先週後半から週末にかけて、統一地方選挙の応援で岡山、広島、兵庫と移動した。県議選、政令市選の告示まであと1ヶ月を切り、街頭演説や時局講演も大変熱を帯びてきている。
岡山・倉敷での時局講演会の終了後、ある中小企業の経営者の方々にお会いした。聞けば、カーボンナノチューブ(アルミニウムの半分の軽さ、鋼鉄の20倍の強度、その他、色々な特性を併せ持つ)という世界最先端素材の製造技術を開発しているという。しかし、町工場ゆえ、金融機関から融資を受けるのに大変困っているという。
早速、翌日、その工場を訪れた。私の自宅からほんのわずかの距離の住宅街の中に、その工場はあった。
世界に名だたる大学、研究所、企業でも開発しえなかったものを見せていただいた。担当者によると、町工場だからこその発想で成功したと。
今後は工場で製造した素材が「カーボンナノチューブ」であるということを第3者に証明してもらわなければならぬという。しかし、その第3者というのが、制度としてあるわけではないので、人脈に頼らないといけない。しかし、町工場にはそのような人的ネットワークを築くほどの余裕はない。
特許をとっても、かえってそれが大企業や海外に技術が流出してしまうことや、関連技術を特許で固められて身動きできない状態になるという負の側面も聞かせていただいた。
中小零細企業の経営者・従業員が誇りを持って働ける環境を整備していかなければならないが、自分の足下にそのような問題があることを改めて認識した次第である。科学技術立国を支える中小零細企業をバックアップしなければならない。
それにしても隣近所の町工場で、世界初の技術が開発されているとは、本当に驚きだった。
(谷あい)
【ブログ】町工場で誕生するカーボンナノチューブ