○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
大臣所信質疑をさせていただきたいと思いますが、まず初めに官製談合の問題についてお伺いしたいと思います。
このたびの官製談合の水門設備工事の件に関しての問題ですが、公正取引委員会から改善措置要求を受けたところでございます。今事実関係を調査されているところだとは思いますが、多く報道等で指摘されているのは、既に昨年四月に国交省職員の関与が報道され、それを受けて国交省としても調査を行ったと。昨年の六月にはその調査結果を発表したと。しかしながら、現役職員百六十七名に対する面接による聴取結果を行った結果、その時点では職員の不正行為は確認できませんでしたという発表だったと思います。
そこで、今回の事案については、事実関係の調査に当たられるのは国交省自体でございまして、まず今回、前回見過ごしていたということもあり、今回のその調査でどれだけ事実関係が把握されるのかという声が多くございます。まず、国交省には、水門工事を含めて、それ以外も含めて、談合への関与がないのか。あと、できる限り早急に、スピーディーにやっていただきたいと。いつまでにということは明示できないのかもしれませんが、防衛施設庁の談合事件等では四か月半で明るみにしていったということもありまして、徹底的に調べていただきたいと。
特に、公明党としましても、二〇〇一年に官製談合防止法を提出させていただいて、党としてもこの官製談合については強くやっぱりこれは根絶しなければならないということでやってきたわけでありますので、公明党の大臣でもあります冬柴国土交通大臣に在任中に是非このうみを出し切る気概で取り組んでいただきたい、(発言する者あり)そういうことでございます。決意をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 談合はあってはならないということを、私も就任後、日は浅いんですけれども、これは絶対にあってはならないと。とりわけそれに官が絡むなんということはもう言語道断だということで、私どもの国土交通省としては国の直轄発注事業をたくさん持っているわけでございますから、そこが率先してこういうものを改めなきゃならないということでこれまで改善措置を進めてきただけに、先ほどのおっしゃったように、公正取引委員会から国家機関として初めてこのような改善措置要求というものが出たことに対して、誠にざんきに堪えない気持ちでございます。
そして、私としても、この事実がこれからの審議でその内容というものが固まってくるんでしょうけれども、そのように発表があった段階で、やはり私ども、大臣、副大臣、政務官もこれは責任取るべきだということで、大臣給与等の返納をするということを決めたわけでございまして、国土交通省全体でこれは取り組まなければならない事案だと、最大のピンチだということも申し上げているところでございます。
この報道がありましたのは、先ほど言われたように昨年からでございますが、ただ一月六日、七日は非常に注目をすべきものでありまして、現職の職員が絡んでいたということが具体的に名前とか顔写真まで示されて報道されました。私もこれちょうど休みの日だったんですけれども、びっくりしまして、それで八日も日曜日で休みだったけれども、九日の朝一番に私は、私の部屋に最高幹部に全部集まっていただいて、これはもう省を挙げて徹底的に調査を遂げ、事実関係を確定させ、そしてその動機、背景、動機等も踏み込んで認知をし、それを基礎にして再発防止策を立てなきゃならない。その委員には私は外部の、内部の職員だけではなしに外部の有識者の方に入ってもらわなければならない、これは国民が聞いて納得できる人じゃなければならないということも申し上げました。
それを踏まえて、十一日の日にはこの入札談合防止対策検討委員会を発足させました。その中には九人の職員以外の有識者の方に入っていただきました。その中には高等裁判所の長官を経験された方、あるいは地方検察庁の特捜部の検事を経験された方、あるいは公正取引委員会の事務局長を歴任された方とか、あるいは弁護士、それから研究者、学者です、著名な大学の教授、助教授という方たち九人に入っていただきまして、私はこの方々に外部じゃなしに委員会の内部に入っていただいて、重要な人を調べる場合には必ずこの方々に入って調べていただきたいというようなことも指示したところでございます。
