(公明党青年局のホームページに寄せたエッセーを転載します。)
本日、いよいよ東京都議選告示となりました。東京は今年一番の暑さではないでしょうか。午前中、北多摩1区に応援に行ってまいりましたが、暑い中たくさんの支持者の皆様に応援に駆けつけていただきまして、本当にありがとうございます。私たち青年局国会議員も、都議候補23名全員の当選を勝ち取るため、若い力をぶつけて、最後の最後まで、がんばってまいります。
さて、今、国政レベルで、大きくクローズアップされている政策課題の一つに、外国人労働者問題があります。私のHPにも、外国人労働者に関する意見を寄せていただく方が増えてまいりました。外国人労働者をどのように日本に受け入れていくかという国家ビジョンは、少子高齢化の問題ともあいまって、重要かつ喫緊の課題であります。公明党内にも、この問題を考えるプロジェクトチームが結成されており、有識者、関係機関からヒアリングを重ね、外国人の雇用現場なども視察してまいりました。
日本に暮らす外国人は、就労を目的とした者(約19万人)、研修・技能実習生(約10万人)、日系人(約23万人)、留学生・就学生(約18万人)、不法滞在(約22万人)に大きく分けられます。
先月、私は群馬県大泉町を訪れました。自動車工場などが立地するこの町は、住民の約14%が外国人です。東京都港区や静岡県浜松市、愛知県豊田市を抜いて全国一の外国人の集住都市です。そのほとんどが日系ブラジル人です。町には、ポルトガル語の看板がよく目につきました。ブラジル料理のレストランに入ると、ポルトガル語で話しかけられ(私が日系人によく似ていたのかも知れないが)、周りを見渡すと、客の全員が日系ブラジル人でして、日系人コミュニティができていることを垣間見ました。
大泉町をはじめ、外国人を多く抱える自治体では、こうした外国人コミュニティが形成されています。外国人集住地域が直面 している課題は、生活習慣の違いから起こる地域住民とのトラブル、医療保険の未加入者が多いということ、不就学の子どもの多さなどにどのように対応するかということです。
先日、NPO法人AMDA国際医療情報センターの理事長として長年、外国人医療に携わってきた小林医師より話を伺いました。(この医療情報センターでは、中国語、タイ語、ポルトガル語など7ヶ国語で電話による無料相談を行っております。)まず、指摘されたのは、そもそも国家として外国人をどれだけ受け入れていくのかのビジョンがないということでした。これは私も同感でした。もう一つは、私も改めて実態を知ったのですが、国家レベルではビザがなく「不法滞在」なのに、地方自治体では「外国人登録証」が発行されているということです。この行政の矛盾をうやむやにしてきたことが、今日的な外国人問題の複雑化・悪化を招いたと私は思っています。
私は基本的には多様な人材が日本で活躍することは大賛成です。まじめに学び、働く外国人をたくさん知っています。そういう方が地域社会の住民としてスムーズに受け入れられるようにしていくことが、今の日本の政治には欠けています。しかし、一方でよく議論される単純労働者の大幅な受入れについては慎重です。なぜなら、今の国内の受入れ体制では、それこそ、問題を深刻化させ、一部の自治体やNPOに負担を強いてしまいます。
まず、今はなし崩し的に進めてきた外国人受入れ施策を省庁横断的に、見直す必要があります。日本は海の外の協力には熱心ですが、内なる国際化はいまだ発展途上だと私は思っています。どこまで外国人を受け入れるのか、どこまで税金を投入して、各種サービスを提供していくのか、身近な問題として捉える時代に突入していることを認識し、国家ビジョンを早急に打ち立てるべきであります。
【エッセー】外国人労働者問題を考える