○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
早速、時間の関係もございまして、官房長官の方からまず質問させていただきたいと思います。
まず、無駄ゼロへの取組ということで、先ごろ福田総理の方から、政府における無駄の徹底的な排除に向けた集中点検として無駄ゼロに向けた取組方針が打ち出されました。大変強い姿勢が示されたと思っております。
まず冒頭に、この無駄ゼロに向けての官房長官の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘をいただきましたけれども、総理大臣はもう就任以来この話には大変強く指示を出し、また各方面についての取組を促しているところでございます。
やはり今回のこれまでの予算の審議等々を通じまして、不適切な支出というものが与野党を通じて御指摘をいただいたところでございまして、こうしたことを徹底的に是正をしていかないと、政治に対してあるいは政府に対して信頼も生まれてこないということを深く思っているところでございます。
五月十六日の道路関係の閣僚会議がつくられたわけでございますが、その場で総理の方からすべての省庁、すべての特別会計や関連公益法人に至るまで無駄な支出を徹底的に洗い出し、無駄ゼロに向けた見直しを断行する必要があるという指示があったところでございまして、こうした観点から、政策の棚卸し、長い間同じような政策が続いているではないかと、あるいは重複した政策があるではないかということで、先ほど六十年という御指摘も私も拝聴していたところでございますが、概算要求時までにはこうした棚卸しを徹底的にやろうと、あるいは行政と密接な関係にある公益法人の集中点検、これは六月末までにしっかり仕上げていこうというようなことを今取り組んでいる最中でございまして、無駄のない効率的な無駄ゼロ政府の実現に向けて努力をしていきたいと考えております。
○谷合正明君 いろいろな取組がある中で、とりわけ行政と密接な関係にある公益法人の集中点検、これが六月末までに取りまとめるということでございまして、まさにこの公益法人の集中点検、これが本当に大事であると思っております。
今回、国会で、特に道路関係公益法人の不適切な支出等が大きく明るみになっていき、それが国民的にも大きな関心を呼び起こしているわけでございます。この集中点検の際に、これをいかに、この取組をいかに実効性あるものにしていくのか、いかに骨抜きにさせないのか、抜け道をつくらせないのかということが大事でございます。
そこで、集中点検の実効性を高める方策について改めて官房長官に伺いますが、例えばそれを集中点検の結果としてどのように改めていくのかとか、実際にそれがどうなったのかを一覧できる形で公表するとか、あるいは数値目標を設定するだとか、その具体的な取組の透明性を高めることが重要であると考えますが、現時点でこの集中点検のまだ現在進行中ではあろうと思いますが、この辺りについて、官房長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 先行する取組として道路関係の公益法人というものにつきまして既に対応を決めているところでございます。これが十分であるのかどうかということはまた引き続き検証しなければいけないと思いますけれども、例えばおおむね三年後を目途に、六百七十億円の道路関係公益法人への支出があるわけですが、これを半減以上に削減するとか、あるいはこの公益法人の数も現在の三分の一の十六法人にするとか、国家公務員出身の役員の在任は原則六十五歳までとし、六十歳を超えて在任する者については給与を大幅に減らすとか、あるいは道路特会からの広報費等の支出を大きく減らすなどなど、いろいろなことが道路関係で決められました。
こうしたことを一つの参考にしながら、今委員御指摘の国と密接な関係にある公益法人、これを四月一日から集中的に点検をしておりまして、例えば民間参入などの事務事業の見直し、役員の報酬、職員給与、役員数などの見直し、随意契約を見直しして競争的な契約方式への移行をすること、不適切な職員厚生経費支出の見直し、内部留保の適正化、情報公開の徹底、内部コンプライアンスの確立など、こうしたことについて点検を進めておりまして、六月末までには改善の結果を最終報告し、当然これは公表する予定にしているところでございます。
○谷合正明君 是非、省庁横断的になっておりますので省庁任せではなかなか進展しない、そこでやはり徹底した事業仕分けを総理と官房長官のリーダーシップの下で断行していただきたい。
