○谷合正明君 公明党の谷合です。
このたびの独立行政法人の改革でございますけれども、この独立行政法人、まず前提としては、公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務事業ということが前提だと思っております。そういう意味では、この独立行政法人というのが政府の政策目標を達成するための言わば実動部隊とも言ってもいいのではないかと私は思います。
であるがゆえに、例えば中期計画の策定等におきまして主務大臣の許認可が必要となっているわけでありますが、一方で独立行政法人には運営の自主性の確保が求められておりまして、この辺りのバランスというんでしょうか、自主性あるいは自由度を付与する一方で、この国の関与といったところのバランスについてどういう観点で対応しているのか、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 御指摘のとおりでございまして、公共上の見地、つまりやはり全くの民間の営利ではできない部分、国あるいは国に準ずるという形でなければできないという部分がございます。他方、非公務員型の独立行政法人にすることによって自主性あるいは自律性、あるいはある意味では自己責任的なところも求めることによって効率的にやっていこうという、この二つを目標にしているわけでございます。
したがいまして、中期目標というものを提示して、そして法人の業務運営の効率化や行政サービスの向上等に対して主務大臣がある程度関与をしていくと、そしてまた、その中期目標そのものを認可をするということに国としては限定をしているわけでございます。そして、自主的に主務大臣あるいはまた全体を見る総務省の方で的確な業務遂行が確保できるように、事後的に第三者という立場で評価をすることによって両方の目的をうまくバランスを取りながらやっていきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 国の関与の在り方というのは限定的であるかもしれませんが、その限定的な中でも、やはり独立行政法人の場合は従来の特殊法人にはなかったような事後評価をしっかりきっちりやっていくということが求められているんだと思います。
まず、端的にお伺いいたしますけれども、中期計画につきましては、これを三年から五年の間で見直しするということが規定されているわけでありますけれども、この辺りをこの年数を固定化せずにもう少し見直しする機会を増やしてもいいのではないかという指摘もあるわけでありますが、この辺りはどのような見解でしょうか。
○政府参考人(染英昭君) 中期目標と中期計画の期間につきましては、法人の自主性あるいは自発性が発揮され、ある程度社会その他の変動が予測し得るような中期的な期間といたしまして三年以上五年以下の期間において定めることとされておりますが、農林水産省関係の試験研究機関は中長期の視点に立って行う必要があることから、中期目標及び中期計画の期間を五年に設定しているところでございます。
ただ、一方で、特段の事情がある場合には、独立行政法人の自律性、自主性が損なわれないように配慮しながら中期目標を変更することができるとされており、また、中期計画の変更を命ずることができるとされております。
○谷合正明君 分かりました。
それで、独立行政法人におきましては、第三者による事後評価あるいは中期的な目標管理といったところが法律で規定されております。この目標管理におきましては、それが客観的にその目標達成度がどの程度できているのかといったところが見られるわけでありますけれども、その意味におきまして、定量的な指標というものが重要になってくるだろうと。多くの独立行政法人の中期目標なんかにおきますと、五年間で一般管理費一〇%程度削減とかあるいは事業費五%の削減などが大体統一的に横並びに網羅されているわけでありますが、もう少し定量的な指標があってもいいんではないかと思っております。
この目標管理におきます指標の樹立に向けてどう取り組んでいらっしゃるのか、その辺りお伺いします。
○政府参考人(染英昭君) 独立行政法人の中期目標あるいは中期計画は事後的な評価の基本となるものであるということでありますし、適切な評価を行うためにはできる限り定量的な指標に基づいて作成されることが重要であろうと我々も考えております。