そして、これをするためには、今まで、去年やったときに百六十七名調べたけれどもそういうことは認められなかったという報告をしたじゃないかと、今回もそういうふうになるんじゃないかというような含みを持った質問だったと思うんですが、今回は、今までの去年の分は、だれが何したということは全く端緒なしに過去に水門の発注業務に携わった人、五年間の過去にさかのぼった職員について調べたわけでございます。しかし、今回はターゲットは絞られたわけです。具体的に新聞報道があり、また具体的に公正取引委員会から指摘をされております。したがいまして、私どもはその視点に立って、指摘された人たちについてはそのような有識者の方々に入っていただいて、そして我々の方の監察官というのがいるんですが、その二名とともに聞き取りをする、そういう作業をしております。
それから、公正取引委員会でも調べられた書類を提供していただくようにいたします。それと照らし合わせて、それからまた業界の人ですね、業界でこの具体的な行為に携わった人、我々の省の職員と接触した人というような人たちについても我々は聞いていこうと思っております。
それからまた、過去十年間ですね。もう今はOBになっている人も多いわけですけれども、さかのぼってそういうところに携わった人たちを調べようということで、大体六百人ぐらいになります。これの、三月七日現在で約七割は調べました。
そういうスピードでやっておりまして、ただ、その中で食い違ったり、あるいは裏付けを取ればまた違ったりすることはあるわけです。本質的に我々公正取引委員会とかあるいは警察、検察庁のような後ろに権限を持ってやっているわけじゃありませんので、あくまで任意の協力を求めてやるわけでございますから、非常に時間が掛かりますけれども、そういう形でこの事案をきっちり解明して、そして再発防止策というものを取ろうということで進めているところでございます。
ただ、それが結論出てから改善策を講じますと、これはファイナルですけれども、途中経過としても今できることは全部やろうということで、職員に対する問題、それから入札の合理化の問題、それから業者に対する問題、それからもう一つは職員の再就職の問題、こういう問題を起こしたところへは就職はしない自粛措置とかですね、そういう取り得る問題を我々はその日のうちに明らかにして、そして国民の信頼を一日も早く回復したいというふうに思っておるところでございます。
○谷合正明君 是非、再発防止を努めていただきたいと、根絶していただきたいと強く申し上げたいと思います。
その官製談合の構造も含めて、やはり国民の目というのは今、昨年の三つの現職知事が官製談合で逮捕されるという事案もありますし、非常に厳しい目を持っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
本日、ほかのテーマも用意させていただいておりますので、次のテーマに移らせていただきたいと思います。
本日、本州四国連絡高速道路株式会社の社長さんにもお越しいただいております。道路特定財源の問題と関連しまして、瀬戸大橋のことを取り上げさせていただきたいと思います。
まず、本四連絡高速道路株式会社、民営化になりました。その経営改善努力をしていく過程の中で、通行料金の高さというのは際立っているわけでありますけれども、その引下げの努力をどれだけしてこられたのか、まずその点についてお伺いしたいんですが、三本橋ありますが、瀬戸大橋に限ってお伺いしたいと思います。
○参考人(堀切民喜君) 本四高速の堀切でございます。お答えいたします。
本州四国連絡高速道路につきましては、民営化に先立ちまして平成十五年に一兆三千四百億円の債務切離しをしていただきまして、そのときあわせて、平成二十四年度から三十四年度まで、年額八百億円の出資延長を受けることを前提といたしまして、当時の債務二兆二千億円を四十五年間で償還することとされたわけでございます。当社では、この償還を円滑に進めるために、目下必要な維持管理費を確保しながら経営合理化によるコスト縮減などを行いまして、計画的な償還に現在努めているところでございます。
ただいまお尋ねの民営化後の料金でございますけれども、当社といたしましては、毎年の高速道路保有・債務返済機構への貸付料の支払、これに支障のない範囲で、少しでも多くの方々に利用していただきやすい料金とするようにいろいろな企画割引を実施してまいったわけでありますけれども、特に瀬戸大橋につきましては、平成十八年度に地域イベントと連携いたしました与島Uターン半額割引並びにJTBと連携いたしまして宿泊とパックになった本四二橋めぐり、さらに、JR新幹線及びレンタカーと連携したクーポン、こういったことをいろいろ考案しているところでございます。ただいま申し上げました三つ目のところはしまなみのところでございますけれども、同様なことを今後瀬戸大橋についても是非やってみたいと思っているわけでございます。