さらに、道路関係公益法人の議論の中で天下りの問題がクローズアップされました。例えば五十の法人という、五十法人出ましたけれども、その法人に、国交省にいた方が一千人、一千六十三人役員にいらっしゃったということで、この問題も大きくクローズアップされました。この公益法人への支出や契約を続け、公益法人の存在を守っていこうとする背景には天下りの問題があることは否定できないだろうと。この点について今国民が非常に怒っている、怒っているわけであります。
そこで、公益法人への天下りを含めてこの天下り問題全般論として、しっかり政府として取り組んでいくべきであろうと思っております。先ほど、随契の見直しあるいは役員報酬ですとか、いろいろキーワードを出されたと思いますが、まだまだ不十分であるというのがいわゆる国民世論の認識でございます。
天下り原則禁止と我が党も言っておりますが、この天下り対策、この改革に向けて一層の努力をしていただきたいわけでありますが、官房長官の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 現在ある公益法人、これの存立を含めての見直しというのがあるわけですが、そこにいる国家公務員OBの方々をどのように対応していくかというのは先ほど申し上げたとおりであります。
今後のことにつきましては、昨年、通常国会で国家公務員法等改正法というものが成立をいたしまして、いわゆる天下り問題を根絶できるように、公益法人への再就職を含めて各府省の再就職あっせんを禁止をいたしました。また、官民人材交流センターに一元化するということもいたしました。さらに、公益法人、営利企業等の地位に就いている元職員の出身省庁への働きかけを規制して、これに関する不正行為に対しては刑罰を導入をするというところまで法律化しているわけでございます。また、こうした規制の実効性を確保するために、外部からチェックをするという意味で再就職等監視委員会というものを設置をして厳格な監視を行う。
こうした一連の法律あるいは官民人材交流センターの発足、また再就職等監視委員会の設立、いずれも十月一日から予定をしているところでございまして、これらによりまして天下りそのものが規制をされますし、またそこから生ずるおそれのあります不正行為が防止できるものと、かように考えているところであります。
○谷合正明君 国家公務員は国民全体の奉仕者であると、当然の話でありますけれども、それぞれの能力を国家、国民のために十分発揮できる、そういう行政、そういう環境をしっかりつくっていただきたいと思っております。その意味では、今回の無駄ゼロの取組というのは本当に言葉だけで終わらせてはいけないというふうに思っております。実効性のあるものを是非断行していただきたいというふうに重ねて申し上げます。
時間の関係もありますので、官房長官、ここで御退席いただいて結構でございます。
○国務大臣(町村信孝君) 御配慮ありがとうございました。
○谷合正明君 次に、公益法人と関連するかもしれませんが、NPOについて取り上げたいと思います。
岸田特命担当大臣にお伺いしたいと思うんですが、まず、これ、NPO法は議員立法として制定されました。いわゆる平成十年に施行されておりますので今年で満十年という節目の年であります。NPO法人が今約三万四千ありまして、広く制度として定着しております。実は私も議員になる前はNPOに勤めておりました。在職中にまさにこのNPO法が施行されまして、それまでの本当に法人格を持っていない団体から法人格を持つようになりまして、それこそ働いている者としても何か一種アイデンティティーというんでしょうか、本当に法人格をもらえたということで大変うれしい思いをしたなということを当時を思い起こしているわけでありますが。
まず、この法施行十年ということで、今様々な意見がNPO業界から出されているかと思います。この議員立法で制定された本法については議員提案による改正が筋ではあるんですが、内閣府として速やかに法改正を要すると考えている部分、あるいはNPOサイドから法改正を強く求められている部分についてどのように把握されているのか、この点についての認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) NPO、特定非営利活動法人ですが、御指摘のように数はもう三万四千を超えておりますし、また行政でも企業でもない新たな社会づくりの担い手として様々なニーズに機動的に対応できる等々、これからもこの期待は大きくなっていくというふうに認識をしております。