それで、御指摘のように、一般管理費や業務費の削減率、これを共通の目標ということで中期目標において定めております。また、それに加えまして、従来は、例えば試験研究法人におきましては第一期中期計画における論文数あるいは特許の出願数などで研究成果を示す指標を数値目標として設定しているところでございます。
こういう中で、これから第二期の中期目標が始まるわけでありますが、この第二期の中期目標におきましては、新たに食料・農業・農村基本計画の中で「研究・技術開発の展望」にありますが、大型温室の建設コストを五割程度低減というような、こういう具体的な研究課題の数値目標がありますので、こういうふうな目標を設定する、あるいは成果をより広く普及させることの重要性から、新たな項目といたしまして、特許の許諾率あるいはプレスリリースの数、この辺を設定したらどうかと。それとさらに、応用研究を担う統合法人からの特性から普及に移し得るような研究成果の増加割合、この辺を定量的な目標に設けますように指示し、検討をしているところでございます。
○谷合正明君 しっかりとやっていただきたいと思います。
それで、併せて事後評価についてお伺いします。
事後評価につきましては、独立行政法人によるいわゆる自己評価に加えまして、外部有識者によります第三者評価委員会でなされております。ただ、その独立行政法人の本来の役割というのは、やはりいわゆる国の、農水省の政策目標に照らし合わせて、果たしてどれだけその目標が達成しているのかというところを見た上で、その上での今回例えば非公務員化であったりとか統合であったりしなければならないとは思うんですが。
そこで、自己評価とか第三者評価委員会もございますが、果たしてその所轄官庁というのはどのようにこの事後評価についてかかわっているのかというところをもう少し、更に教えていただきたいと思います。
○政府参考人(染英昭君) 独立行政法人につきましては、今お話ありましたように、各事業年度の業務の実績につきましては各省の独立行政法人評価委員会が評価を行う、それとさらに、当該評価結果につきまして総務省の政策評価・独立行政評価委員会がダブルチェックを行っているという状況にございます。
一方、主務大臣といたしましても、いわゆる評価委員会が法人の業務の実績を評価する際の基準となるような目標、中期目標を策定いたしまして独立行政法人に指示しているというのがまず一点でございます。またさらに、法人が中期目標を踏まえて策定いたします中期計画の認可を行うということでございます。それとさらに、公表された年度評価の結果を毎年度把握すると。これらによりまして、独立行政法人における業務の確実な実施を確保するというようなことを行っているところでございます。
○谷合正明君 いわゆる内部評価というのはお手盛りというふうに批判もあって第三者委員会ができたわけだと思うんですけれども、今言われたように、しっかりと国、政府、農水省としてもしっかりとこの独立行政法人の果たしてきている役割というものを、達成度というものを見ていただきたいと、そのように思います。
それで、各論に入りますが、水産総合研究センターとさけ・ます資源管理センターとの統合でございますが、今回のその統合の積極的な意義というのはどういったところなんでしょうか。
○副大臣(三浦一水君) 今回の制度見直しによりまして、さけ・ます資源管理センターが行ってきました業務のうち、民間へ移行する資源増大を目的とした業務を除いて、サケ・マスのふ化放流業務を水産総合研究センターと一体的に実施することとされました。
この両法人の統合によりまして、サケ・マスについては、ふ化放流、沿岸域までの降河、外洋域での成長、回遊、河川への回帰まで一貫したデータの収集が可能となります。これを通じまして、国際条約に基づきます母川国の責務であります国際的な資源管理により一層貢献できるようになります。また、水産総合研究センターが有する試験研究や栽培漁業の開発に関する知見を今後活用することによりまして、サケ・マスのふ化放流業務の効率的な実施や更なる成果を期待することができると考えております。
○谷合正明君 分かりました。
今、栽培漁業について出てまいりましたので、その栽培漁業についてまた突っ込んで聞きたいと思うんですが、この水産総合研究センターには七つの重点研究領域がございまして、その一つに栽培漁業に関する技術の開発というものがございます。実際に、その水産総合研究センターには全国に十六か所、北海道から沖縄まで栽培漁業センターを持っております。瀬戸内海、瀬戸内におきましても、岡山、香川、広島、愛媛と、各四県にそれぞれ独立行政法人のその研究施設というものが、栽培漁業センターというものがございます。私もその岡山にあります栽培漁業センター、玉野市にあるんですが、そこに行ってまいりました。そこでもワタリガニなどの種苗の量産技術の開発ですとかあるいはキジハタの初期飼育技術の開発に取り組んでおられまして、研究員の方も熱心に取り組んでいらっしゃるんだろうなと。私に対するその説明も、熱心にパワーポイントを使って説明していただいたわけであります。
