ネットカフェ難民って何だ?全国に約5400人にいると厚生労働省が発表したが、一体どんな人たちがどんな風に利用しているのかも分からない。雇用格差について議論している時、青年局スタッフが、「まずは局長が自らネットカフェに泊まってみたら」と進言するので、それではと、自ら昨日秋葉原のネットカフェに一泊してみた。寝泊りしている利用者は全国で1日につき約6万人いるというから、6万分の1になったというわけだ。
深夜1時、スーツ姿のサラリーマンや若いOL風の女性が受付に列をつくっている。えっ、ネットカフェって、ビジネスホテルみたいな感覚で利用されているんだぁ。確かに、シャワーも付いているし、歯ブラシや耳かきなどの生活用品も売られている。ちょっと、自分がイメージしていた利用の仕方と違うな。ネットカフェに泊まるなんて、だらしないとかそういう感覚でものを言う先輩議員もいたが、20代にとっては、「ネットカフェに泊まりますけど、何か?」といった感覚か。
身分証明書を提出して入会カードを書いて、ナイトプラン料金3000円近くを支払った。ジャムパン1個とドリング用グラス1つが付いてきた。もっと安いプランがあったが、さすがにイスがフラットにならないのはきついので、フラットタイプを選んだ。ただ1日3000円も払うんだったら、1ヶ月の料金はかなり高くつく。ちなみにネットカフェ難民の1ヶ月の平均宿泊費は2.4万円と言われるから、1日平均800円の宿泊代である。
部屋にはパソコン一台が設置されている。間切りされた空間にイスが一台あるだけ。毛布もない。私はネットサーフィンをして時間をつぶしたり、25歳から35歳の今の雇用状況を描いた「ロストジェネレーション」を読んだ。図書館で読むより、ここで読む方が妙にリアリティを感じる。
朝6時に目覚める。寝台列車に乗ったときのように、寝起きがすっきりしない。8時からの会合があったので、ここでネットカフェをあとにした。実際に仕事を探すとかそういうことまではできなかった。
一泊だけの体験では、住居をもたないで週半分以上ネットカフェに寝泊りする”難民”の実態は分からない。しかし、新聞報道や役所からの説明だけ聞くよりは、数百倍もいいと思った。この後、厚生労働省から「若年者雇用の現状と課題について」の説明があるが、政治家も官僚も上滑りの議論をしてはいけない。
(谷あい)
【ブログ】ネットカフェに泊まってみました