こうした特定非営利活動法人の制度の在り方、法律の在り方につきましては、平成十七年以降、国民生活審議会でも御審議をいただいております。そして、幅広く意見を求め、こうした寄せられた意見も踏まえた上で、昨年六月に国民生活審議会総合企画部会の報告として取りまとめが行われています。その中に様々な項目について見直しの方向が示されており、法改正を必要とするものというものも含まれております。
この中を見ますと、認証基準の見直しですとか申請等に係る手続の見直しですとか、休眠法人等への対応ですとか、あるいは情報公開における個人情報の取扱いですとか、あるいはこれは両論併記ではありますが、法律の名称につきましても改正という議論も盛り込まれているようであります。こういった内容につきまして、法改正を必要とするものとして指摘をされているところであります。
御指摘のように、この法律は議員立法であります。ですから、こうした国民生活審議会での議論、この報告の中身、こういったものも踏まえていただいて、是非関係者の皆様方、そして多くの議員の皆様方にもしっかりと議論をしていただきまして、この法改正につきましても方向性を示していただければと思いますし、我々もその議論をしっかり注視していきたいと、そのように考えております。
○谷合正明君 NPOと今後行政とのパートナーシップ、協働というのが非常に大事になってまいります。先ほど大臣の方からおっしゃっていただいたように、官でも民でもない新たな地域社会の担い手ということで非常に大事な役割を持っております。これは広く公益法人にも言える話なんですが。
そこで、今、公益法人を出しましたが、行政と密接にかかわる公益法人の方はこれまでの議論の中で行政との癒着という問題が度々指摘をされました。例えば、いわゆる先ほども天下りの話を出しましたが、天下り先となっているんではないかとか、国民の強い非難を浴びてきた面もあります。こうした先例にかんがみれば、特定非営利活動法人、NPOについても行政との協働はあるべき姿としても、行政との癒着であるとか、あるいはNPOが行政の別働隊であるとか行政の下請になってはいけないんだと思います。こうしたことが一部の法人で起これば、NPO全体の信頼にもかかわってまいります。そういう意味では、いわゆる自由な法人の在り方すら失われる懸念すらあるわけですね。
ここで質問させていただきますが、特定非営利活動法人と行政との協働における節度を特に行政側が心していかなければならないと考えます。今行政からいろいろな事業を委託したりすることも多いわけでありますが、そうした契約の在り方のルール化であるとか、そういったことが実際にNPO側からも言われております。
この点について、担当大臣の御所見、癒着防止のための行政側のガイドラインの作成の必要性について伺いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、癒着と言われるようなNPOと行政との関係ですとか不適切と指摘されるような点につきましては、しっかりと見直し、検討していかなければいけないとは思っていますが、ただ、やはり今社会がどんどんと変化している、社会や地域が抱える課題も多様化しています。こういった状況の中にあって、NPOとそして行政との協働というのはこれからますます重要になってくるというふうには認識をしております。是非、内閣府におきましても、こうした協働における環境整備ということはしっかり努力をしていかなければいけないと思っております。
平成二十年度の税制改正において大幅に拡充されました認定NPO法人制度の普及ですとか、様々な情報提供ですとか、活動の担い手の育成ですとか、様々な環境整備に努めていかなければいけないと思っていますし、また内閣府としましては、NPO関連施策を一括検索できるNPO情報ポータルサイトの管理運営、こういったことも行っていますし、また地域活性化モデル事業の実施につきましても、NPOと地方自治体の協働による官と民との新たなパートナーシップに基づくモデル事業、この二十年度からスタートをしています。
こうした環境整備に努めていかなければいけないと思っていますが、ただその中で、やはり御指摘のような不適切な点についてはしっかりと検証した上で、改善すべきところは改善していく、こういった努力は続けていきたいと思っています。
○谷合正明君 NPO法も施行十年たっていますが、まだまだテークオフしたばかりであるという認識もあって、そういう意味では環境整備を順次しっかりしていただきたいという声はたくさん出されております。内閣府として何ができるのかというところで、ある程度その制約があろうかとは思いますが、しっかりと我々も、議会側もNPOについてはしっかり働きやすい環境をつくっていくというのが大事だと思っております。是非、担当大臣の御協力もいただきながらしっかり進めていきたいと思っております。
