公明党の谷合正明参院議員は9日、岡山県玉野市沖の石島を訪れ、ノリの不作に苦しむ生産者から実情を聞いた。これには、党岡山県本部の山田総一郎県議、三宅一典・玉野市議が同行した。
瀬戸内海のノリの生産は12月から3月中旬がシーズン。例年、2月終わりから色落ちが激しくなるが、今年は特に早く、県内生産者のうち既に4割近くが養殖を断念している状況。これは、昨秋以降の少雨の影響で、瀬戸内海に栄養分が流れ込まず、海中の栄養分が不足しているため、とみられている。
この日、谷合氏は毎年200万枚のノリをつくっている生産所を訪問した。ノリは既に茶色味が増し、味も塩っぽくなっている。選別作業をしていた従業員は「売れるかわからん。売れてもこれでは、油代と人件費で終わってしまう」と、持っていたノリの束を不安気に見詰めていた。
危機的状況を克服するため県は、国土交通省中国地方整備局苫田ダム管理所に要請し、今月4日から4日間、ダムの水を緊急放流した。通常分に227万トンを上乗せして流し、海中の栄養濃度の回復を待っている。
視察を終えた谷合氏は「ノリ生産者にとっては、韓国ノリの輸入枠の拡大もあり、今後は試練の10年になる。品質の良い日本のノリを守れるよう支援していきたい」と決意を語っていた。(2月9日付公明新聞より転載)
【活動記録】養殖ノリ色落ち被害を視察 岡山県玉野市