今日は、核のない世界へ向けての取り組みをお話します。
米ニューヨークの国連本部で5月3日から開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は28日、核廃絶への64項目の行動計画を盛り込んだ最終文書を全会一致で採択し、閉幕しました。
紛糾の果てに決裂した前回会議(2005年)の失敗を繰り返すことなく最終文書の採択にこぎつけたことを、まず評価したいと思います。
核廃絶に向けた具体的なスケジュールを示す行程表が盛り込まれなかったことなど、決して満足できる結果ではありませんが、核保有国が核弾頭数の削減など核軍縮の成果を、14年に開催されるNPT再検討会議準備会合で報告し、15年の再検討会議でその後の対応を考えることになったことを可としたい。
「核兵器禁止条約」構想が初めて言及され、「核兵器禁止条約の準備も進めるべきだと提言した」(朝日新聞)ことなどは大きな前進だと思います。
実は公明党は国会でも核兵器禁止条約を訴えておりました。私も昨年秋の臨時国会で核廃絶の質問をし、4月には広島・長崎での核廃絶サミットの開催を政府に要請してまいりました。
ただ、核保有国と非保有国の考えの隔たりは大きく、核兵器廃絶への道のりの険しさが改めて浮き彫りになった会議だったと思います。特に、鳩山由紀夫首相や岡田克也外相が会議出席を見送り、唯一の被爆国・日本が、十分にリーダーシップを示せなかったことは残念でなりません。
ともあれ、目標がいかに遠くても、「核兵器のない世界」への機運を高めながら、一歩ずつ、着実に、前進していこうと、決意を新たにしました。
(谷あい正明)