岸田大臣におかれましてもお時間であろうかと思いますので、御退席、結構でございます。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員長、よろしゅうございますか。
○委員長(小川敏夫君) はい。
○国務大臣(岸田文雄君) どうも御配慮ありがとうございます。
○谷合正明君 では、引き続きNPOについて質問させていただきますが、このNPO法人の認証要件について、今、業界というかNPO側から寄せられている話でありますが、認証について都道府県での取扱いに違いが見られると、一部において事実上の許認可とも思われるような態度と取扱いをしているところがあるとのことであります。
認証に当たりましては、認証に必要な書類が特定非営利活動促進法の規定に合致しているかを審査するのでありまして、都道府県が独自に規制をしたり、運用の解釈、規定的なものを独自に設けるべきではないと考えます。認証後にNPOによる違反、違法行為などが起こらぬように慎重になっているのかもしれませんが、そうした行為があれば認証を取り消せばよく、あえて認証を厳しくする必要もないと思っております。
まず、この都道府県で認証の取扱いが異なることがないよう政府としても何らかの措置を講ずべきと考えますが、見解を伺います。
○政府参考人(舘逸志君) ただいま先生から御指摘をいただきました認証の問題、私どもも認識しております。
特定非営利活動法人法では、一つの都道府県の区域内に事務所を設置する法人の所轄庁は当該地都道府県と。それから、それをまたがる二つ以上の場合は内閣総理大臣となっております。私どももまたがるところは所轄をしておりますけれども、ただ、この中でばらつきが生じないように、私どもも極力所轄庁間の意見交換を行ったり、それから認証審査における差異が生じる原因についてこれから検討していくと、そういうことが必要だとは思っております。
ただ、一点御理解いただきたいのは、この所轄庁の都道府県の事務、これは自主的な自治事務でございますので、私どもも政府の方から指導するというようなことはできませんので、御理解いただければと思います。
○谷合正明君 その点分かった上での質問ではあるんですが。
さらに、いろいろな具体的な要望というか、改善すべき事項としてNPO側から挙がっている話として、認定NPO法人制度であります。先ほど大臣の方から、NPO法人が税制優遇受けられる法人として認定NPO法人制度というのがあるという話であります。
この認定NPO法人は平成二十年度改正でも要件緩和も図られておりまして、その点については評価しているわけでありますが、ただ、実際問題として、認定NPO法人は、全体、今NPO法人が三万四千法人のうちの八十四法人でありまして、全体の約〇・二%にすぎません。これは余りにも数が少な過ぎるんではないかというふうに私は考えます。
これは認定申請する団体が少ないことに由来するのか、それとも申請する団体が要件に該当しないとして認定されないことに由来するのか。まず、認定要件が緩和された平成十八年度以降の申請数と認定数を確認させていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(荒井英夫君) お答えをさせていただきます。
平成二十年三月末までに認定申請があったものにつきましては、その認定の有効期間が二年間となっていることから、新規申請分及び二回目以降の申請分を合わせた申請件数及び認定件数を延べ件数で申し上げさせていただきたいと思います。
平成十八年四月から平成二十年三月までの申請件数は百四十五件、うち新規申請分は九十九件となっております。それから、同期間の認定件数は八十二件、うち新規の認定分は四十五件となっております。
○谷合正明君 これを、数字を政府としてはどのように認識されているのかなと。まず、この数字が、この認定NPO法人数が伸び悩む原因をどのように把握されているのか。また、これをもし阻害要因があるのであれば、その改善に向けてどのような施策を講じるつもりなのか、併せて説明していただきたいと思います。
○政府参考人(古谷一之君) お答えをいたします。
今御報告があった数字自体について私どもから評価するのはなかなか難しゅうございますけれども、私ども、官から民へという大きな流れがございまして、そういう中でNPO法人の活動が今後とも一層重要性を増してくるというふうに期待をいたしております。
