【No.35 2010年6月9日】
《 子宮頸がんから女性の命を守る 》
こんにちは、谷合正明です。
メルマガの返信の中で、がん治療に関するご要望や、検診によって早期発見できたという体験の声を多く頂戴し、一つ一つ勉強させていただいております。
年間1万5千人が罹り、3500人が死亡していると推計されている「子宮頸がん」──。近年、若い女性の罹患が急増し、女性の健康と生活に深刻な影響を与えています。ただ、ほとんどの子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因と解明されていることや、子宮の入り口(頸部)にできるために観察が容易なことなどから、ワクチン接種と定期検診により、「予防できる唯一のがん」とも言われています。
公明党は5月31日、子宮頸がんの確実な予防を図るため、党独自の「子宮頸がん予防法案」を国会に提出しました。具体的には、効果の高い特定年齢(12歳を想定)へのワクチン一斉接種と、30~65歳まで5歳刻みで行う必要な予防検診を、全額国庫補助することを規定しています。
政府・与党は、残り少ない国会会期を、与党の選挙協力を円滑に進めるためだけの法案処理に時間を費やすのではなく、年間約3千人の女性の命を救うための大事な予防法案を速やかに審議し、一刻も早く成立させるべきです。
これは私見ですが、子宮頸がんの検診の在り方について一言。子宮頸がんの検診は、子宮の入り口の粘膜の細胞を採り、がん細胞の有無を調べます(細胞診。HPV検査も細胞からDNAを採取)。この細胞の採取は産婦人科医が行いますが、ほとんどが男性医師です。
未婚の若い世代の女性の皆さんと懇談した折り、こんな声がありました。「妊娠した訳ではない女性が、男性医師による検診を積極的に受診するかどうか。抵抗があるというのが、正直な気持ちではないでしょうか。」
私は、子宮頸がんの検診受診率を引き上げるには、女性医師による検診体制の充実が不可欠だと思っています。また、ハードルは高いですが、欧米のように、資格を得た看護師や助産師など女性の医療従事者による検診制度の導入など、きめ細かな、女性が受診しやすい検診環境を整えて行く必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
本日付の公明新聞4面にも「子宮頸がんから命を守る」特集が組まれていますのでご参考下さい。
(谷あい正明)