今、「白洲次郎」が注目されているようだ。
ある時、岡山県出身のカリスマ美容師さんとお話しする機会があった。その美容師さんから、白洲次郎を目指してくださいと言われた。一番尊敬している人物とのことで、しかも、あんなに恰好いい人いませんよ、と言う。
無知をさらけ出すが、白洲次郎のことは知らなかった。そこで早速、関連本を数冊読んだが、こんな日本人がいたとは本当に驚いた。
白洲次郎、1902年兵庫県生まれ。英国に留学。占領期間中、GHQによって「従順ならざる唯一の日本人」と報告される。日本国憲法誕生の現場に立ち会う。初代貿易庁長官として通商産業省の設立にかかわる。サンフランシスコ講和会議に随行し、吉田茂首相の英語原稿を日本語原稿に変えさせ、沖縄の施政権返還を盛り込む。東北電力の会長。愛車はポルシェ。洒落た身なりでモデルもこなす。遺言は、「葬式無用、戒名不用」。
政治家でなかったが故に、歴史の表舞台にも出てこなかったのかもしれない。しかし、昭和史を知る上で、非常に貴重な人物であることを知った。
今度の新閣僚に白洲のような人がいればとコメントした人がいたが、同感だ。
白洲次郎は不世出の人物に違いないが、政治家として彼の生き方は非常に魅力的で、学ぶべきところは大きい。
(谷あい)
【エッセー】白洲次郎