こうした状況に対応いたしまして、認定NPO法人制度の要件などにつきましても、制度ができて以来、NPO関係者のニーズもお聞きしながら、累次にわたって認定要件の緩和や申請手続の簡素化などを行っておるところでございます。特に二十年度改正におきましては、諸般の要件緩和のほかに、申請の事務負担を軽減する観点から、認定の有効期間を二年から五年に大幅に延長させていただいたところでございまして、これによりまして認定の更新手続に係る事務負担の軽減にもつながるのではないかというふうに考えております。
今後とも必要に応じて検討しなければいけないと考えておりますが、まずは今回の措置の効果もよく見極めさせていただきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 ステップ・バイ・ステップで改善されているとは思います。その上で、NPOのある方からも、例えば申請のやり取りの中で窓口の国税局の担当者の方が非常に誠意のある方で、お互い信頼関係を築きながらやり取りができたという声も上がっております。
ただ、一方で、何というんでしょう、要件緩和に伴っていろいろ別な条件が付いてきて、要件が緩和されるたびに提出書類が増えて複雑化しているという話もございます。また、書かれているガイドライン以上の情報を要求されたという話もございますし、また認定要件のチェック表というのがあるわけでありますが、受け入れた寄附金の明細表について、これが非常に複雑だということで計算を国税庁の職員にやってもらったんですが、やってもらったにもかかわらず後々訂正が入ったというぐらい不可解な計算式であったという報告も寄せられております。また、申請の期間も今長期化している部分もございます。一年から一年半たってようやく認可が下りたという話もございます。その中で国税局の担当者が、短期というか、一年ごとに交代していくので、なかなか話が通じないという問題もございます。
この辺、やはりNPOをパートナーとしてしっかり、NPOは、要は何を言いたいかというと、本来業務をしっかり仕事をしたいということでありまして、こういう事務作業に忙殺されたくないという話でございます。この点について、しっかり配慮していただきたいというふうに要望させていただきます。その上でNPO法人の会計基準の作成について、この点について伺いたいと思います。
現在、NPO法人には会計基準がございませんで、都道府県、内閣府が示している様式によって会計書類が作成されていると言われております。この様式は、旧公益法人会計基準に準じたものでありまして、以前からNPO法人の担当者、企業会計の経験者、専門家から難しい、分かりにくいという声も上がっております。
公益法人会計基準の方は新基準となってまいりますが、新たにこのNPO法人についても、どのような会計基準がふさわしいかを討議するときに来ていると思います。これが果たして政府主導でできるという話じゃないとは思いますが、政府としても何らかの検討を行っていく予定あるのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○政府参考人(舘逸志君) ただいま御指摘いただきましたNPO法人の会計基準の問題、重要な問題と認識しております。先ほど大臣の方からも答えさせていただいた国民生活審議会総合企画部会報告におきましても、この会計基準について盛り込まれているところでございます。
同報告では、ちょっと申し上げさせていただきますと、広く市民に対して理解しやすい会計書類を作成するためには、法人の取組をバックアップするものとして、会計処理の目安となる会計基準が策定されることが適当である、会計基準の策定主体については、所轄庁が策定すると必要以上の指導的効果を持つおそれがあるため、行政と協力して民間主導で策定等を行うことが適当であるとされているところでございます。
このため、内閣府としましては、会計基準の策定に向けた特定非営利活動法人等の御自身の活動もございます、そういう活動を見守っていきたいと考えております。
○谷合正明君 小規模のNPO法人も実際数多く存在しておりますので、その点についても考慮しながら、簡単で分かりやすいものを作っていきたいというのがNPOの側からの要望でございます。
NPO法人に対する信頼というのはいまだ未確立とも言えております。内閣府の調査によりますと、NPOを信頼できると答えた人が三割、どちらとも、信頼できるともできないとも言えないというのが四割、信頼できないという人が一割ということで、まだまだ十分情報が伝わっていない部分もあろうかと思います。