ただ一方で、その岡山県に限定しますと、この栽培漁業センターというのは、県の施設でも別の場所に県の栽培漁業センターというのも存在しております。この岡山、香川、広島、愛媛というこの瀬戸内の四県におきましても、いずれにおきましても独立行政法人の栽培漁業センターと県の栽培漁業センターというものが併存をしております。
純粋に私が疑問に思ったのは、こういった国、今は独立行政法人ですが、それと都道府県のこういった試験研究機関、この研究課題だとか試験課題がダブってはいないのかとかあるいは業務のダブりなどがないのかとかいったところ、気になったわけでありますが、この辺り、栽培漁業センターにおける独立行政法人と都道府県の整理というのはしっかり付いていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(小林芳雄君) 今御指摘ございましたように、栽培漁業に当たりましては、国と都道府県の役割分担とそれから連携が非常に重要でございます。国のレベルでは今の水研センターを中心に種苗生産とか放流効果の実証に必要な基礎的な技術開発を行っておりまして、県レベルではこの開発された技術を応用いたしまして実際の種苗の大量生産とか放流効果の実証につなげていくと、こういったことでございます。これまでの実例を申し上げますと、今までセンターでマダイやヒラメ、この種苗生産技術を開発してまいりました。これは今、現実に鹿児島県でのマダイとか青森県のヒラメなどで応用されていると、こういった実績がございます。
ただいまの瀬戸内海の例ですが、ちょうどサワラですね、平成十四年からの資源回復計画も始まりまして、その対象魚種でサワラが一つのテーマになっております。国の方のセンターではこの種苗生産技術開発を進めておりまして、開発段階に応じて関係県、岡山県とか大阪府等ですが、それに対して技術移転を行うこととしておりまして、具体的にちょっと最近の状況を申し上げますと、十七年度に岡山県の栽培漁業センターで種苗生産の取組を開始しております、県の方でもですね。それで、国の方でも、そのサワラのふ化した後この減耗が非常に激しいという問題がございまして、減耗というのは種苗が減っちゃうことですけれども、これは結局共食いというような状況がございまして、それを避けるためにはどうするかと。これは正に国のレベルで技術開発を進めました。そういったのが、だんだん成果が見えてきたものですから、それを今度県の方に提供して、技術指導を行いながら、県のレベルのそのセンターの事業が始まっていると、そういったようなことでございまして、繰り返しになりますが、その基礎的なところを国のレベルでいろいろ研究し、実際の種苗生産、その段階は県の方にまた技術を移転しながら進めていくと、そういった役割分担でございます。
○谷合正明君 国の方では基礎研究、県の方では実施というようなすみ分けがあるということでございますけれども、実際その独立行政法人の栽培漁業センターに行ったときには、やはり研究予算というのも年々圧縮されているということで非常に厳しい、厳しいというか、そういう予算制約のある環境の中で研究をされておりまして、それがゆえに例えば県と国の研究場所だとか研究員だとか研究施設というのは、一体化とまでは、各状況もございますので一体化したらいいかというか、そう限らないとは思うんですが、例えば共有化ですとか、そういったいわゆる国と県の研究機関の在り方をしっかり整理する必要が、調整する必要があるんじゃないかなと思っております。そういう意味で、調整機能は十分にしっかりと働いているのかなという疑問もございます。
今回、栽培漁業センター、今取り上げましたけれども、それに限らず、水産研究につきまして国というのはしっかり事業仕分をしてきて、今は独立行政法人になりました。でも、各都道府県の水産試験場はまだ県の試験場のままで、別に何かこの独立行政法人になっているわけでもなし、その辺り、私、国と地方の研究機関の整理を一体となって見直した方がよろしいんじゃないかというふうに考えております。