今後とも引き続き経営合理化努力を進めるとともに、民間企業としての創意工夫を生かしまして、このような企画割引の充実に一層努める所存でございます。
以上でございます。
○谷合正明君 今、瀬戸大橋の料金は平成十五年度の本州四国連絡橋公団の有利子債務の切離しとともに、基本料金の二八%引きという新特別料金が設定されておるんですが、今回その切離し債務の処理完了したということで、この新特別料金が今後どうなるのかと。継続されると思っているわけでありますが、念のため確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(宮田年耕君) お答えいたします。
委員御指摘のように、平成十五年の七月から新料金になっておりますが、これは一兆三千四百億の債務処理ではなくて、地方の追加出資ということで経営改善ができる、そういうものを背景にして継続を新たに入れておるわけでございますが、新特別料金につきましては昨年の三月三十一日に本四会社と機構で協定を結んでおります。この協定の中で新料金が継続定められておりますので、これに基づいてやってまいるということでございます。
今後とも、地方の御理解と御協力を得て一生懸命頑張っていきたいと思います。
○谷合正明君 道路特定財源の見直しということなんですけれども、公明党としましても、一般財源化ということを前提としたときに使途拡大、特に高速道路料金の引下げということは主張しておりました。大臣の今年の念頭の会見におきましても、高速道路の料金引下げについてコメントされておりました。もちろん独立した法人に一方的に安くしろということは言えないんだけれども、ただ、国民のニーズにこたえるために財務省とも協議をして、料金体系が違うであるとか、あるいはそもそも高過ぎるという問題についてしっかりと今後協議していきたいという趣旨だったと思います。
今回、その本四の場合なんですけれども、切離し債務という特別なこれまでの経緯もあり、あるいは料金を単純に引き下げただけではなかなか通行量、交通量が増えないという問題もあり、値下げについては様々な困難が伴うことは承知しておりますが、何分通行料金が高いと。先ほど高速道路はキロ当たり二十四・六円という話ありましたけれども、橋に当たりましては今特別料金になったとしても二百五十二円ということで十倍以上の料金が加算されているわけでありまして、依然として通行料を引き下げてほしいというニーズはございます。昨年の十月にも、香川県、岡山県の知事からもその要望が出されたところでございます。
昨年の十二月の道路特定財源の見直しに関する具体策の閣議決定の中で、国民の要望の強い高速道路料金の引下げなどによる既存高速ネットワークの効率的活用、機能強化のための新たな措置を講ずるということがうたわれているわけでありますが、まずその道路特定財源の見直しに関して、この高速道路という中にこの本四の橋というのはどうなっているのかと。また、通行料金の引下げに当たって、この道路特定財源の見直しと関して通行料金の引下げについて今後具体的にどのように検討されていくのだろうかと。その辺り、大臣の方から御答弁いただければと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) そのときの議論では、独立した道路会社に、本四も含めて補助をするということは一切しない、これはできません。それから、じゃ何をするのかと。引き下げてくださいということを要請するといったって、これ独立したところに、さっきもお話がありましたように二兆二千億というものを四十三年掛けて年賦で返していくという義務があるわけですから、その資源はこの通行料でございますから、一方的に我々の方が国民のニーズがあるから政策的に引き下げてくれ、これはもう言えないことになっています。
そういうことを前提にして、何ができるのか。これは道路特定財源を用いて、ただでやってくれということはなかなかできないということになれば、そういうことができるのかどうか、これを今年の年末までに協議して、そして話合いをして、国民のニーズにこたえられるようなことをしたいというのがその真意でございまして、来年の通常国会にはその法案を提案をしたいというふうに思っているわけでございます。
○谷合正明君 今、普通車が瀬戸大橋通ると四千百円でございまして、先ほどの何かバスの話でもう東京と大阪に行ける値段でございまして、それを十分間足らずの距離をそのぐらい、四千百円払うというのはやはりしんどい話でございます。
