズが結構あったりしますね。そこで、今、大塚副大臣にお越しいただいておりますけれども、中小企業金融円滑化法、これが来年三月で時限措置切れますけれども、私はこの法律、延長を考えてしかるべきだと思っておるんですが、現在のお考えをお伺いしたいと思います。
○副大臣(大塚耕平君) この法律は、施行の当初から二年間で大丈夫かというようなお声もありましたので、当初より、来年度末が近づいた段階で状況を見極めてどうするかということは判断させていただきたいというふうに申し上げておりますので、現状でもその方針は変わっておりません。
○谷合正明君 とにかくこの中小企業の金融円滑化法の貸付条件の変更ですね、これのニーズにしっかりこたえていただきたい。緊急保証制度も来年三月末で切れますから、これはいったん全部切れてしまうという、金融円滑化法も含めて。これは私はなかなか今の経済状況からすると厳しい状況だと思っておりますから、ここは私は延長していただきたいということを申し上げたいと思います。
時間が参りました。中小企業の金融といっても、経済をしっかり回復していただかなきゃいけないと思っております。債務の返済を先延ばしするだけでは中小企業の抱えている問題は解決しませんので、日本経済の成長力を強化、また企業の収益力を高めるためにも、成長戦略を含めて緊急経済対策を早急に打つべきだということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。