もちろん、研究の中身が大事であって、研究力というんでしょうか、技術力というのが高まることが必要であります。ただ、先ほど言いましたように、予算の面で年々圧縮されている中、これまでの数、研究施設の数だとか機能を維持しておくのが果たして望ましいのかどうかという疑問もございまして、この辺り大臣に、国と地方の研究機関の整理とか役割についてどう考えていらっしゃるのか、衆議院の方でもそういった議論も、研究機関について議論もあったと思うんですが、この水産研究についてどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 先ほど長官からも答弁ありましたように、役割分担と連携ということで、全く同じものが幾つもあるということは、こういう時代でありますから、うまく機能をそれぞれ生かしていくようにしなければならないと思います。日本は水産国家でありますから、古くから漁法があって、その地域その地域で歴史、伝統、誇りがあるわけでありますけれども、役割分担をこれから一層進めていく必要もあると思います。
例えば、地先で取れるような魚はその地域で主にやっていただくとか、あるいは国際的に回遊する魚、あるいは去年のあのクラゲのような問題、これはやっぱり地元も大変だったわけでありますけれども、やっぱり国が先頭になってやっていくということが大事だろうというふうに思っております。
あるものを何でもかんでも残すということではなくて、機能をしっかりとそれこそ評価をして、あることによって意味があるものについてはもちろん頑張ってもらいますけれども、そうでないものについては、その機能がどのような形でやれば最も効率的に目的が達成できるかということを自らも、研究機関自らもきちっとチェックをしていただきながら、本来の目的を達成していただきたいというふうに思っております。
○谷合正明君 是非とも、その辺りにつきましては、調整というかリーダーシップを大臣にも発揮していただきたいと思います。どちらかというと、何か国と県が競争関係にあるというよりは、研究が何かロスしているようなことも見受けられますので、一応業務内容は立て分けておりますけれども、先ほど言いましたように、その研究施設ですとか研究員といった業務、そういったものを共有化していくということは一つ考えられる方向だと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
次に、農業者大学校の廃止について質問させていただきます。
先ほども質問がございましたので、違う角度で聞かせていただきますが、定員割れについては説明いただきましたが、この農業者大学校については計画の達成度が毎年総合評価でAをもらっていたと。その中での廃止というのは、私、純粋に何でだろうという思いがあるわけでありますが、どうしてそれが廃止になるのか、ちょっと説明していただけますでしょうか。
○政府参考人(井出道雄君) 農業者大学校につきましては、その教育内容につきましては一定の評価を得ていたと思っております。ただ、先ほども御説明いたしましたように、独立行政法人に移行しまして以降、カリキュラムの変更等努力を重ねましたけれども、入学者数が更に減少を続けていると、コストも非常に高くなっている、それから、都道府県の農業大学校と機能的にもどうも分担関係が不明確であると。さらに、アンケート調査の結果等によりますと、昨今の農業者からは更に高度な先端的な農業技術等の教授をしてほしいという要望もあるということを踏まえまして、今回の農業者大学校は廃止をして、新たな形で農業・食品産業技術総合研究機構に移管した上で新たな先端的な農業技術の教授をするという機関に生まれ変わるということにしたところでございます。
○谷合正明君 例えば、研究の見直しですとか、いろいろ定員割れとかもあったということでありますけれども。それだと、どうしてそもそも総合評価で毎年Aをもらっているのかというのがよく分からないところもあるんですが。
この今回の廃止でございますが、今後、担い手育成について、これがどのように結び付いていくのかという大きな話を大臣に伺いたいんですが、これ先端的農業技術ですとか先進的な経営管理手法を教授を中心とする担い手育成事業とあるんですけれども、もう少し、何というんでしょう、担い手育成がこれでどう結び付いていくのか、どう進歩していくのかというところをお話ししていただければと思いますが。