道路特定財源の柱というのはあるんですけれども、もう一つ、来年が瀬戸大橋は開通して二十周年を迎えます。明石大橋は十周年だと思うんですけれども、そういうときに利用促進を何よりも図らないといけないわけでありますが、例えば地元の倉敷市議会なんかでは記念ウオーキングなんかはできないかとか、そういった議論もう既にされております。あるいは、民営化の成果として更なる企画割引をもっとやってほしいという要望もございまして、二十周年という機会を是非利用しない手はないんだと思うんですね。
そこで、新しく民営化された会社として、これを機会に具体的に検討していただきたいということを要望させていただきたいんですが、お考えを聞きたいと思います。
○参考人(堀切民喜君) お答えいたします。
本四高速は、ただいま先生のお話のとおり、平成二十年、二十周年を迎えます。明石海峡大橋が十周年、またその翌年にはしまなみ海道も十周年を控えております。これら大きな節目の年は、私どもにとりましても、地域活性化のための交流基盤としての本四道路の架橋意義、これを再認識していただく絶好の機会である、また、民営化後の本四高速が瀬戸内企業として発展していく姿勢を示す絶好のチャンスだというふうに認識しておりまして、そのような観点から、多様な方法で記念事業を行いたいと考えている次第でございます。
記念事業の具体的な内容につきましては、今後、当社といたしましては、関係自治体と御相談しながら地域と一体となって盛り上げて、利用促進あるいは今後の交流の拡大に資するような有意義なものにしていきたいと考えているわけであります。
その中で、例えば記念ウオークなどの橋上イベントにつきましては、実施主体である岡山県、香川県両県等の関係機関とも相談しながら、今後適切に検討していきたいと、こういうふうに考えております。
また、料金の記念割引につきましても、現時点では具体的に決まっていないわけでございますけれども、今後積極的に検討してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
以上でございます。
○谷合正明君 やっぱり、本州四国は基本的にそもそもの移動需要を喚起しなければならないわけでございまして、パイが限られている中で新たな需要を喚起する、一つは例えば観光であるとか、そういう切り口があるんだろうと思います。
そもそも、海というものは隔てるものではなくて結び付けるものと言っておりまして、更にその上に橋が架かったわけであります。これからの人口は減少していきますけれども、交流人口をいかに増やしていくのかということが喫緊の課題でもあります。是非、その辺りをにらんで大胆な、いわゆる地元の人あるいは地元以外の人にも響くようなアイデアを是非是非やっていただきたいと思います。
それでは、続きまして、水資源について質問をさせていただきたいと思います。
今、暖冬ということで、全国で雪不足という報道が出ております。東京都内でも百三十年間の歴史、観測史上初めて降雪ゼロを記録しております。今年の暖冬の影響による夏の渇水の懸念、あるいは、農業用水は春先以降水田の代かきなどで需要がどっと増えるわけでありますけれども、特にその雪解け水が農業用水のもととなっているわけで、その辺り、水不足はないのかという心配がございます。
一方で、ここ直近で一気に降雪量が、雪が降ったという報道もあるんですが、果たしてそれで十分なのかという心配もございまして、実際問題として現在のところ水不足の懸念はないのか、その辺りの認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(門松武君) お答えいたします。
委員御指摘のように、今冬の全国的な記録的な暖冬と少雪でございまして、二月末時点で降雪量は全国平均で平年比の約六割以下ということになっております。ただ、雨の方でございますが、太平洋側を中心に平年より多めでございまして、そういうことを受けまして、国土交通省の所管のダム、水資源機構所管のダム、全体の六割以上のダムで平年並み以上の水位を確保しているのが現状でございます。
一般的に、雪でございますが、融雪によりまして河川や地下水を涵養するという水資源の量の側面を持っておりますが、さらに、いったん降り積もった雪でございますが、河川等への流出時間を遅らせるという時間的な要素、遅らせる要素も持ち合わせておりまして、言わば自然のダムというような機能も果たしているところでございます。
