石井岡山県知事の新春の集いが岡山県北であった。私も参加したのだが、知事は道州制をこれまで積極的に推進してこられた方であるので、私は地域集権型の道州制が実現したら国家議員の数は何人ぐらいが適当かを問うた。知事の答えは、だいたい半分ぐらい。地域集権型道州制が実現すれば、役所も1府5省ぐらいに再編されるとされ、国の仕事は外交、防衛、金融など、国でしかできない仕事に特化される。
現在、日本の国会議員722人。衆議院480名。参議院242名。個人的には、現在の政治システムで、まず議員定数の1割削減ぐらい必要でないかと思う。そして、道州制が実現した暁には、さらに3分の1ぐらい削減して、衆議院300、参議院150人の計450人程度にするのが理想ではないかと思っている。これは党の議論を重ねていない、あくまで私の大雑把な考えだが。
国会議員1人あたりの人口というデータがある。アメリカの場合55.4万人、中国43.9万人、ロシア22.7万人、日本17.6万人、韓国16.2万人、イギリス9.3万人、フランス6.7万人、スウェーデン2.6万人。日本の議員定数をアメリカ並みにすると約230人に減らすことができる一方、イギリス並みにすると約1400人、スウェーデン並みにするとなんと約5000人に増えることになる。
日本の国会議員の数が多いか少ないかというと、各国の比較上はむしろ少ないほうだ。日本より少ないのは、前述のアメリカ、中国、ロシアだけだ。
しかし、国会議員を見る目は厳しい。「数が多すぎる」「しっかり仕事しろ」、「税金の無駄だ」という声は多数ある。現職の国会議員でさえ、ほとんどの議員は数が多いと思っているに違いない。
「太田総理」の番組の収録をしたばかりだが、驚いたことに1年間で1度も委員会で発言していない議員が数十人もいたことを知った。少数政党に属し何度も質問をする機会がある私は、絶句した。質問しない議員はいらない。数合わせの議員はいらない。
99年の自自公連立政権では、衆議院の定数を500から小選挙区30、比例区20を減らすことが合意されていた。しかし、結果的に比例区だけ減って、現在480の定数になっている。現在、定数削減が話題になっているが、2大政党からは削りやすい比例区から削ろうという考えが見え隠れする。
比例区だけを減らす正当性はどこにもないし、完全小選挙区制度になった時、49%の民意をどうするのかという議論も必要だ。両院制、一票の格差、憲法改正などの観点も合わせる必要があって、なかなかベストな定数というのは、見つけにくいかも知れないが、将来の日本の政治システムに何人必要なのかという根拠ある議論を積み重ねていくしかあるまい。
自分の身は守ろうという魂胆で定数削減を考えていたのでは、国会で合意できるはずもない。「国民感情も考えて、議員に痛みが出ない程度に少し減らそう」では駄目だと気付くべきた。これは歳費についてもあてはまる。今、「100年に1度の危機」とよく使うが、まさに実体経済は悪化の一途をたどっている。こんな時、国会議員だけが痛みを受けようとしないのはおかしい。まずは今国会中に第1段階の議員定数削減の与野党合意を目指すべきだ。
(谷あい)
国会議員の定数削減