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【メルマガ】緒方貞子さんを偲んで

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1月 14, 2020

【No.248 2020年1月14日】

《 緒方貞子さんを偲んで 》

皆さん、こんにちは。谷合正明です。

今号では昨年10月22日に逝去された緒方貞子さんのご功績をしのび、緒方さんと私との出会いを記したいと思います。年始から混沌とした国際情勢ですが、原点を胸に外交にあたってまいります。

4年前に出版した拙著「人道の国・日本を目指して」より抜粋、引用します。

本書の最終原稿を入稿する直前(2016年3月)、幸いなことに、尊敬する緒方貞子さん(元国連難民高等弁務官)に時間をとっていただき、難民問題への思いを直接交わすことができました。

88歳というご高齢にもかかわらず、今もJICA(国際協力機構)の特別フェローとしてJICA研究所に通う緒方さんの言葉は、率直で、確信に満ちていました。

「日本は難民の受け入れ政策が貧弱です。島国根性から、もうちょっとオープンにならなければ。

難民を悲惨な人、可哀そうな人というイメージを持っていて、彼らを受けいれることに怖さを感じているんでしょう。

難民を入れたら、際限なく押し寄せると思っているようだけど、そんなことは起きません。日本には(彼らが)頼る親族はいないし、低賃金の労働市場もありません。

人類愛は、多すぎて困ることはありません。これがいざというとき、(国を)守ってもらう武器になります。わが身の安全のためにも、人類愛が必要です。世の中に虐げられた人が増えていくのは危険です」

私がアンゴラに赴任していたころ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のオフィスに毎日のように通って、国内避難民の状況について、担当の職員と話を交わしたものです。このとき、世界中から集まってきた国連職員の誰しもが、緒方貞子さんを慕い、尊敬していて、一緒に仕事をしたことを話してくれました。

とにかく、小さな体で紛争地域の現場を歩く緒方さんのことを、百戦錬磨の職員たちが讃嘆していたことに、同じ日本人として誇らしく耳を傾けたことはいうまでもありません。

当時、私は日本人がほとんどいない環境で仕事をしていて、右も左もわからない状況でしたが、緒方さんの存在はNGOの私の立場でも、光っていて、精神的にも大いに励まされました。

緒方さんの曽祖父にあたる犬養毅氏は岡山県出身の宰相として有名ですし、夫君は日銀の岡山支店長を務めた方です。私が暮らす岡山と縁が深く、緒方さんから果物、魚、米、水がとても美味しいところだと褒められて、いっそう身近に感じることができました。

緒方さんとお会いした日、その翌日の参議院予算委員会で中東難民問題をとりあげることを報告したところ、「うれしいですね。ラジオかテレビで見ます。しっかりやってください」と励まされました。

‘天井のない監獄’に押し込められたガザの子どもたちが、劣悪な環境にも負けずに、向学心にあふれている様子を、安倍総理に伝えながら、日本留学の「可能性を検討する」とした先の山口代表への答弁を突っ込んで、「難民の子どもたちを留学生として受け入れる」とさらに明確な答弁を引き出すことができ、一歩前進との思いを持ちました。

なお本書の題名について、緒方貞子さんは、

「私なら 『人道の国・日本を夢見て』にしますね。副題の『難民に寄り添い17年』は素晴らしい。こういう問題に取り組むことは、尊敬します」

と話してくださいました。日本が”人道の国”になるまでの道のりはなお遠く、現状ではまだ夢物語だというご指摘と受け止めました

緒方さんから、先駆者としての矜持ある感想を頂戴し、あらためて襟を正す思いがいたしました。

抜粋は以上です。

国会質問した翌年から、毎年、中東シリア難民の留学生が来日し、日本の大学院で学ぶようになりました。また、昨年から、パレスチナのガザ地区の教員が東京や広島で短期間で平和研修を受けるようになりました。

緒方さん、誠にありがとうございました。本当にお疲れ様でした。

参議院議員 谷合正明

(後記)

前号ではたくさんの反響がありました。ありがとうございます。

私は昨年のフルマラソンで3時間26分の自己ベストを更新。今後もマイペースで頑張ります。

(谷あい)