昨日は、岡山県瀬戸内市の告示。午前中、党公認の2候補の応援演説をする。
午後は地元町内のあいさつまわり。息子(3歳)も一緒に行くと訴えるので連れていったところ、次第に見ず知らずの人にあいさつするのを恥ずかしがるようになって、1時間ほどで途中帰宅。でも本人は楽しかったみたい。
最終の新幹線で上京。
今日は日帰りで青森県六ケ所村と東通村を訪れた。この時期、海からの風「やませ」の影響で曇天が続くとのこと。
六ケ所村では核燃料サイクル関連施設、すなわちウラン濃縮工場、再処理工場、低レベル放射性廃棄物埋設センターや高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターを見学した。その他、東北電力の東通原発と、蓄電池を併設している二又風力発電を視察。
現在、原子力発電所は国内に53基運転中で、総発電電力量の約3割をしめる。特性としてCO2を排出しないことや発電コストが安価であることがあげられる。例えば、平均的な火力発電所が原子力発電所に置き換わることで、600万tのCO2の削減が可能である。また、100万kW級の原発1基(約2800億円)に相当する電力を産み出すためには、山手線内側に相当する面積の太陽光発電(3.9兆円)や山手線の3.4倍の面積の風力発電(8700億円)が必要となる。
(ペレットひとつの核燃料で1家庭の8か月分の電力をまかなえる)
原子力ルネッサンスが世界的に起きている理由がそこにある。また燃料のウラン鉱石も、他のエネルギー資源と違い、地政学的に安定している地域に分布している。
しかし、核燃料サイクルは当然相当厳しい安全基準を満たす必要があるし、高レベル放射性廃棄物の処分施設の候補地が決まっていないことなどの課題を抱えている。核燃料サイクルとは、原発(軽水炉)の使用済み燃料を再処理し、取り出したウランとプルトニウムを再利用するものだが、日本は使用済み燃料をこれまでイギリスやフランスの再処理工場に送り、両国からMOX燃料を輸入して利用していた。これからはそれを六ケ所村で行うわけだが、再処理工場で発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分場がないのだ。これは核燃料サイクルをするいずれの国も解決していない問題である。また53基の既存の原発も何十年かすると廃止・解体していかないといけなくなるが、その際大量に発生する低レベル放射性廃棄物をどこに処理するかという問題も残っている。そして何よりも原子力の安全性について国民の理解を得るという地道な努力を必要とする。
(再処理のイメージ。油に溶けやすい性質を利用してウランとプルトニウムを抽出する)
また国際社会の中で、日本が原子力の平和利用をリードしていかなければならないが、そうした外交上のポジションも大事だ。
今回の視察は日本の原子力政策や海外の動向を理解する上で大変に勉強になった。
私はエネルギー安全保障上、日本には核燃料サイクルは必要だと考えるが、野党の社民党などは原子力発電の廃止を訴えている。それでいて石炭火力から排出されるCO2を削減しろと言うのだから、政策の現実性がまったくない。
そんな社民党と連立政権を組むと言っている民主党は、日本のエネルギー安全保障をどう考えているのか明確にしてもらいたい。
そんな視察をしている最中、地元紙の記者から電話があった。小沢民主党代表の辞任についてである。
(谷あい)
六ヶ所村を視察