早いもので、昨夏の参議院選挙から1年が経とうとしています。この1年間、「安全・安心」について考えさせる出来事が続きました。大きいものでは、昨年12月26日に発生したインド洋スマトラ沖の大津波災害、4月25日に起きたJR西日本脱線事故があります。
私の場合、議員になって、初めての海外視察が、タイ・プーケット島への津波被害調査でした。国際医療団体AMDAで仕事をしていた私としては、いてもたってもいられなく、党幹部に申し出てこの調査団に加わりました。正月返上の行程でした。
また、JR西日本の脱線事故については、事故翌日に現場を視察しました。その翌日の4月27日には、初めての参議院本会議質問をつとめました。この日は、偶然にも私の誕生日でしたが、犠牲になった方々の無念の気持ちを代弁しようと必死でした。
これらの災害で、どこの政党よりもいち早く現場に駆けつけたのが公明党でした。一方で、民主党は、津波災害でも対応は遅く(民主党調査団が現地に行ったのは2月中旬)、脱線事故でも国会議員が宴会・ゴルフをしていたことが明るみにでました。
阪神淡路大震災から10年。政治家は何を学んだのでしょうか。興味深いのは、現場に真っ先に飛んだ公明党議員には、阪神淡路大震災を経験した兵庫県選出の国会議員がいたことであり、宴会・ゴルフをしていた民主党議員にも、兵庫県選出の国会議員がいたことです。
人命や国家の存亡にかかわるような出来事に遭遇した時に、政党・政治家の正体が垣間見られる気がします。現場にすぐに飛び込むのか否かに、政治家としての資質が問われていると思います。人のいのちを最優先にすることは、政党・政治家にこそ求められていることだと、私は言いたいのです。
【エッセー】インド洋津波災害とJR脱線事故にみる現場第一主義とは