2022年4月17日 1面
ロシアによる侵略が続くウクライナから日本へ避難民の受け入れが進んでいます。公明党は「日本にできる支援を最大限に行っていきたい」(山口那津男代表)として、政府の取り組みを強力に後押し。現場では、一人一人の避難民が安心して生活できるよう、きめ細かい支援に奔走しています。
■受け入れ、住居確保 後押し/党のネットワークの力生かす
今月5日の大阪国際空港(伊丹空港)で、大阪府吹田市在住の重山保人さん、ウクライナ人のネリさん夫妻が首都キーウ(キエフ)から避難してきた娘と孫と感動の再会。実現の陰には、石川ひろたか参院議員と野田泰弘市議の連携プレーがありました。
「娘と孫を日本に呼び寄せたい」。夫妻の意向を知った公明支持者が野田氏に伝え、野田氏から石川氏につなぎました。石川氏は直ちに外務省に2人の支援を要請。状況を逐一確認し、援助を求め続けました。また、市議会公明党の働き掛けもあり、市営住宅の提供など生活全般への支援体制も整えられました。
一方、東京都では、3月から避難民が都営住宅に入居しています。都議会公明党の訴えにより、ベッドが用意されるなど避難民に寄り添った準備がなされています。今月11日には、竹谷とし子参院議員と、早期入居に尽力した松葉多美子、高久則男両都議が避難民の親子を訪ね、生活への不安や課題を聴きました。
■支援強化めざし党内に対策本部
公明党はウクライナ避難民の積極的な受け入れをいち早く求めてきました。3月14日、松野博一官房長官に緊急提言を提出し、日本に親族などの身元保証人がいない避難民への査証(ビザ)発給が実現しました。同23日には、山口代表が岸田文雄首相と会談し、避難民急増を踏まえ「追加の人道支援を」と直談判。これを受け、岸田首相が1億ドルの追加支援を打ち出しました。
同25日に行われた、山口代表らと、ウクライナ・東欧5カ国(ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、スロバキア、モルドバ)の駐日大使らの会談では、日本の支援に謝意が表明されました。併せて「公明党のネットワークの力を頼りにしている」との期待が寄せられました。
公明党は今月12日、党内に「ウクライナ避難民支援対策本部」を設置。谷あい正明本部長(参院幹事長)は、「人道支援を強化するとともに、停戦後の復興まで見据えた、継続的な対策を政府に求めていく」と決意を語っています。
■政府、一時金など支給
出入国在留管理庁によると、政府の受け入れ表明後、557人のウクライナ避難民が日本に入国しています(13日時点の速報値)。
政府は、身元保証人がいない避難民の生活を支援するため、1日当たり最大2400円を支給するほか、医療や日本語教育、就労支援にかかる実費を必要に応じて負担します。また、ホテルなど一時滞在施設を出て生活を始める際には、家具や家電など必要となる物品を購入するための一時金として、最大16万円を支給します。
身元保証人のいる避難民に対しては、公益財団法人日本財団が政府に準じた生活支援を行う予定です。
日本への避難を希望するものの、自力で渡航チケットを確保することが難しい避難民については、商用機の座席を一定数確保する支援も続けていく方針です。
■就労、教育、自治体・企業と連携
支援の動きは各地でも見られます。公営住宅や生活物資の無償提供などを行う自治体に加え、社宅や就労機会の提供を申し出る民間企業、学生の受け入れを表明する大学など、支援の輪が広がっています。同庁に寄せられた自治体や企業などからの支援申し出は1099件に上っています(13日時点の速報値)。
■人道問題に公明の存在感/認定NPO法人「難民を助ける会」会長、立教大学大学院教授 長有紀枝氏
ウクライナ避難民の受け入れに対する政府や自治体の対応は素早く、十分評価できます。
日本には、多発する自然災害を乗り越える中で培ってきた被災者支援のノウハウがあります。ウクライナ避難民への支援とも、ニーズの大部分は共通しています。政府・自治体にきめ細かな支援を期待したいです。
今後、停戦が実現したとしても避難民が帰還するためには、地雷や不発弾の除去を含め、相当の復興支援が必要です。私たちも地雷除去活動に携わっており、対人地雷やクラスター爆弾の問題に長年尽力してきた公明党と共にウクライナ復興に取り組んでいきたい。
アフガニスタンなどから逃れ、日本に助けを求める難民も多くいます。今回のような支援をウクライナだけで終わらせてはいけません。こうした人道問題にこそ公明党の存在感を示してほしいと願っています。