2月17日付の毎日新聞5面に、谷合正明参院議員の記事が掲載されました。
以下、毎日新聞の記事を転載します。
どうするODA 現場から③
国会で効果のチェックを
政府開発援助(ODA)の使い方が妥当か、チェックするのが国会の役割だ。しかし、きちんとチェック機能が働いてきたのだろうか。無駄を見逃した部分があったことは否めない。原因は衆参両院ともODA問題の取り上げ方が単発的であり、議員側もODAに関する知識が不十分だったことがあるのではないか。
私は非政府組織(NGO)のスタッフとして、紛争中や紛争後の人道支援に携わり、現地で支援プロジェクトを企画してきた。ただ本音を言うと、「これが最も効果的な企画なのか」という不安の連続だった。
ODAの効果を見極めるのは確かに難しい。計画、実施、効果の検証というODAの一連のサイクルを継続して見守る必要がある。単発的に問題点を挙げ、それで終わるのでは不十分だ。こうした反省から今回、参議院にODAの流れ全体をチェックすることで、より大きな視点で問題点を捉える組織が出来たことは大きな前進だ。
特別委は現地視察を行うため、国会の議論で浮かんだ問題点を検証することも可能になる。最近、個人的にスーダンを視察したが、現地の日本大使館は専門調査員も含め職員が6、7人しかいなかった。現地のODAはNGOやコンサルタントの企画を採用して行っているが、職員は首都での一般業務をこなすのが精いっぱい。援助の現場を見るのもままならない状態だ。逆に、東京にいる外務省、国際協力機構(JIDA)の職員が多すぎるのではないか。こうした問題も現地に足を運ばないと見えてこない。
政府はODA改革として、企画立案を統括する首相直轄組織を設けたり、実施機関の一元化を図ることを検討していると聞いている。ODAの有効性、効率化を高めるには必要なことだろう。ただ、組織を整えればすべてが解決するわけではない。ODAが日本の国益にかなった使われ方をしているのか、効果を見極める必要があり、それは私たち政治に課せられた責任でもある。
(2月17日付 毎日新聞より転載)
【活動記録】ODAについてインタビュー記事 … 毎日新聞に掲載