一方で、その会計基準がなかなかしっかり統一されていないという問題もここに由来するとも言われておりまして、今日取り上げた問題についてはしっかりとNPO側の環境整備という点で、政府に対して、是非、上からの目線じゃなくて、本当にパートナーとしてやっているんだという目線でしっかり進めて改善していただきたいというふうに要望させていただきます。
次に、話は公務員の方の話にもう一度戻りますが、先ほど天下りの問題を官房長官とのやり取りでさせていただきました。この天下りがなぜ根絶できないかの理由、大きな理由としては、公務員の早期退職慣行というものがあります。早期退職慣行については、平成十四年、閣僚懇談会の申合せで、平均の勧奨退職年齢を三歳以上高くすると目標を掲げました。本年が目標の最終年度でございます。しかし、この平成十三年から十九年の間でどのくらい退職年齢が変わったかというと、平成十三年では五十四・四歳、平成十九年では五十五・八歳ということで一歳退職年齢が上がったということで、この目標の三歳以上というところに届かないわけでありますが、なぜ進まないのか、そして今後どうしていくのかについて、増田総務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(増田寛也君) この早期退職慣行の是正の問題でございますが、これは今お話ございましたとおり天下り問題と非常に関係をしているわけでございまして、この問題に対しての、この問題というのは天下り問題でありますが、これに対しての国民の厳しい批判ということも踏まえると、引き続きこの早期退職慣行の是正に強く取り組んでいかなければならないと、こういうふうに思っているわけでありますが、今先生からお話ございましたとおり、目標の三歳ということに対して今一・四歳と、昨年の平成十九年八月までのもので一・四歳と、こういうことでございましてまだ開きがあると、こういうことでございます。
今の組織の関係からいいますと、上の方に行くに従って大変ポストが限られてくるといったようなこともあって、そういったことから、いわゆる肩たたきをすると、そういったこともあるわけでございますが、そういったことではいけないということで、本年四月から専門スタッフ職制度というものを新たにつくって、そして当人の持っているその専門性というのを生かして、そちらの方でずっといわゆるスタッフとして、ラインではなくスタッフとして長く勤められるようなそういう職制というのを新たにつくりまして、この勤務の期間を長くするようなそういうことにも今道も開いたわけでございます。
そういったことを活用して早期退職慣行の是正に一層取り組んでいきたいというふうに思っておりますが、今先生の方からお話がございましたとおり、本年度最終年度なものですから、私も先般の閣僚懇談会で改めて発言をいたしまして、ちょうど各省夏の人事の検討を今行っているところであるんですが、その際に、幹部職員のこの勧奨退職年齢を改めて各大臣一人一人きちんと御確認をいただいて、そして先般の閣僚懇談会の申合せですね、その趣旨が生かされるように、そういうふうにお願いをいたしました。
引き続きこの問題についてきちんと取り組んでいきたいと、このように考えます。
○谷合正明君 これまでなかなか取り組んできたにもかかわらず進まなかった問題でございますので、専門スタッフ職制度、それはそれで評価したいとは思いますが、しっかり実行できるように増田大臣にお願いしたいというふうに思います。
さらに、今話題になっておりますのが国の出先機関の見直しでございます。先ほど公益法人の話等もしてまいりましたが、その際に必要なのは事業仕分だということなんですが、その事業仕分の中でも、国と地方の仕分の問題という意味では一番重要なポイントがこの国の出先機関であります。
現在、政府では地方分権改革の議論が進められておりまして、国交省からは一定の理解が示されて、一級河川の四割、直轄国道の一五%の管理権限の移譲が決められたということでありますが、ただ全体としてはまだまだ各省庁からの強い抵抗が示されているというふうに私は認識をしております。
国の出先機関については地方自治体との間で、農業分野に関しては国の地方農政局と都道府県の農政部局、労働分野に関しては国の地方労働局と都道府県の労働部局があるなど、二重行政になっている部分が相当あるというふうに指摘されております。国の出先機関には約二十一万人の職員、これはすべての国家公務員の約実に三分の二に当たるわけでありますが、全国知事会が先日出された提案によると、このうち九万六千人の仕事を洗い直すことにより五万五千人は地方に移譲できて、二万一千人は削減可能とされております。
