来年度の予算、税制の政府与党大綱が決まりました。来年から実施される数多い施策の中で、第三国定住というものがあります。
先週、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のトップであるグテーレス氏が来日、麻生総理と会談されました。翌日、私も同氏とお会いしました。UNHCRを支援する国会議員の集まりで、来年度から日本が第三国定住を30人程度受け入れることが決まったと報告を受けました。現在のところ、タイに暮らすミャンマー難民が来日する予定とのことです。
第三国定住については、数年前から私も日本は導入に踏み切るべきと訴えておりました。祖国を離れ隣国等に保護されている難民が、別の第三国に難民として保護され、定住を図っていくことを第三国定住と言いますが、インドシナ難民をかつて受け入れた時以外、日本は第三国定住を認めていませんでした。先進国の中でも悪い意味で珍しい国で、人道的な観点から、導入に踏み切るべきと訴えておりました。かつて緒方貞子(現JICA理事長)さんがUNHCRのトップにいたときでさえ、日本政府は動かなかったのです。
大事なことは受け入れ自治体や地域の協力ですが、岡山に本部を置くAMDAや公設国際貢献大学校が一役買いました。そのこともグテーレス所長には報告されていました。
難民の国内受け入れが、日本人の抱く難民のイメージを壊していくきっかけになるのではないかと思います。定住ということは、しっかり地域で仕事をしていくことですから、援助だけで生きていくようなことではありません。
日本は海外への支援は得意ですが、国内における外国人に対する住民サービスが非常に遅れています。最近の日系ブラジル人の雇用や教育の問題がそうです。
第三国定住をきっかけに、ひとつひとつ障害を取り除いていけるようにしていきたいです。
(谷あい)
第三国定住制度が実現