○国務大臣(中川昭一君) ですから、今回統合することによって、研究機関の方の、ある意味では広範囲かつ川下、川上一体となった効率的な研究ができるものと期待しておりますし、また何といっても日本農業を支える人材、これを輩出しております農業大学校というものとがうまく連携が取っていけば、先ほど局長から答弁ありました、要するにこういうところに来たい人は大変な意欲を持って来たいわけでありますから、もっと先端的な研究がしたい、もっといい授業を受けたい、実習を受けたいというそのニーズにこたえられるようにしていかなければ、先ほど申し上げたように、幾ら効率的に農業者大学校が生まれ変わりましたといっても、なかなか学生は、ほかにも学ぶところ一杯あるわけでありますから、来ないわけでございます。
学生はお客様でございますから、是非お客様のニーズにこたえられるようにしていくということによって、この大学校の更なる重要な役割が農業者、あるいはまた農業者を通じて日本農業に貢献できるようにこれから一層自ら努力していただかなければならない、そのための評価というものもきちっとしていかなければならないというふうに考えております。
○谷合正明君 是非、今実際に農業に携わりたいという若い人が増えておりますので、そういった方々の受皿となっていただきたいと思いますので、今回の改革が単に統合とかいう消極的な意味合いだけじゃなくて、もう少し積極的な意味合いを持っていくように改革をしていただきたいと、そのように思います。
次に、今回の統合が見送られた法人について、確認のみで聞かせていただきますが、林木育種センターと森林総合研究所の統合については、これ来年になるということなんですが、これの理由について教えていただけますか。
○政府参考人(川村秀三郎君) お答えを申し上げます。
森林総合研究所でございますが、これは平成十六年度に試験研究機関全体の見直しの作業の一環としまして前倒しで見直しが既に終了しておりました。他方、もう一方の林木育種センターでございますけれども、本年度にその他の機関全体の見直しの作業ということで見直しを進めてきたところでございます。
しかしながら、昨年の十二月に至りまして、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性、この中で両法人を統合すべきというふうにされたわけでございます。そして、その結果を受けまして、農林水産省としましても決定をしたということでございます。
ただ、この両法人の統合でございますけれども、その性質がかなり異なりますし、この統合後の業務の範囲、統合後の組織の姿、また新たな組織体制における人事の在り方について検討を行う必要がございます。統合の効果を確実なものにし、また、より質の高い業務の実施を確保するという観点からも準備期間が必要であるということを踏まえまして、統合の時期を十九年の四月ということの目途ということで決定をしたわけでございます。
このように、この両法人の統合は既に見直しの作業を終えた法人とあえて統合するということでございますので、その上で可能な限り早い時期の統合時期ということで来年の四月ということを決定したわけでございまして、決して作業的に先送りしたというものではないことを申し上げたいと思います。
○谷合正明君 じゃ最後に、水産大学校につきましては専攻科で定員割れが生じているようなんですが、この辺り、水産大学校が、例えば先ほど申し上げておりました水産総合研究センターとの統合だとか、そういったことは検討にはならなかったんでしょうか。
○政府参考人(小林芳雄君) まず水産大学校でございますが、これは水産の生産現場に密着した人材の育成を図りたいという形の、言わば実務を含めた、実習を含めた教育をしている機関でございます。
水産総合研究センター、これは水産に関する技術の向上に寄与という形で、総合的な試験研究機関でございまして、この両法人のやっている目的、仕事内容、大分異なっております。
それから一方で、水産大学校の運営状況でありますが、今御指摘ございました専攻科で一部定員割れありますけれども、全体としますと、入学試験の倍率が十八年度の場合でも三・八倍でございます。それから、全体としての定員状況、充足率も平成十七年度で一〇三%でございまして、そういう意味では、そういった運営の下で漁業、養殖業、それから水産加工・流通業といった幅広い水産業界に人材を供給しているといった機能を果たしております。
したがいまして、私ども、それぞれの法人の目的や業務内容が異なるということに加えまして、現在の水産大学校の運営状況がおおむね良好な状態にあると、したがって両方にそれぞれ今の独自の姿で運営の効率化を図っていくことが適当だというふうに考えたところでございます。
○谷合正明君 終わります。