これはすべて知事会の提案どおりやれという話じゃないんですけれども、あくまでも二重行政の無駄という部分が厳然としてあるわけでありますので、私はここで、政府においては平成二十年度中にこの出先機関の再編成を作成する方針のようでありますので、増田担当大臣には各省庁の強い抵抗を乗り越えて二重行政を解消し、無駄を排除した出先機関の統廃合をしっかりと進めていただきたいと考えておりますが、まず増田大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(増田寛也君) この出先機関、常に二重行政との関係でも問題にされてきたわけでありますが、その出先機関をいろいろ考えていく上では、まず国と地方の仕事のそれぞれの役割をきちんと整理し直すということが必要でございまして、今まさに分権委員会で今月末に第一次の勧告が政府になされるというふうに聞いておりますが、そのための作業をしているというふうに聞いております。
これに対して、担当大臣として、あるいは政府としても分権委員会を後押ししていかなければなりませんので、官房長官と共々、各省と今いろいろ議論をさせていただいているところでございまして、この一次勧告が出ましたら、その後、分権委員会の方で二次勧告の中でこうした出先機関について更にまたその間検討を加えて勧告に盛り込んでいくと、こういうスケジュールを聞いているわけでございます。
私も、この分権改革の中でこうした組織の在り方というのは大変重要なテーマでございます。今、各省と本当に真摯に真剣な議論をしているところでございますが、この分権委員会でも相当突っ込んだ勧告がいただけるようでございますので、その勧告の動向、内容を踏まえて、その組織を大胆に合理化する、そういう抜本的な改革に向けてしっかりと取り組んでいきたいと、このように考えます。
○谷合正明君 どうぞよろしくお願いいたします。
最後にお伺いしますが、公務員の退職金の話なんでありますが、憲法十五条二項において、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」とされているにもかかわらず、ゴルフ接待を受け、商社と癒着するなど、あたかも一部の奉仕者のように振る舞う行為があったのは事実でございます。
こうした不祥事を起こさない対策をしっかり講じてもらいたいわけでありますが、このことに関連しまして、現行の退職手当制度では、懲戒免職相当の不祥事を起こしても退職手当が支給された後に発覚した場合には退職手当を返納させることができないということで、主権者である国民からすれば到底受け入れ難い仕組みとなっているわけであります。
政府は昨年の十月の閣議決定において、このことを検討するとしておりますが、間もなくこの取りまとめをされるんだと思いますが、公務員に対する国民の信頼の回復を図るためにも、検討の方向性は返納させるべきという方向で考えるべきであると思いますが、この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(増田寛也君) 今検討会のお話がございました。まさに国民から見て、今の制度ですと大変返還の事由というのが狭いものですから、この返還事由を拡大をすると。そして、懲戒免職相当のときにもきちんと退職手当の返還を可能とするように今鋭意検討をしております。今月中を目途にこの最終報告を取りまとめるという予定と聞いているわけでございますが、総務省として、この検討会の報告書を踏まえて法制化の作業を進めて制度の整備を図ってまいりたい、このように考えております。
○谷合正明君 さらに、在職中に不祥事を起こし懲戒処分となった職員に対しても退職手当の支給を制限する仕組みが必要との声もあるわけでありますが、この点についてはいかがなんでしょうか。
○国務大臣(増田寛也君) この在職中に不祥事を起こした職員で懲戒免職に至らないような職員の場合は、これはまだその組織にいるわけでございますので、いわゆるまず停職とかそれから減給とかそうした処分を厳正に行うと、こういうことが大前提だろうと思います。
そうした場合には、当然、その後の昇進とか退職手当算定上のいわゆる通算期間がございますが、その中で不利に働くことでございまして、そうしたことによって退職時の退職手当の額にも影響すると、こういうことでございまして、私どもはそういった観点で、そういった懲戒免職に至らない非違行為についてはまず停職それから減給等の処分を厳正に行うと、これできちんとした対応を取っていきたいと、このように考えております。
○谷合正明君 時間が来ましたので、これで終わりたいと思います。