御指摘のとおり、非常に雪が少のうございまして、この五月、六月以降の渇水が懸念されるところでございますが、国土交通省といたしましては、引き続き河川の流況の監視、適切なダムの管理、さらには、渇水に対します早め早めの対応として、情報の提供をいたしまして節水の意識を高揚させるような施策を適切に打ってまいりたいというふうに思っております。
○谷合正明君 今、水資源開発計画の見直しをされていると思うんですけれども、特に首都圏の水がめであります利根川・荒川水系に関する計画の見直しを予定しているということなんですが、今、その関係機関との調整あるいはその見直し時期について、見通しがあれば答えていただきたいんですが。
○政府参考人(棚橋通雄君) お答えいたします。
我が国の人口が減少下にあるということを踏まえまして、水需要が横ばいになっております。それから一方では、気象変動等によりまして、水供給、水利用の安定性が非常に低下しているということで、全般的に水資源基本計画の見直しを進めておるところでございます。平成十四年から着手いたしまして、吉野川、木曽川、筑後川、豊川については既に改定を終わったところでございます。
お尋ねの利根川・荒川のフルプランにつきましても、現在こうした視点から、いかに安定的に水を供給していくかという視点からの見直しを進めておるところでございまして、現在、水需要の見通し等につきまして関係都県と調整するなど、関係者との調整や合意形成に努めておるところでございます。平成十九年度の中ごろまでには改定を終えたいということで、現在鋭意進めておるところでございます。
以上でございます。
○谷合正明君 そろそろ時間がなくなってまいりましたので、大臣に水という資源そのものについて認識を伺いたいんですが、今、気候変動という、温暖化という話が出ております。
例えば、降水量も、局地的に降ったりとか集中豪雨が多くなったりとか、本来、これまでの水資源開発施設が本来の機能を発揮できないことも多くなってきているということも指摘されております。そういうことを考えると、新たな水資源対策も講じつつ水需給の安全度を上げていく努力が求められると。地球温暖化に伴う気候変動が水資源に与える影響については、今後やはり二十一世紀は真摯に真剣に検討する必要があるんだろうと思います。
水資源といいますと通常は淡水を想定して考えるわけでありますが、地球上の水の三%が淡水であると、九七%は海水だと。淡水のうち八割が氷であると、南極、北極。残りの二割が地下水であると。河川水というのは、淡水のうちの〇・〇〇四%にしかないということでございまして、世界水フォーラムではかつて、二十一世紀は石油をめぐる争いから水をめぐる争いになるだろうと言われておりました。
我が国の水戦略ということを考えたときに、大きく農業用水は農林水産省、あるいは工業用水であれば経産省、生活用水であれば厚生労働省と所轄がありますけれども、水資源全体の調整というのは国土交通省でございます。我が国の水戦略の取りまとめを是非していただきたいと思うんですが、大臣のこの水資源についての考えを是非伺いたい、最後に伺いたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 確かに水の確保ということが我々の命の確保にも通ずる重大な問題であります。
そういう意味で、近年の気象変動というのは物すごいものでして、私も、川内川、鹿児島ですね、はんらんをしまして、その激甚の現場を視察させてもらいましたけれども、何と五日間ですけれども、観測十か所で五日間に千二百ミリを超える降水が、梅雨前線集中豪雨と言われましたけれども、それじゃもうもたないですよね。そういうことがあるかと思えば、平均すれば、日本の年間降雨量は過去百年間、百年確率で見た場合に約百ミリ減少しているということもあるわけです。したがって、ぶわっと降るかと思ったら降らないと、雪も、どかっと去年、おととしは降ったかと思うと今年は降らない、これは本当に異常だと思います。
したがいまして、近年の降雨状況等による流況の変化を踏まえた上で安定的な水の利用を可能とするような水資源開発施設の整備を推進しなければならないというふうに思っているところでございます。
地球温暖化に伴う水資源への影響を具体的に予測、把握するとともに、水資源の安定性を確保するため、必要なダム等の建設を進めるほか、ダム、ダム群の連携、ダムとダムとで多くたまるところと少なくなるところを、多いところから少ないところへ近隣のところから流し込むというような連携など、既存しているストックの有効活用等の検討も行いまして、安全で安心な水資源の確保を図らなければならないと、このように思っております。